うさぎでもわかるVertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使う方法
うさぎでもわかるVertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使う方法
はじめに
みなさん、こんにちは!最近のAI界隈は新しいモデルが次々と登場していて目が離せませんね。中でも話題となっているのが、Anthropic社から2025年2月に発表された「Claude 3.7 Sonnet」です。
Claude 3.7 Sonnetは、「ハイブリッド推論モデル」という新しいアプローチを採用した革新的なAIモデルです。簡単なタスクには素早く回答し、複雑な問題には時間をかけてじっくり考えることができるという、まるで賢い人間のような振る舞いが特徴です。
そんな最新鋭のAIモデル「Claude 3.7 Sonnet」が、Google CloudのVertex AI上で利用できるようになりました!この記事では、Vertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使う方法について、うさぎでもわかるように解説していきます。
「ぴょんぴょん!Vertex AIってなに?Claude 3.7 Sonnetってどうやって使うの?」という疑問にもお答えしていきますよ!
Claude 3.7 Sonnetとは
まずはClaude 3.7 Sonnetがどんなモデルなのか、その特徴を紹介します。
ハイブリッド推論モデル
Claude 3.7 Sonnetの最大の特徴は「ハイブリッド推論」機能です。これまでの大規模言語モデル(LLM)は、すべての質問に対して同じアプローチで回答していましたが、Claude 3.7 Sonnetはタスクの複雑さに応じて処理方法を切り替えることができます。
- 標準モード:簡単な質問や日常的なタスクに対しては、従来のLLMと同様に素早く回答
- 拡張思考モード:複雑な問題に対してはじっくりと考え、推論プロセスを段階的に進める
「うさぎさんでも計算できる簡単な足し算には即答して、難しい微分方程式にはじっくり取り組むんですね!」
優れたコーディング能力
Claude 3.7 Sonnetは、コーディングタスクにおいても大幅な能力向上が見られます。実世界のソフトウェア開発タスクに強く、複雑なコードベースの理解や、バグの修正、機能の実装などを高い精度で行うことができます。
SWE-bench Verifiedという実世界のソフトウェア問題を解決する能力を評価するベンチマークでは、最先端の性能を示しています。
長いコンテキストウィンドウ
Claude 3.7 Sonnetは最大200Kトークンのコンテキストウィンドウに対応しています。これは非常に長い文書や複数のドキュメントを一度に処理できることを意味し、大量のデータを扱うビジネスユースケースに適しています。
「200Kトークンって、うさぎの数でいうとどれくらいかな?だいたい本で300〜400ページ分くらいだよ!すごいでしょ!」
Vertex AIとは
Google CloudのVertex AIは、機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイするための統合プラットフォームです。様々なAIサービスを一元管理でき、企業におけるAI活用を促進する強力なツールです。
Anthropicの最新モデルClaude 3.7 Sonnetが、Vertex AI上でプレビュー版として利用可能になりました。Vertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使用することの主なメリットは以下の通りです:
- Google Cloudのセキュリティと信頼性
- 既存のGoogle Cloudインフラとの統合しやすさ
- 費用コミットメントの利用可能性
- レイテンシと費用の削減、スループットの向上を目指した最適化
前提条件
Vertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使用するには、以下の準備が必要です:
- Google Cloud Platformアカウント
- プロジェクトの作成と課金の有効化
- Vertex AI APIの有効化
- 適切なIAMの権限設定
特に必要な権限は以下の通りです:
aiplatform.endpoints.predict
aiplatform.models.predict
「うさぎさんも最初は設定が大変だけど、一度設定すれば後は楽ちんだよ!」
Vertex AI StudioでClaude 3.7 Sonnetを使う
Vertex AI Studioは、生成AIモデルを簡単にプロトタイピングしてテストできるGoogle Cloudのインターフェースです。コードを書かずにClaude 3.7 Sonnetを試すことができます。
Vertex AI Studioへのアクセス方法
- Google Cloudコンソール(https://console.cloud.google.com/)にログイン
- 左側のナビゲーションメニューから「Vertex AI」を選択
- 「Vertex AI Studio」を選択
モデルの選択
- Vertex AI Studioの「プロンプト」タブに移動
- モデルの選択エリアから「Model Garden」を選択
- 検索ボックスに「Claude 3.7 Sonnet」と入力するか、Anthropicのセクションからモデルを選択
プロンプトの作成とテスト
Vertex AI Studioでは、テキストプロンプトを入力するだけでClaude 3.7 Sonnetの応答を得ることができます。また、画像を含むマルチモーダル入力も可能です。
テスト時には以下のパラメータを調整できます:
- 温度(Temperature):回答の多様性を制御(低いほど決定論的)
- 最大出力トークン数:応答の長さを制限
- トップP/トップK:トークン選択の幅を制御
「プロンプトを書くときは具体的な指示を心がけるのがポイントだよ。うさぎの好きなにんじんの種類について聞くより、『最も栄養価の高いにんじんの品種トップ3とその特徴を教えて』と聞いた方が良い回答が得られるんだ!」
プログラムでClaude 3.7 Sonnetを使う
プログラムからVertex AI上のClaude 3.7 Sonnetを利用するには、Google CloudのPython SDKまたはRESTful APIを使用します。ここでは、Pythonを使った例を紹介します。
必要なライブラリのインストール
pip install google-cloud-aiplatform anthropic-vertex
基本的なテキスト生成コード
import anthropic_vertex
from google.cloud import aiplatform
# Google Cloudプロジェクト設定
PROJECT_ID = "your-project-id"
LOCATION = "us-central1" # モデルが利用可能なリージョン
# AIプラットフォームの初期化
aiplatform.init(project=PROJECT_ID, location=LOCATION)
# Anthropic Vertex SDKのクライアント初期化
client = anthropic_vertex.AnthropicVertex(
project_id=PROJECT_ID,
location=LOCATION,
)
# テキスト生成のリクエスト
response = client.messages(
model="claude-3-7-sonnet@20250219", # モデルとバージョンを指定
max_tokens=1000,
temperature=0.7,
messages=[
{"role": "user", "content": "Vertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使う利点を3つ教えてください。"}
]
)
# 結果の表示
print(response.content[0].text)
ストリーミングレスポンスの実装
長い回答を生成する場合は、ストリーミングレスポンスを使用するとユーザーエクスペリエンスが向上します。
import anthropic_vertex
from google.cloud import aiplatform
# Google Cloudプロジェクト設定
PROJECT_ID = "your-project-id"
LOCATION = "us-central1"
# AIプラットフォームの初期化
aiplatform.init(project=PROJECT_ID, location=LOCATION)
# Anthropic Vertex SDKのクライアント初期化
client = anthropic_vertex.AnthropicVertex(
project_id=PROJECT_ID,
location=LOCATION,
)
# ストリーミングレスポンスのリクエスト
with client.messages(
model="claude-3-7-sonnet@20250219",
max_tokens=1000,
temperature=0.7,
messages=[
{"role": "user", "content": "複雑なソフトウェア開発プロジェクトを計画するためのステップバイステップガイドを教えてください。"}
],
stream=True
) as stream:
for chunk in stream:
if chunk.type == "content_block_delta":
print(chunk.delta.text, end="", flush=True)
「うさぎさんもプログラムを書くときはストリーミングレスポンスを使うと、人参が少しずつ出てくるようでワクワクするよね!」
応用例
Claude 3.7 Sonnetは様々な用途に活用できます。特にVertex AI上で利用することで、企業のワークフローに簡単に統合できるメリットがあります。
画像理解と分析
Claude 3.7 Sonnetはテキストだけでなく画像も理解できるマルチモーダルモデルです。以下のような使い方ができます:
- 技術図面の解析と説明
- 製品画像からの詳細情報抽出
- 画像内のテキスト認識と翻訳
複雑な推論タスク
拡張思考モードを活用することで、以下のような複雑なタスクに対応できます:
- 法律文書の分析とリスク評価
- 財務データの詳細分析と予測
- 科学論文の要約と重要ポイントの抽出
バッチ処理での活用
Vertex AIではClaude 3.7 Sonnetをバッチ処理で利用することも可能です。大量のデータを一度に処理したい場合に便利です:
- 大量のカスタマーレビューの感情分析
- 複数の技術文書からの情報抽出
- 製品説明の一括生成
パフォーマンスとコスト
料金体系
Vertex AI上のClaude 3.7 Sonnetの料金は、入力トークンと出力トークンに基づいて計算されます。正確な料金については、Google Cloudの公式ドキュメントを参照してください。
一般的に、以下の点に注意が必要です:
- 入力トークンよりも出力トークンの方が高コスト
- 長いコンテキストを使うとトークン数が増加
- バッチ処理はリアルタイムAPIよりもコスト効率が良い場合がある
最適化のヒント
コストとパフォーマンスを最適化するためのヒントをいくつか紹介します:
- プロンプトを簡潔かつ明確に書く
- 必要な場合のみ拡張思考モードを使用する
- 出力トークン数の上限を適切に設定する
- 複数のシステムプロンプトを使い分けてテスト
「最初はにんじん畑をたくさん用意しておかないと、うさぎにお金がかかっちゃうかも。でも使い方を工夫すれば、効率よく美味しいにんじんが食べられるよ!」
他のモデルとの比較
Claude 3.7 SonnetとVertex AI上の他のモデル(例:Gemini)を比較すると、タスクによって適切なモデルが異なります:
- 複雑な推論や長文理解:Claude 3.7 Sonnetが強み
- 多言語処理:モデルによって得意不得意がある
- コーディング:Claude 3.7 Sonnetは特に強力
まとめ
この記事では、Vertex AIでClaude 3.7 Sonnetを使う方法について解説しました。
Claude 3.7 Sonnetはハイブリッド推論という新しいアプローチを採用した革新的なAIモデルで、複雑なタスクにも対応できる柔軟性を持っています。Vertex AI上で利用することで、Google Cloudのセキュリティと信頼性を活かしながら、企業のAI活用を加速させることができます。
Vertex AI Studioを使えば簡単にモデルをテストでき、Python SDKを使えばアプリケーションに統合することも可能です。料金体系を理解し、適切に最適化することで、コスト効率よくClaude 3.7 Sonnetの能力を活用できます。
「ぴょんぴょん!この記事を読んで、うさぎさんでもVertex AIでClaude 3.7 Sonnetが使えるようになったね!次はどんな素敵なAIプロジェクトに挑戦する?」
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