📄
.NET アプリはどうやって動くの?
はじめに
C# や .NET のアプリを Visual Studio 等 で「▶ 実行」したとき、裏でどんな処理が行われアプリが実行されるのか考えたことはあるだろうか。
この記事では、.NET のビルド〜実行までの流れを初心者にもわかるように解説する。
.NET については、以下の記事にまとめているのでぜひ。
ビルドとは何か
ビルドとは、C# などのソースコードをコンピューターが実行できる形に変換する作業のこと
ただし、.NET の場合は一度 中間言語(CIL) という形式に変換してから、実行時に必要な部分だけ本当の 機械語(ネイティブコード) に変換する

ビルド成果物の場所
プロジェクトをビルドすると、以下のようなディレクトリ構成になる
MyApp/
└── bin/
└── Debug/
└── net8.0/
├── MyApp.dll
├── {追加したパッケージ名}.Json.dll
| ︙
├── MyApp.pdb
├── MyApp.runtimeconfig.json
└── MyApp.deps.json
-
MyApp.dll: 実行対象のアセンブリ(CIL 形式) -
MyApp.pdb: デバッグ情報 -
{追加したパッケージ名}.Json.dll: 追加したパッケージのアセンブリ -
runtimeconfig.json: 実行時に必要なランタイムの指定 -
deps.json: 依存関係の情報
この MyApp.dll を dotnet コマンドで実行することでアプリが起動する。
「▶ 実行」した時は、裏側で dotnet コマンドを実行している。
dotnet bin/Debug/net8.0/MyApp.dll
アプリ実行時には、CIL 形式の .dll が .NET ランタイム(CLR)によって読み込まれる
必要な部分は JIT(Just-In-Time)コンパイルでネイティブコードに変換されてから実行される
[MyApp.dll] --読み込み--> [CLR (.NET ランタイム)]
--JIT変換--> [ネイティブコードとして実行]
.exe はどこから作られるのか
通常の .NET 6/7/8 のプロジェクトでは .dll が生成され、.exe は出力されない
ただし以下のケースでは .exe が作成される
-
.NET Frameworkプロジェクト(Windows 専用) - 下記のような自己完結型でビルドした場合(Windows 専用)
dotnet publish -r win-x64 --self-contained -c Release
これにより以下のような出力が得られる
bin/Release/net6.0/win-x64/publish/
├── MyApp.exe
├── MyApp.dll
├── その他DLLや設定ファイル
.exe 単体で起動可能なアプリケーションになる
参考
Discussion