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MXT20&STR-DH190 家で良い音が聞きたい! ローコストで始めるピュアオーディオ入門

2022/08/11に公開

コロナ禍で増えたおうち時間、無音作業じゃつまらない

リモートワークやオンライン授業の時間を自宅で過ごすなら音楽を聴きながら作業したい!
イヤホンもヘッドホンも痛いからスピーカーで聴きたいと思った人は多いと思う。
私もそのうちの一人で、お金を掛けずにオーディオの世界に足を踏み入れた。
本稿では私がどのように考え、どんなことをして今使用しているMXT20&STR-DH190の組み合わせにたどり着いたのか、それから使用した感想について紹介したい。

ここまでのあらすじ

コロナ禍に入ってからスピーカーに興味を持った私はまず父親が持っていたミニコンポを10年以上ぶりに使ってみた。エッジはボロボロで電源を入れるとザラザラとしたノイズが出ていた。重症だ。CDの回転台からもノイズが出ていた。私が使用したい音源はApple Musicに入っているのでスマホやPCから再生できるようにケーブルを揃えた。イヤホンジャックのステレオミニプラグから赤白のARCケーブルを使ってコンポに接続。iPhoneからはAppleのLightning DACを使用して接続した。ミニコンポ側で入力ソースをAUXにしてやることで再生することができた。ネットで調べたところ、ほとんどのミニコンポでARCケーブルによる入力が可能であることを知った。
まともなコンポで再生したいが、コストをかけたくなかったのでヤフオクやメルカリなどを使ってミニコンポをいくつか買って視聴した。古いものだと2003年製のもので2000円程度で手に入れられたので、お財布に優しい趣味としてスタート。より良いミニコンポを探し、買っては売りを繰り返し、コストダウンを図った結果、7種類のミニコンポを5000円以下で試すことができた。途中、5.1chサラウンドスピーカーに手を出したが、音場の設定の難しさや、ノイズ対策(サブウーファにアンプが内蔵されていて、しかもファンがついていてモータ音が鳴った)に苦戦し挫折。2chピュアオーディオに注力するようになった。
あるとき、90年代に発売されたSONYのSS-J900AVという3Wayスピーカーを中古で手に入れミニコンポのアンプで鳴らしたら低音が今までより強く鳴ってびっくり。エンクロージャーのサイズが低音に大きく影響することを実感。インシュレーターの存在意義を疑いスピーカーの下に1円玉を置いたところ、床に響く音が減り(響くのも好きだが)、中高音がくっきりするのを実感し、一円玉でいいやと思ったりした。しばらくすると低音のエネルギーがアンプから十分に供給できてない気がしてきて、よりずっしりした低音を求めてプリメインアンプの購入を決意する。SS-J900AVは200Wまで耐えるのにミニコンポのアンプは40Wしか出せなかったので、重い腰をあげてアンプ選びに勤しむのであった。

アンプ選び

最初は中古でアンプを探していたが、大きな電解コンデンサや紙フェノール基板など、経年劣化しやすい部品やがスピーカー本体よりも多くあることに不安を感じ、とりあえず発売から5年以内の安いプリメインアンプを探した。使用しているスピーカーがソニーのだから、とりあえずソニーとか思いながら探した。当然新品の流行もチェックする。「アンプ おすすめ」と調べて上位にあるものを一通り見た。値段が高すぎた。2方向からリサーチした結果、たどり着いたのがソニーのSTR-DH190だ。ソニー製でしかも価格が2万円台前半という。一応上位機種を調べた。上位機種はAVアンプとなり複数のスピーカーが使えるだけだ。発売も2018年と5年以内という条件を満たした。もう買うしかない。コストカットを追い求め、中古でSTR-DH190を単品で購入した。
SS-J900AVは6ΩのスピーカーでありSTR-DH190は6Ω(8Ωより小さい時に選択)と8Ω(8Ω以上の時に選択)に対応していた。デフォルトの設定が8Ωで、リモコンがないと変更できないことを知り、後日リモコンも中古で購入した。新品買うのとあまり変わらない金額になって後悔した。
STR-DH190でSS-J900AVを鳴らす。鳴った。重低音が確実に強くなった。電力的な余裕を感じた。中高音にも問題はなかった。

スピーカー選び

SS-J900AVの出す音には満足していた。しかし、一つ引っかかる点があった。それは3Wayのユニットのうち一番小さなユニット(ツィーター?スーバーツィーター?)から音が聞こえないことだ。でも二番目に小さなユニット(ミドル?)からハイハットの音も聞こえるし、発振器ソフトにより20Hzから20kHzまでを再生すると15kHz前後まで音は聞こえる。つまり普通に聞こえるのだ。しかし、SS-J900AVが20年以上前のスピーカーであり3Wayという緻密なネットワーク設計の元に成り立っていたものと考えると、これは果たして本当の音なのか?という疑問が浮かび上がった。
そこで新品のスピーカーを買って本当の音を知ろうと考えた。
最初はアンプと同じソニーのスピーカーから選ぼうとしたが、レビューがよろしくないのと発売が2014年と古いことに抵抗を感じ、すぐに別のメーカーを探した。条件はエンクロージャーのサイズはSS-J900AVと同じくらいが理想で、なるべく大きめのもの。発売から5年以内であること。値段が安いこと(2万円台が限界)だ。
予算からスピーカーはブックシェルフ型しか選択できないことがわかった。
リサーチしていると2つのスピーカーに目が止まった。JBLのSTAGE A130とPolk AudioのMXT20だ。価格はそれぞれ23,360円と29,520円だった。有名どころであり間違いなさそうなJBLは2Wayスピーカーで190x321x245というサイズ。そして2020年に日本再上陸しあまり認知されていないPolk AudioのMXT20は2Wayスピーカーで191×330x280というサイズ。
どちらも老舗であり、Polk Audioは学生でも買える安くて良いスピーカーを提供するのが基本思想らしい。Polkさんいい人ですねぇ。
あとはどちらにするかを決めるだけだ。ブランド名はアメリカだとどちらも強い。当然サイズの大きいMXT20の方がウーファーサイズも大きく、重低音が期待できる。さらに再生可能周波数はSTAGE A130が55Hz-40kHzに対してMXT20が38Hz–40kHzということでMXT20の方が12Hzも下まで再生できるときた。
これはもうMXT20しかない。サブウーファが使えないSTR-DH190でピュアオーディオをやろうとするのにピッタリだと思った。出費は痛いが、6000円の差により後悔をしたくなかった。

MXT20&STR-DH190

合計金額は5万円以内で済んだ。早速試聴。
いつも聞いているKawaii Future Bass系の曲を聴いたところ、すぐに違いはわかった。MXT20がSS-J900AV圧倒的に低音が出ている。一番わかりやすかったのは惑星ラビット (TORIENA Remix) (feat. TORIENA)だ。最初の方にある周波数が下がっていく低音と上がっていく低音の部分で聞こえなくなるところと聞こえ始めるタイミングが違う。MXT20の方がより長い時間音が鳴っている。すごい。そして、なめらかに音量のムラなく周波数が落ちていく。STR-DH190は揺らぎのある落ち方をしていたのでその点も差は歴然だった。アンプもスピーカーもどちらかというと低音重視の組み合わせてあるためか、小さなエンクロージャーからとは思えない低音が出る。出過ぎているくらいなのでイコライザで弱めてもいいかもしれない。だが、遅れを感じることもなく歯切れの良い低音なのがすごい。
中低音も疎かになる事なく再生できている。
声も前に出てくるような感じで、クリアに聞き取れた。素晴らしい。

総評としては最高の一言。

まとめ

Polk Audioのスピーカーを聴いたことがある人の話はあまり見かけないのでもしかしたらどこかで参考になるかもと思い、本稿を書いてみました。エントリークラスで揃えても十分に満足いく音が得られた。
ヤフオクから始めてみるのをお勧めします。不要になれば気兼ねなく売れるし。

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