【Riverpod学習】Providerの種類〜StreamProviderについて〜
以下の公式を読みながらStreamProviderについて勉強したのでその備忘録です
StreamProviderは、非同期で継続的にデータを受け取るストリーム(Stream)を扱うためのRiverpodプロバイダです。これは、FutureProviderと似ていますが、Streamの更新が繰り返し行われる点で異なります。データが定期的に更新されたり、リアルタイムで変化する場合に利用されます。
1. StreamProviderの概要
StreamProviderは、リアルタイムデータや継続的なデータ更新を扱う際に役立ちます。例えば、FirebaseのリアルタイムデータやWebSocketを使ったライブチャット、定期的な更新を行うAPIのデータなど、繰り返しデータを受け取るシチュエーションで使われます。
例えばFirebaseのリアルタイムデータや定期的にデータを更新するAPIなどです
2. StreamProviderの利点
- ref.watchで他のプロバイダがストリームを監視できる: StreamProviderは他のプロバイダと組み合わせて使うことができ、データの変化を自動的に監視します。
- AsyncValueを使用して、エラーやローディング状態の処理が簡単: StreamProviderはAsyncValueを返すため、loadingやerrorの状態を簡単に処理できます。
- 最新のデータをキャッシュ: ストリームが新しい値を発行しても、途中から監視を始めたリスナーにも最新のデータがすぐに提供されます。
- Streamのモックが簡単: テストの際に、ストリームを簡単にモック(仮想データで置き換え)することができます。
3. 例: ライブチャットの実装
以下の例では、StreamProviderを使ってWebSocketを介したライブチャットの実装を行います。サーバーと接続し、新しいメッセージが届くたびにリストを更新します。
1. 非同期ストリーム関数の定義
まず、サーバーとの接続をストリームで扱う非同期関数を定義します。
Stream<List<String>> chat(ChatRef ref) async* {
// WebSocketでAPIに接続
final socket = await Socket.connect('my-api', 4242);
// プロバイダが破棄されるときにソケットを閉じる
ref.onDispose(socket.close);
// メッセージのリストを保持する
var allMessages = const <String>[];
// ソケットからの新しいメッセージを監視し、受信したメッセージをリストに追加
await for (final message in socket.map(utf8.decode)) {
allMessages = [...allMessages, message];
yield allMessages;
}
}
このコードでは、Socket.connectでサーバーに接続し、新しいメッセージが届くたびにallMessagesリストに追加します。新しいメッセージが届くたびにyieldでリストを更新し、StreamProviderを介してUIに通知されます。
2. UIでの使用
次に、このストリームをUIで監視し、メッセージをリアルタイムで表示します。
Widget build(BuildContext context, WidgetRef ref) {
// chatProviderのストリームを監視
final liveChats = ref.watch(chatProvider);
// 状態に応じて異なるUIを表示
return switch (liveChats) {
// メッセージが取得できた場合
AsyncData(:final value) => ListView.builder(
reverse: true, // 新しいメッセージを下に表示
itemCount: value.length,
itemBuilder: (context, index) {
final message = value[index];
return Text(message);
},
),
// エラーが発生した場合
AsyncError(:final error) => Text('Error: $error'),
// データがまだ読み込まれていない場合
_ => const CircularProgressIndicator(), // ローディングインジケーターを表示
};
}
- AsyncData: ストリームからメッセージが正常に受信できた場合、メッセージをリストに表示します。
- AsyncError: ストリームが何らかの理由で失敗した場合、エラーメッセージを表示します。
- loading(_): データがまだ読み込まれていないときに、ローディングインジケーターを表示します。
4. 使い分けと注意点
StreamProviderを使うべきケース:
- リアルタイムデータの監視: ライブチャットや、センサーのデータ、天気予報の定期的な更新など、リアルタイムでデータを受信する必要がある場合。
- ストリームのキャッシュと再利用: 同じデータを複数のウィジェットで再利用する場合にも便利です。StreamProviderは、過去に受信したデータをキャッシュし、途中から接続したウィジェットにも最新のデータを提供します。
FutureProviderとの違い:
FutureProviderは、一度非同期処理を実行し、その結果を取得するのに使いますが、StreamProviderは継続的にデータを受信し続ける場合に適しています。
例えば、APIから一度だけデータを取得して終わりにするならFutureProviderを使いますが、データがリアルタイムで更新される場合や、定期的に変わるデータを扱う場合はStreamProviderを使います。
5. まとめ
StreamProviderは、リアルタイムデータや継続的に変化するデータを扱うためのプロバイダです。
エラーハンドリングやローディング状態の管理が簡単で、UIを自動的に更新できます。
FirebaseやWebSocket、天気情報APIなど、定期的に更新されるデータの監視に適しています。
StreamProviderを使うことで、アプリが継続的にデータを取得する必要がある場面(チャットアプリ、センサーのデータなど)で効率的に状態を管理でき、複雑なデータ更新も簡単に処理できます。
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