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App Store/Google Playに公開するアプリに必要なプライバシーポリシを一瞬で生成するハック

2024/06/21に公開

厳格化されている App Store/Google Play のプライバシーに関する制約を逆手に取って, プライバシーポリシを生成するハックを紹介します.

** 法律の専門家ではないので, この記事を参考にして生成したプライバシーポリシが法的に有効であるかどうかは, ご自身で確認してください. 個別の事案については, 弁護士に相談してください.

App Store/Google Play のプライバシー厳格化

App Store や Google Play にアプリを公開する際の, プライバシーに関する制約は, ますます厳しくなっています.

App Store で 2020 年に Privacy Nutrition Label が導入され, プライバシーポリシなどその他の場所での同意の有無にかかわらず, アプリを通して収集するすべての情報を, App Store プラットフォームで開示する必要が生まれました.

また, Google Play でも 2022 年に同様の仕組みが導入されました. (Safety Section)

cf.

https://zenn.dev/akatsuki174/articles/3340c33fd144be

https://note.com/dempaq/n/n512553f2cf0a

アプリをインストールする前に, プライバシーポリシを 1 字 1 句読んでるユーザはほとんどいないでしょうし, よりユーザにとってわかりやすい UI で収集される情報が掲示されるのはいいことだとは思うのですが, (実際この表示をちゃんと確認してるユーザがどの程度いてどの程度効果があるのかは疑問の余地がありますが, ) 開発者としては, ただでさえ, 面倒な公開までの手間がまたひとつ増えてしまったという印象があると思います.

そこで, むしろこれを逆転の発想で使ってみようというのが今回のテーマです.

従来のプライバシーポリシ

この App Store, Google Play の "プライバシー宣言" が導入される以前から, アプリを公開するためには, "アプリ(サービス)のプライバシーポリシへのリンク" を指定する必要がありました.

これらは, アプリを公開する前に各自で作成して, 任意の場所にホストする必要がありました.

逆に Play Console で先に定義して, プライバシーポリシを自動生成しよう

"プライバシー宣言" を作るには, App Store, Google Play それぞれのコンソール上でボタンをぽちぽちして,

収集する情報 -> その情報の利用目的

の順に指定していくフローなのですが, Google Play のこれがなかなか良いフローで, 自分のアプリが 収集する情報利用目的 を把握するのにすごく役に立ちます.

また, 以下のような内容もフローに従うだけで把握することができます.

- データ暗号化などのセキュリティ対策が施されているか
- ユーザーがデータを共有しない選択肢があるか
- ユーザーがデータを削除できるか

そして, Google Play では, これらを選択し終えてフローを完了した後に, 今回の選択を CSV にエクスポートすることが可能です. (画面右上)

そこで, この出力した CSV を使って, 逆に "従来のプライバシーポリシ" を生成することで, 手間を削減し, むしろこの変更を活かそうというのがテーマです.

プロンプト

フィルターと正規表現で手動で解析してもいいのですが, せっかくなので, 今回は GPT-4o を使って, この CSV を解析して, プライバシーポリシを生成してみます.

1 つのプロンプトでいきなり, csv の解析とプライバシーポリシの生成をやろうとすると, うまくいかないので, 3 回にプロンプトを分けてやってみます.

添付ファイルは, Google Play に公開するアプリケーションとして, Google に申告した「ユーザから収集する情報」の内容をエクスポートしたものです.

このデータをもとに, 収集するデータとその利用目的を把握します

収集する情報は,
- [Responsive value] が true のもの
かつ
- [Question ID] が PSL_DATA_USAGE_RESPONSES からはじまるもののみで, 内容については, [Human-friendly question label] を参照してください.
この表をかならずすべて読んで,

- 収集する情報名
  - 利用目的

のように箇条書きしてください
よし, これらの情報をかならず全て含めて, プライバシーポリシを作成してください

完成したプライバシーポリシ

### プライバシーポリシー

本プライバシーポリシーは、[アプリケーション名](以下「当アプリ」といいます)がユーザーから収集する情報、およびその利用目的について説明します。当アプリをご利用いただく前に、本ポリシーをよくお読みください。

#### 1. 収集する情報

当アプリは、以下の情報を収集します。

- **名前**

  - 利用目的: アプリの機能、アカウント管理
  - データ収集は必須であり、ユーザーはオフにできません。

- **メールアドレス**

  - 利用目的: アプリの機能、デベロッパー コミュニケーション、アカウント管理
  - データ収集は必須であり、ユーザーはオフにできません。

- **ユーザー ID**

  - 利用目的: アプリの機能、アカウント管理
  - データ収集は必須であり、ユーザーはオフにできません。

- **購入履歴**

  - 利用目的: アプリの機能、アカウント管理
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **メール**

  - 利用目的: アプリの機能、カスタマイズ、アカウント管理
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **写真**

  - 利用目的: アプリの機能
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **動画**

  - 利用目的: アプリの機能
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **音声ファイル**

  - 利用目的: アプリの機能
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **オーディオデータ**

  - 利用目的: アプリの機能
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **ファイル、ドキュメント**

  - 利用目的: アプリの機能
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **アプリインタラクション数**

  - 利用目的: 分析
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **アプリ内の検索履歴**

  - 利用目的: アプリの機能、分析、カスタマイズ
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **その他のユーザー作成コンテンツ**

  - 利用目的: アプリの機能、分析、カスタマイズ
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **その他の操作**

  - 利用目的: アプリの機能、分析、カスタマイズ
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

- **デバイスまたはその他の ID**
  - 利用目的: アプリの機能、アカウント管理
  - ユーザーはこのデータ収集の有無を選択できます。

#### 2. データの利用

収集した情報は、上記の目的のためにのみ使用されます。ユーザーの個人情報を第三者に提供することはありません。

#### 3. データの管理

当アプリは、収集したデータの安全性を確保するために適切なセキュリティ対策を講じます。データの漏洩、改ざん、紛失を防ぐために、技術的および組織的な措置を実施します。

#### 4. ユーザーの権利

ユーザーは、収集された個人情報の確認、修正、削除を要求する権利があります。これらの権利を行使する場合は、当アプリのサポートまでご連絡ください。

#### 5. プライバシーポリシーの変更

当アプリは、必要に応じて本プライバシーポリシーを変更することがあります。変更がある場合は、当アプリ内または公式ウェブサイトにて通知します。

#### 6. お問い合わせ

プライバシーポリシーに関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いします。
[連絡先情報]

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本プライバシーポリシーは、[日付]から適用されます。

これを適宜修正して, 公開すれば OK です.

全文

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