[読書記録]GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織の作り方
So What?
リモートワークで成果を上げている組織のTips集。
オールリモートを標榜しているGitLab社の事例紹介ではあるが、企業のバリューから実際の働き方、評価への落とし込み方法や仕事をする上でのコミュニケーションはビジネスの現場では適用ができる。
内容としてはGitLab Handbookの抜粋と邦訳であるため、見返したいときは原著を引いて確認したい。
覚えておきたいこと
ハンドブックファースト
仕事を進める上でのルールが全て記述されるSSoTとしてハンドブックを作成する。
業務においては一般にドキュメントをまとめるのは面倒で時間のかかる作業であるが、ドキュメントがない場合は対面での説明が必須となり結果として時間がかかってしまう。
価値のあるドキュメントを記述することで、あとの作業者のセルフサービスが可能となり業務効率化につながる。
⇢ 「価値のある」が難しいところである。ドキュメンテーションの技術がないと費やした時間は無駄になってしまうのでテンプレートを作るなどの対応でコストを下げられるようにしたい。
同意しない、コミットする、同意しない
複数人での意思決定の際に同意できないかもしれないが、DRI(直接責任者)の意思決定者が決めたことには賛同し全力でコミットする。
反対意見を述べるときは人格を否定しているのではなくて、意見に対しての考え方で人そのものに批判をしているわけではないという考えのもと、「同意しない」というのも1つのスタンスとして示すことで、より正しい意思決定に向かいことができる。
DenA Quality の"「こと」に向かう"を思い出した。
テキストコニュニケーションのコツ
GitLab Handbookでも明記されているEffective writingについて。
⇢ 内容については目新しいものではなくて、いわゆる「社会人スキル」と呼ばれるものであるが明記されていることに感心した。
この人何を言っているかいまいちわからないなと言われないように気をつけないとな
個人的には「あとで検索しやすいように用語に表記ゆれがないか?」を付け加えたい。
感想
上記であげた以外にも具体的なTipsが提供されており、すぐに仕事で活かせるものが多かった。
現在の所属企業ではフルリモートから出社が一部必要な施策を進めた結果、多くの退職者が出てしまっている状況である。
個人的には退職者は単純に「出社がイヤ」という理由ではなく、経営陣が社員を信頼していないと感じたから踏み切ったのではないかと思う。
一方、経営陣にフルリモートでも成果を出し続けられるという信頼関係を築くことができなかったのは社員にも責任があると思われる。
2023年は多くの企業でこのような出社vsリモートの構造が発生していそうである。
リモートワークを継続、推進していきたい場合は、GitLabが作ってきたハンドブックなどの仕組みを提案、適応していくことが一つの手段となりそう。
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