JupyterLab 3.0の始め方(Windows/Pipenv)
JupyterLab 3.0の始め方(Windows/Pipenv)
(2021年6月3日動作確認版)
以前作成した記事 では、JupyterLabでPythonの Language Server拡張機能 を利用するためにJupyterLab 2.2.9をインストールしていましたが、最近リリースされたJupyterLab 3.0系でもこの拡張機能を利用できましたので手順を残します。
動作確認できた環境の情報
Windows環境
- Windows 10 Pro/Home 20H2 64bit
- Python 3.9.5
- pip 21.1.2
- pipenv 2021.5.30
- Node.js 14.15.3
JupyterLab起動環境
- Python 3.8.7
- JupyterLab 3.0.16
- Jupyter-lsp 1.3.0
- Jupyterlab-lsp 3.7.0
-
python-language-server 0.36.2(2021年6月3日修正)下記のpython-lsp-serverをインストールするように変更 - python-lsp-server 1.0.1
- jupyterlab-git 0.30.1
用途ごとカーネル
- Python(バージョンは任意)
- ipykernel (バージョンは任意)
- その他使いたいパッケージ(任意)
Node.jsのインストール
最新版を入れとけばOKです。
デフォルトのブラウザをChromeまたはFirefoxに
Chromiumベースの新Edgeは対応しているのか??(未検証)
フォルダ構成
この説明では以下のようなフォルダ構成に、JupyterLabと拡張機能をインストールするための仮想環境と、用途ごとに異なるパッケージをインストールしてJupyterカーネルとして利用するための仮想環境を作成します。
エクスプローラーや mkdir
コマンドで下記のように jupyter
とそのサブフォルダである lab
,
kernels
および、projects
を作成してください。
jupyter
├── lab (←ここにJupyterLabの仮想環境を作る/JupyterLabの起動はここから)
│
├── kernels
│ ├─ kernel_1 (←ここにJupyterLabのカーネルとして利用する仮想環境を作る)
│ ├─ kernel_2 (同上)
│ …
├── projects
│ ├─ project_1 (←ここにJupyterLabの分析プロジェクト-ノートブックやデータを保管する)
│ ├─ project_2 (同上)
│ …
├── launch_jupyterlab.bat
launch_jupyter.bat
はJupyterLabを起動するためのバッチファイルで、ショートカットをデスクトップに置いて使っています。内容は以下の通りです。
cd .\lab
py -m pipenv run jupyter lab --notebook-dir=".."
バッチファイルが起動されると、lab
に作成する仮想環境を使ってJupyterLabを jupyter
から立ち上げます。
JupyterLabを起動する環境の作成
JupyterLabのインストール
\jupyter\lab
に移動してPythonとJupyterLabをインストールします。
ここではPythonはバージョン 3.8
、JupyterLabは 3.0.x
を指定します。JupyterLabには基本機能の他にさまざまな拡張機能をインストールすることができます。ここではJupyterLabでLanguage Server Protocolを利用できるようになる拡張機能 jupyterlab-lsp
をインストールします。※始めにNode.jsをインストールしたのはJupyterLabで各種拡張機能を使用するためです。
PS > cd jupyter\lab
PS jupyter\lab> py -m pipenv --python 3.8
PS jupyter\lab> py -m pipenv install 'jupyterlab>=3.0.0,<4.0.0a0' jupyterlab-lsp
krassowski/jupyterlab-lsp: Language Server Protocol integration for JupyterLab
次に python-lsp-server
パッケージをインストールします。
([all]
まで入力すること)
PS jupyter\lab> py -m pipenv install 'python-lsp-server[all]'
あとはお好みで拡張機能をインストールしてください。ここでは jupyterlab-git
をインストールします。
PS jupyter\lab> py -m pipenv install jupyterlab-git
一度JupyterLabを起動します。下記コマンドまたは、前述の launch_jupyterlab.bat
を実行してください。
PS jupyter\lab> py -m pipenv run jupyter lab
JupyterLabが起動したら拡張機能を Enable
にして有効化します。
ここまで完了したら、JupyterLabを終了します。
JupyterLabの終了は、File→Logoutをクリックしてタブを閉じたのち、シェル側で Ctrl+C
を行ってサーバをシャットダウンしてください。
カーネルとして利用する仮想環境の作成
用途ごとのカーネルを作成するためのフォルダに移動して仮想環境を作成します。ここで ipykernel
は必須のパッケージです。
PS > cd jupyter\kernels\kernel_1
PS jupyter\kernels\kernel_1> py -m pipenv --python x.x
PS jupyter\kernels\kernel_1> py -m pipenv install ipykernel numpy pandas ...
次に作成した仮想環境をJupyterのカーネルとして利用できるように ipython kernel install
コマンドを実行します。
PS jupyter\kernels\kernel_1> py -m pipenv run ipython kernel install --user --name=kernel_name --display-name=display_name
コマンドのオプションについては下記の通りです。
-
--user
→ 現在Windowsにログインしているユーザのみが利用できるようにするオプション -
--name
→ システムが認識するためのカーネルの名前(任意の名前を指定) -
--display-name
→ ユーザのために表示するためのカーネルの名前(任意の名前を指定)
このあと \jupyter\lab
に移動してJupyterLabを起動すればカーネルとして選択できるようになっています。
インストール済みのカーネルをシェルから確認する場合は、このフォルダから、
PS jupyter\lab> py -m pipenv run jupyter kernelspec list
で一覧表示されます。
また、カーネルのアンインストールはこのフォルダから、
PS jupyter\lab> py -m pipenv run jupyter kernelspec uninstall kernel_name
と実行します。
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