TCP/IP 入門②
通信方式の分類
- ユニキャスト
1対1の通信を意味する。従来では電話など。 - ブロードキャスト
不特定多数の向かって一斉に同報を行う。テレビなど。 - マルチキャスト
不特定多数に通信をするが、通信先を特定のグループに限定している。従来では複数の人が別々の場所から参加するビデオ会議など。 - エニーキャスト
特定の複数台のうち、ネットワーク上で最適な条件を持つ1つが選別される。DNSのルートネームサーバーなど。
ネットワークの構成要素
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ネットワークインターフェース
ネットワークに接続するためのインターフェース。最近では「LANポート内臓」と最初から備え付けられているが、昔は拡張スロットなどで対応する必要があった。 -
リピーター
減衰して変形した信号の波形を増幅、整形して渡す装置。 -
ブリッジ/レイヤ2スイッチ
ネットワークの中継器。ネットワーク中のデータ(の中にあるMACアドレス)を見て、行き先を振り分けてくれる機器のこと。 -
ルーター
ネットワークとネットワークを接続する装置。IPアドレスを見て、データの交通整理をしている。セキュリティーを担う側面もある。 -
レイヤ4-7スイッチ
複数のサーバーに負荷を分散する。例えば一つのURLのサーバーへの負荷を分担するなど。 -
ゲートウェイ
プロトコルの変換や中継を行う。インターネットの電子メールと携帯電話の電子メールを互換性を持たせるなど。アプリケーション層での翻訳を行う。
TCP/IPとは
インターネットを構築する上で必要なプロトコルのセット。プロトコル群の総称として使われる。
TCP/IPでは、IETFという誰でも議論できる場で決められた内容がRFCと呼ばれるドキュメントとしてインターネット上で公開される。RFCはプロトコルの仕様書だけではなく、プロトコルにの実装や運用に関する様々な情報も取り扱っている。
RFCではプロトコルの仕様が変化するたびに、番号が追加されるが、主要なプロトコルに関してはSTDという番号付けが行われている。
インターネットとは
インターネットはバックボーンと呼ばれる基幹ネットワークと、スタブと呼ばれる末端のネットワーク部分から構成されている。ネットワークとネットワークはNOCで接続されていて、異なる運営方針のネットワークはIXというポイントによって結ばれている。異なる組織がIXによって相互に接続された巨大なネットワークをインターネットと呼ぶ。
インターネットに接続するためには、ISPや地域ネットに接続を依頼することになる。
TCP/IP プロトコルの階層モデル
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ハードウェア層
イーサネットや電話回線などの物理層。ただし、通信媒体は無線でもケーブルでもよい。 -
ネットワークインターフェース層
OSとハードウェアを橋渡しして制御するためのデバイスドライバ(ソフトウェア)となる層。 -
インターネット層
IPアドレスを元にして、パケットを転送する層。 -
トランスポート層
アプリケーション間の通信を実現すること。コンピューターの内部は様々なプログラムが走っているので、アプリケーションの識別にはポート番号という識別子が使われる。 -
アプリケーション層
多くは、クライアント/サーバーモデルでの要求と応答によるやり取りで作られている。
サービスを提供する側がサーバーで、受け取る側がクライアント。
この通信モデルでは、サーバーがあらかじめホスト上で動作しておかなければいけない。クライアントからの要望にいつでも応えられるために。
パケットヘッダ
パケットでは、各階層でヘッダが付加されている。具体的には、送信元や宛先の情報、プロトコルが運んでるデータの情報などが入っている。
大まかな流れとして、メールで例えるのであれば
アプリケーション層からメールを作成、送信してTCP通信が始まる。
メールは符号化処理されて、変換後、通信コネクションを確立してデータを転送する準備に入る。
次に、TCPヘッダが取り付けられて、送信受信のポート番号やパケットサイズを表すシーケンス番号、データの破損を確認するチェックサムなどが入る。
そして、IPヘッダが取り付けられてIPアドレスなどを確認して、IPパケットが完成し、ルーターやホストを決定する準備に入る。
最後に、ネットワークインターフェース(イーサネットドライバ)で、相互のMACアドレスが確認されてイーサネットタイプが書き込まれる。以上の処理で、パケットが物理層を介して、相手先に運ばれる。
※受け取ったホストでの処理は、送信ホストの処理と全く逆になる。
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