22歳の大学院生が勧めるサラウンドホームシアター

2023/08/07に公開

サラウンドホームシアターはいいぞ

結論から言うと、私は現在センターを除く4.1.2サラウンド環境をリビングに構築して音楽や映画を楽しんでいます。控えめに言って最高です。

この記事では音楽や映画をイヤホンやスマホのスピーカーだけで音楽や映画を楽しんでいる学生諸君に向けてサラウンドを布教します。読み終わる頃にはサラウンド再生のメリットとサラウンド再生に必要なものを一通り知ることができます。あとは何を買うか選ぶときに財布と相談してください。

音楽や映画は好きですか?

最近の音楽や映画は映像も音響も素晴らしいですよね?しかもそのようなコンテンツはストリーミングサービスにたくさん公開されているため、簡単にアクセスできます。いい時代ですね。でも、皆さんはそうしたコンテンツの作り手が想定した再生環境で鑑賞できていると自信をもって言えますか?

映像と音響の最新規格

実は映像や音響には色々な規格があり、私たちが普段見ている映像はSDR(Standard Dynamic Range)の映像であり、音響は2ch(channel)のステレオ音源で構成されています。Youtubeコンテンツはほとんどこれですね。しかし、娯楽の最先端である映画ではより良い視聴体験を生み出すために新しい規格が作られています。2023/08/06現在において、最新の映像規格はDolby Vision、音響の最新規格はDolby Atmosです。

端的に言うとDolby VisionはHDR(High Dynamic Range)の規格で、従来のSDRより鮮明な映像を提供します。

ドルビービジョンは、映画やゲームから自宅でのストリーミングまで、お使いのサービス、デバイス、プラットフォームに応じて画質を動的に最適化することで、HDRテクノロジーの可能性を最大限に引き出し、常に美しい映像を提供します。エンターテインメントには、豊かな色彩やよりメリハリのあるコントラストがもたらされ、ドルビービジョンがなければ見られないような、驚きに満ちた新たなディテールが明らかになります。

Dolby Atmosはサラウンドの規格で、従来の2chよりも視聴者を包み込むような音、まさにサラウンドオーディオを提供します。

ドルビーアトモスは、従来のサラウンドサウンドに加えてさらにレイヤーを追加することで、エンターテイメントにおいてプレミアムな多次元サウンドを体験できる空間オーディオテクノロジーのパイオニアです。ゲームをしていても、お気に入りの映画や番組を見ていても、新曲を繰り返し聴いていても、より多くの音を聴き、感じられるように、Dolby Atmosが、その世界へと深く引き込む空間サウンド体験にあなたを誘います。

他にも類似規格はいろいろありますがスタンダードはDolbyです。例えば最新のハリウッド映画のBlu-rayを買うとパッケージにこれらの規格の記載があると思います。

コンテンツの規格に合わせた視聴で感動を。鍵は「没入感」

これらの最新規格で作られたコンテンツデータはストリーミングサービスに公開されていますが、それを鑑賞する私たちの視聴環境は本当にバラバラです。所有するPCやスマホ、タブレットなどでの再生が半数以上のマジョリティーでしょう。

しかしその視聴環境は作り手からすると劣悪極まりないと言えます。せっかくこだわって作ったHDR映像表現やサラウンド音響が視聴者に気づかれないまま終わってしまいます。

視聴者に撮ってもこの劣悪な環境によるデメリットがあります。それは映像や音楽から得られる感動が薄れてしまう、ということです。例えば映画館で見る映画に感動することができる人は多いと思います。なぜで感動できるのでしょう?内容はもちろんですが、映画館は一定の水準以上の環境が整った箱です。スクリーンは十分に明るく、スピーカーの数も十分です。そのため、知らないうちに映画の世界に入り込んだような没入することができます。つまり何が言いたいのかというと、感動するために必要なのは「没入感」です。そして映画館は私たちを感動させるために最新規格に対応した映像・音響環境を用意して感動できる内容を再生していると言うことです。

もし映画館の没入感を自宅で得られたら、最高でしょう?得るためには?当然、最新規格に対応した機器を揃える必要があります。

サラウンドホームシアターに必要な機器

簡単に言うと最新規格に対応テレビとスピーカーを用意する必要があります。でも基本的には最新規格が搭載された最新の機器は価格がそれなりに高いです。最新で揃えるには覚悟が必要です。
正直に言うと、私はまだ全て最新で揃えることができていません。テレビは古いものを使っています。そのためDolby Visonを再生することはできていません。が、最近になってようやくDolby Atmos環境を揃えることができました。ここまで辿り着くまでに色々なこと学んだので、そのアウトプットとして必要なものを紹介していきます。

Dolby Visionに必要な機器

Dolby Visionを再生するにはテレビ1台を買えば再生できます。なので簡単ですね。

Dolby Vision対応テレビ

2022年以降に発売されたそれなりのテレビであればほとんどDolby Visonに対応しています。価格はだいたい10万円以上です。有機ELやMini LEDの商品は高いので、液晶でもいいと思います。私は今後液晶テレビを新調しようと考えています。家電量販店で「Dolby Visonに対応しているテレビはどれですか?」と聞けば絶対に教えてくれます。ただし、テレビコーナーの店員はメーカーから来ている人であることが多いので情報が一つのメーカに偏りやすいので注意です。

私はDolby Vision対応していないSONY KJ49X8300Dを使用しています。一応HDR10には対応しているので最低限HDRを再生することはできますが、Dolby Visionには及びません。

Dolby Atmosに必要な機器

Dolby Atmosを再生するにはAVアンプとAVアンプに繋ぐパッシブスピーカーとサブウーファーが必要です。ついでに各機器を繋ぐためのケーブル類が必要になります。ややこしいですね。Step by Stepで説明します。

  • Dolby Atmos対応AVアンプ1台
  • パッシブスピーカー複数台
  • サブウーファー1台
  • スピーカーケーブル
  • RCAケーブル

Dolby Atmos対応AVアンプ

MARANTZ CINEMA 70s

AVアンプは2016年など比較的古いものでもDolby Atmosに対応しています。価格はだいたい5万円以上です。AVアンプを販売している企業としてはYAMAHAやSONYなどの他事業で有名な会社や、お父さん世代以上のオーディオ好きは大抵知っているDENONやMARANTZといった古参会社のブランドなどがあります。各企業によって価格帯がかなり違います。初心者にはDENONがおすすめです。理由は安いから。
AVアンプについて知らない方が多いと思うの以下で補足します。

AVアンプとは?

AVアンプはAVレシーバーとも呼ばれます。どちらも機能を説明していますが、見ているものが違います。アンプは音について、レシーバーは音と映像についての機能を説明しています。どっちの機能もあるのでレシーバーの方が正しいのでしょうか?どっちでもいいです。
さて、実はAVアンプにはたくさんのHDMI端子がついています。HDMI端子はHDMIケーブルを繋ぐことで映像と音声を同時に送信できる優れものです。パソコンに外部モニターを接続する際などに使用します。そしてテレビには絶対についています。そのため、おそらく一家に一端子はあります。

ここからがAVアンプの機能についてです。
AVアンプの入力HDMI端子にはAMAZON Fire TV StickやApple TVなどを繋ぐことができます。そして出力HDMI端子にはテレビを繋ぎます。そうするとAVアンプは入力ソースとして選択された1つのHDMI端子からやってきたAudio, Visual信号を内部で分割し、Visualの信号をそのままテレビに映し、Audio信号はAmplifi(アンプリファイ=増幅)し、パッシブスピーカーに音信号を届けます。これがAVアンプの基本的な機能です。意外にシンプルですね。

さて、Visual信号をテレビに映すことは理解できると思いますが、スピーカーに音信号を届けるというのはどういうことでしょうか?AVアンプに繋ぐスピーカーはBluetoothスピーカーとは何が違うのでしょうか?アンプに繋ぐパッシブスピーカーについては以下のパッシブスピーカーとは?で補足します。

パッシブスピーカー

スピーカーユニットのエッジと呼ばれるブニブニの部分がボロボロになっていなければ基本的になんでも使えます。価格はピンキリです。パッシブスピーカーは複数台必要です。基本的に最低4から5個あれば大丈夫です。この4から5個のスピーカーを視聴者を包囲するように配置します。最大スピーカー個数はAVアンプのスピーカー端子の数に依存してます。パッシブスピーカーは再生可能周波数や能率により性能が評価されます。周波数については50Hzから20KHzまで再生できれば基本的に何も問題ありません。ちなみに人の可聴域は20Hzから20KHzです。ハイレゾ音源には40KHzなど到底人の耳には聞こえない音が含まれています。臨場感や空気感として耳ではなく体で感じることができるそうです。知らんけど。ちなみに50Hzより下はサブウーファーの出番と考えて良いです。なお、サブウーファーについては以下のサブウーファーとは?で補足します。

パッシブスピーカーとは?

パッシブスピーカーは、箱とスピーカーユニットとスピーカー端子だけで構成されています。一方Bluetoothスピーカーなどのアクティブスピーカーは箱とスピーカーユニットに加え、Bluetoothユニットや内臓アンプ、バッテリーから構成されています。パッシブスピーカーの方がシンプルですね。なぜパッシブと呼ばれるかというと、スピーカー端子から来た音信号を音に変換するだけの受動的(パッシブ)な存在だからです。一方のBluetoothスピーカーは自ら音を増幅する能動的(アクティブ)な存在です。つまり、能動的であるか受動的であるかはアンプが内部に搭載されているか外部にあるかの違いになります。AVアンプを使用する場合はAVアンプが音の増幅を担当するため、内臓アンプの入っていないパッシブスピーカーを基本的に使用します。
価格の高いスピーカーほど低音域が豊かになりますが、スピーカーサイズも大きくなります。しかし、映画で使用される低音域効果音を再生するには基本的にどんなスピーカーでも能力不足といえます。
そこで使用されるのがサブウーファーと呼ばれるものです。サブウーファーについて以下で補足します。

サブウーファー

サブウーファはなるべくスピーカーユニットの径が大きいものを使用すると良いです。そうすると低音が無理なく鳴ります。が、必然と箱のサイズも大きくなります。そして重くなります。部屋におけるスペースと相談して選ぶと良いです。また、なるべく低域再生限界が20Hzに近いものだと良いでしょう。再生できない低音がなくなります。価格は3万円以上です。

サブウーファーとは?

サブウーファーは低音域のみを担当するスピーカーです。低音域を再生するためにはスピーカーユニットのサイズを物理的に大きくする必要があります。が、大きくすると中音域の音が低音のスピーカーユニット振動に引きずられてうまく再生されなくなったりすることがあります。そこで独立した低音域専用スピーカーであるサブウーファーが役に立ちます。サブウーファーは20Hzから200Hz程度の低音域を担当します。ウーファーの由来は狼などの低い唸り声のオノマトペです。サブウーファーは基本的に内部にアンプを内蔵したアクティブスピーカーです。なのでパッシブスピーカーとは別枠で説明しました。
低音域は音の指向性が低いためどこに置いても基本的には問題ないとされています。が、置き場所を部屋の角などにすると、音にムラ(部屋の定在波による影響によるムラ)が発生するため配置に工夫が必要です。

スピーカーケーブル

スピーカーケーブルはプラス極とマイナス極用の2本の導線が基本です。素材は色々ありますが銅がいいらしいです。太さにも色々あります。ロールで巻かれたとても長いケーブルを必要な長さ分だけ切って使用することが多いです。コンセントの延長ケーブルに近い構造です。このケーブルはパッシブスピーカーとAVアンプを接続し、アンプで増幅された音の電圧波形をパッシブスピーカーに届けます。

Amazonより

RCAケーブル

RCAケーブルはアナログテレビ時代に使われていた"いにしえの"ケーブルです。もしかしたらテレビの近くの棚とかに入っている人もいるかもしれません。このケーブルの端子は丸い金属ピンと金属リングを持った形状です。このケーブルはサブウーファーとAVアンプを接続し、アンプで増幅されていない音の電圧はけいをサブウーファーに届けます。以下の画像は3端子ですが、実際は1端子で大丈夫です(例えば黄色だけとか)。

Amazonより

機器はどのように繋げるの?

さて、ここまで必要な機器について説明してきましたが、ここでは各機器を実際にどう繋ぐのかを説明しましょう。

パッシブスピーカーとAVアンプを繋ぐ方法

まずは、パッシブスピーカーをAVアンプに繋いでみましょう。必要なものはスピーカーケーブルです。以下の図のようにケーブルを端子に差し込み、密着するようにネジを指で回して締めます。

MARANTZより
かなりアナログですね。ここの想像がつかない人が多いと思います。が、意外にシンプルですよね。
ちなみにこれを1パッシブスピーカーあたり2本端子分あります。プラスとマイナス用です。

サブウーファーとAVアンプを繋ぐ方法

必要なものはRCAケーブル1本です。AVアンプのLFE端子にRCAケーブルを刺すだけです。シンプルですね。以下の画像では2台のサブウーファーを接続していますが、やり方は同じです。

MARANTZより

以上がDolby Atmosに必要な機器の説明と接続方法でした。イメージは湧きましたか?剥き出しの導線を使うので敷居が高いように見えますが意外と簡単です。スピーカーの配置について今回は敢えて言及していません。どう繋ぐのか想像できれば一気に現実味を帯びてきますね。

AVアンプとテレビを繋ぐ

ここまでDolby VisionとDolby Atmosを視聴するための環境を整えてきました。あとはこれらをガッチャンコするだけです。用意するものはHDMIケーブルです。ケーブルの一方をTVのeARC(ARCではない(後述))と書かれたHDMI端子に接続し、他方をAVアンプの出力HDMI端子に接続します。これでテレビでDolby VisionとDolby Atmosを視聴できるようになりました。この状態ではテレビ内臓のAndroidテレビを使ってDisney+などのストリーミングサービスを開くとDolby VisionやDolby Atmosを視聴できます。

ちなみに、少し古いテレビではeARCではなくARCと書かれたものである場合がありますが、ARC端子の場合にはテレビ側からAVアンプにDolby Atmos信号を送りつけることができません。ですが、AVアンプの入力HDMI端子にAmazon Fire TV StickやApple TVを接続しApple TVのDisney+アプリなどでコンテンツを再生すれば問題なくDolby Atmosを再生できます。
何が違うかというとeARCはテレビ内臓アプリからDolby AtmosをAVアンプに届けることができますが、ARCはそれができないです。なぜ違うのかというと、そもそもARCとはAudio Return Channelのことで、テレビは音声情報だけをAVアンプに送ります。つまりAVアンプ本来の機能のうち、Visual信号の分離を使用せずにAudio信号のみを受け付けているわけです。この規格がARCですが、それなりに古くからある規格であるため、情報を載せられる量に限界があります。それを拡張したのがeARC(enhanced Audio Return Channel)です。このeARC規格からDolby Atmos音源を載せられるようになった訳です。

以上がAVアンプとテレビの繋ぎ方でした。

まとめ

ここまで長かったですね。ピュアオーディオやサラウンドオーディオなどと呼ばれるオーディオ趣味は、いちいち言葉で説明されていないこと(ケーブルの接続など)が多く、やったことがない人にはわからないような本当に取っ掛かりにくい趣味ですね。ちなみに今回紹介したサラウンドオーディオはピュアオーディオの派生系のようなものなので最初はピュアオーディオの方が触れやすいと思います。逆にいうとサラウンドを理解している人は簡単にピュアオーディオを始められます。この記事を読んだあなたはどちらにもなれるでしょう。ただしピュア派閥とサラウンド派閥との間には戦争が起こります。楽しいですね。

この記事を読んで大まかにオーディオの世界がどのようなものか伝わったら嬉しいです。本当は全ての機器の詳細な選び方までお伝えしたいところですが、話が長くなりすぎるのでここらで一旦終了とします。

付録

最後に、以下が私が使用している機器の一覧です。参考になれば幸いです。

  • 4Kテレビ SONY KJ49X8300D(家にあった)
  • AVアンプ MARANTZ CINEMA 70s
  • パッシブスピーカー
    • フロントスピーカーLR POLK MXT20
    • サラウンドスピーカーLR SONY SS-J900AV(激安中古品)
    • イネーブルドスピーカーLR POLK MXT90
  • アクティブサブウーファー POLK MXT12
  • Apple TV

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