FramePackのプロンプト例を徹底調査!効果的な動きを生み出すカテゴリ別テクニック
FramePackのプロンプト例を徹底調査!効果的な動きを生み出すカテゴリ別テクニック
はじめに
あなたは一枚の画像から魅力的な動画を作りたいと思ったことはありませんか?静止画に命を吹き込み、キャラクターを踊らせたり、風景に動きを加えたり…そんな夢のような技術が現実になっています。
2025年4月に公開された動画生成AI「FramePack」は、画像一枚とテキストプロンプトだけで驚くほど高品質な動画を生成できる革新的なツールです。ローカル環境で動作し、しかも6GBのVRAMというノートPCクラスのGPUでも利用可能という手軽さが大きな魅力です。
この記事では「うさぎでも分かる」をモットーに、FramePackのプロンプト(指示文)に焦点を当て、効果的な動きを生み出すためのテクニックをカテゴリ別に解説します。プロンプトの書き方一つで生成される動画の質が大きく変わりますので、ぜひ参考にしてください!
FramePackの基本的な仕組み
次フレーム予測の魔法
FramePackは「次フレーム予測モデル」という方式を採用しています。これは、与えられた画像(フレーム)から「次にどのようなフレームが来るか」を予測する仕組みです。一度に全ての動画フレームを生成するのではなく、一つずつ順番に生成していくため、メモリ効率が良く、低スペックPCでも長い動画を作れるのが特徴です。
FramePackの大きな特徴は、入力コンテキスト(過去フレームの情報)を固定長に圧縮する点です。これにより、どれだけ長い動画を生成しても必要なメモリ量が一定に保たれます。つまり、1秒の動画も1分の動画も同じGPUメモリで処理できるのです。
プロンプト作成の基本原則
FramePackでは、プロンプト(英語のテキスト指示)によって画像にどのような動きを与えるかを指示します。効果的なプロンプトを書くために押さえておくべき基本原則は次の通りです。
- シンプルさ - 一つのプロンプトには一つの動きを指定するのが基本
- 具体性 - 抽象的な表現より具体的な動きの描写が効果的
- 英語表現 - 現時点では英語のプロンプトが最も安定した結果を生む
- 対象の明確化 - 「The character」「The woman」など、動かしたい対象を明示する
次のセクションからは、実際のプロンプト例をカテゴリ別に見ていきましょう。
カテゴリ別プロンプト例
1. 基本的な動き(静止・ループ動作)
まずは最も基本的な動きのプロンプト例を見ていきましょう。静止状態や単純なループ動作は、FramePackを初めて使う方にもおすすめの入門編です。
静止状態のプロンプト例
静止状態といっても、完全に動かないわけではありません。微妙な揺れや自然な呼吸などを加えることで、生命感のある静止状態を作れます。
The character stands still while the wind gently moves their hair and clothes.
(キャラクターは静止したまま、風が髪と服を優しく揺らしている)
The woman remains motionless, only her eyes blink occasionally and she breathes softly.
(女性は動かず、時折まばたきをするだけで、静かに呼吸している)
単純なループ動作のプロンプト例
同じ動作を繰り返すループ動作は、アニメーションの基本です。
The character cheerfully hops in place while moving its big eyes left and right.
(キャラクターは楽しそうにその場でぴょんぴょん跳ねながら、大きな目を左右に動かしている)
The flower sways back and forth in a gentle breeze, petals occasionally rustling.
(花が優しい風にゆっくりと前後に揺れ、花びらが時々かすかに動く)
微妙な動きを表現するテクニック
細かな動きは、生命感や臨場感を生み出す重要な要素です。
The portrait painting subtly changes expressions, as if the subject is alive and breathing.
(肖像画の表情が微妙に変化し、まるで描かれた人物が生きていて呼吸しているかのよう)
The lake surface ripples slightly with small waves, reflecting the sunlight.
(湖の表面がわずかに波打ち、小さな波が太陽光を反射している)
2. 人物の動き
人物の動きは最も需要の高いカテゴリです。ダンスやポーズの変化、表情変化、歩行動作などを適切に指示することで、魅力的な動画を作れます。
ダンス・ポーズの変化のプロンプト例
The girl practices dancing under a cherry blossom tree, moving gracefully with flowing motions.
(少女は桜の木の下で踊りの練習をしており、優雅に流れるような動きで踊っている)
Striking various poses as if you were in a model magazine shoot, changing poses every few seconds.
(モデル雑誌の撮影のようにさまざまなポーズを取り、数秒ごとにポーズを変える)
表情の変化を促すプロンプト例
The character's face shows a range of emotions, from surprise to joy to curiosity.
(キャラクターの顔は驚きから喜び、好奇心までさまざまな感情を見せる)
The woman smiles gradually, her eyes lighting up as if remembering something wonderful.
(女性はゆっくりと微笑み始め、素晴らしいことを思い出したかのように目が輝く)
歩行・走行動作のプロンプト例
The character walks forward confidently, with natural arm swings and posture.
(キャラクターは自信を持って前進し、自然な腕の振りと姿勢で歩いている)
The child runs excitedly through the meadow, arms outstretched like airplane wings.
(子供は興奮して草原を走り、腕を飛行機の翼のように広げている)
3. カメラワーク・視点変化
カメラワークの指示は、静止画を動画に変える強力な方法です。被写体自体が動かなくても、視点が変化するだけで動画としての魅力が生まれます。
ズームイン・アウトのプロンプト例
The camera slowly zooms in on the flower, revealing intricate details of its petals.
(カメラはゆっくりと花にズームインし、花びらの複雑な細部を明らかにする)
Starting with a close-up of the eye, the camera gradually zooms out to reveal the full face.
(目のアップから始まり、カメラは徐々にズームアウトして顔全体を表示する)
パン・チルトのプロンプト例
The camera pans slowly from left to right across the landscape, revealing mountains in the distance.
(カメラは風景を左から右へゆっくりとパンし、遠くの山々を映し出す)
The camera tilts upward from the ground to the sky, capturing the full height of the tower.
(カメラは地面から空へと上方にチルトし、塔の全高を捉える)
焦点変更のプロンプト例
The focus shifts from the foreground object to the background, blurring what was sharp and sharpening what was blurred.
(焦点が前景のオブジェクトから背景へと移動し、鮮明だったものをぼかし、ぼやけていたものを鮮明にする)
The depth of field changes gradually, bringing different parts of the scene into focus one after another.
(被写界深度が徐々に変化し、シーンのさまざまな部分を次々と焦点に合わせる)
4. 環境・背景の動き
環境や背景の動きを加えることで、静的な画像に生命感が生まれます。特に自然現象や光の変化は効果的です。
自然現象(風、雨、雪など)のプロンプト例
Gentle snowflakes begin to fall, gradually increasing in intensity to create a winter wonderland.
(優しい雪片が落ち始め、徐々に強さを増して冬の不思議な世界を作り出す)
Leaves rustle and branches sway as a breeze turns into a strong wind.
(そよ風が強風に変わるにつれて、葉がカサカサと音を立て、枝が揺れる)
光の変化を表現するプロンプト例
The lighting shifts from morning to evening, with sunlight moving across the scene and colors warming.
(照明が朝から夕方へと変化し、日光がシーン全体を移動し、色が暖かくなる)
Soft light flickers and dances, creating moving shadows as if from a nearby campfire.
(柔らかな光がちらつき踊り、近くの焚き火のように動く影を作り出す)
背景オブジェクトの動きのプロンプト例
Clouds drift slowly across the sky while birds occasionally fly by in the distance.
(雲が空をゆっくりと流れ、時折遠くで鳥が飛んでいく)
The cityscape comes alive with tiny moving cars, blinking lights, and bustling activity.
(都市の景観が小さな動く車、点滅する光、そしてにぎやかな活動で活気づく)
5. インタラクション・複合動作
より複雑な動きとして、人物と物体のインタラクションや複数の動きを組み合わせる例を見てみましょう。
人物と物体のインタラクションプロンプト例
The woman picks up the teacup, brings it to her lips, takes a sip, and sets it back down.
(女性はティーカップを手に取り、唇に運び、一口飲んで、再び置く)
The child reaches out to touch the butterfly, which flutters away just before contact.
(子供が蝶に触れようと手を伸ばすが、蝶は接触の直前にひらひらと飛び去る)
複数の動きを組み合わせる技術
The dancer twirls gracefully while the camera slowly circles around, capturing her from different angles.
(ダンサーが優雅に回転する間、カメラはゆっくりと周りを回り、さまざまな角度から彼女を捉える)
The character walks forward, the wind blows their hair, and the lighting gradually brightens as the sun rises.
(キャラクターが前進し、風が髪を吹き、太陽が昇るにつれて照明が徐々に明るくなる)
複雑なシーケンスを作成するためのヒント
複雑なシーケンスを作る場合は、動きを順番に記述し、各動作の間に「then」や「after which」などの接続詞を使うと効果的です。
The character first looks surprised, then smiles broadly, and finally bursts into laughter.
(キャラクターははじめ驚いた表情をし、次に大きく微笑み、最後に大笑いする)
The bird lands on the branch, looks around cautiously, and then takes off into the sky.
(鳥は枝に着地し、用心深く周りを見回し、それから空へと飛び立つ)
効果的なプロンプト作成テクニック
これまでカテゴリ別のプロンプト例を見てきましたが、ここではより効果的なプロンプト作成のためのテクニックを詳しく解説します。
プロンプト構造と文法のパターン
効果的なFramePackプロンプトには、一定の構造パターンがあります。
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主語(動かす対象)+ 動詞(動き)+ 修飾語(どのように) の基本構造
例 -The woman (主語) dances (動詞) gracefully (修飾語)
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複数の動きの連結
例 -The character walks forward, turns around, and waves at the camera.
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動きの程度を指定
例 -The character jumps very high and lands softly.
動きの明確な指示方法
動きを明確に指示するためのポイントは以下の通りです。
- 具体的な動詞の使用 - 「move」より「skip」「leap」「twirl」など具体的な動詞
- 副詞による動きの質の指定 - 「slowly」「energetically」「gracefully」など
- 比喩表現の活用 - 「like a ballet dancer」「as if walking on hot sand」など
避けるべき表現とトラブルシューティング
効果的な動画生成のために避けるべき表現とよくある問題の解決法です。
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避けるべき表現
- 過度に複雑な指示(一度に多すぎる動き)
- 曖昧な表現(「somehow」「in some way」など)
- 矛盾する指示(「quickly but slowly」など)
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トラブルシューティング
- 動きが不自然→プロンプトをより単純に
- キャラクターが崩れる→動きを穏やかに指定
- 画面が暗くなる→明るさに関する指示を追加
プロンプト精度向上のためのコツ
画像の特性に合わせたプロンプト調整
入力画像の特性によってプロンプトを調整することも重要です。
- 人物画像 - 顔や体の位置に注意し、自然な動きを指示
- 風景画像 - 環境要素(木、雲、水など)の動きに焦点
- 抽象的な画像 - 色や形の変化、流動的な動きを指示
短く具体的な指示の重要性
FramePackでは、短く具体的な指示が最も効果的です。長すぎるプロンプトは末尾部分が優先され、冒頭部分が無視されることがあります。
良い例 - The character dances elegantly with flowing arm movements.
悪い例 - The character in this image that we are looking at now should start to move in a way that resembles dancing with some kind of elegant style while their arms should be moving in a flowing manner that looks natural and not robotic.
モーションの一貫性を保つための工夫
動画全体を通して一貫性のある動きを作るためのコツです。
- リズムの指定 - 「steadily」「rhythmically」などで一定のリズムを指示
- 継続性の強調 - 「continuously」「throughout the video」などの表現
- 円滑な動きの指示 - 「smoothly」「fluidly」「seamlessly」などの表現
まとめ
この記事では、画像一枚から魅力的な動画を生成できるFramePackのプロンプトテクニックをカテゴリ別に解説しました。
プロンプトカテゴリ別のポイント整理
- 基本的な動き - シンプルな指示から始め、自然な静止や単純な動きを作る
- 人物の動き - ダンス、表情変化、歩行など具体的な動作を明確に指示
- カメラワーク - ズーム、パン、焦点変更で静止画に動きを加える
- 環境の動き - 自然現象、光の変化、背景要素の動きで臨場感を出す
- 複合動作 - 複数の動きを連結し、シーケンシャルな指示で複雑な動きを作る
実験と改良の重要性
FramePackのプロンプト作成は、試行錯誤の連続です。同じ画像でも異なるプロンプトを試し、結果を比較することで、より良い動画生成技術を身につけることができます。
FramePackの将来性と可能性
FramePackは、個人でも手軽に高品質な動画コンテンツを制作できる可能性を広げました。今後はさらに進化が期待される分野です。クリエイティブな表現手段として、ぜひFramePackとプロンプトテクニックをマスターしてみてください。
最後に、うさぎも分かるシンプルな結論ぴょん!効果的なFramePackプロンプトは「短く、具体的に、一つの動きに焦点を当てる」ことがポイントです。あなただけの素敵な動画作成を楽しんでくださいね。
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