スイッチサイエンスSARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板をSORACOM IoT SIMで使う
ども、takiponeです。
長らく品切れだったスイッチサイエンスさんのSARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板の在庫が最近戻ってきたので、スイッチサイエンスマガジン(公式ブログ)の記事とは少し様子の違うつなぎ方とSORACOMで遊んだATコマンドのログをシェアします。
用意したもの
- SARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板 - スイッチサイエンス
- FTDI USBシリアル変換アダプター Type-C版 (3.3/2.5/1.8V対応) - スイッチサイエンス
- 小さいブレッドボード(白) - スイッチサイエンス
- 普通のジャンパワイヤ(オス~オス) - スイッチサイエンス
- ピンソケット(40P) - スイッチサイエンス
- waves USB シリアル 変換ケーブル TTL PL2303HX Waves
- 300MBパック (IoT SIM plan-D D-300MB) - IoTデバイス通販 - SORACOM (ソラコム) IoTストア
- はんだごて、はんだ、ピンソケットの切断器具(オルファのホビーのこ)
- Raspberry Pi 4、SDカード、USB-A - USB-Cケーブル
USBシリアル変換の2つは名称が似ているので、FTDIのType-Cの方を以下「変換アダプター1」と表記し、USBシリアル接続用として利用します。wavesの方は「変換アダプター2」と表記し、今回は5V電源用に利用します。
繋いだ様子
ポイントは基盤電圧とI/O電圧の区別でした。変換アダプター1のI/O電圧がVDDも同様の1.8Vなので、そのままLTEモジュールピッチ変換基盤の5V端子に接続しても電圧不足でLTEモジュールが起動しません。そのため、変換アダプター2の電源だけ拝借して5V端子に接続し、各機材のGNDとモジュールピッチ変換基盤のCTS、PWR_ON端子をブレッドボードで結線しました。LTEモジュールピッチ変換基盤とFTDI USBシリアル変換アダプターは以下の3本をつなぎました。
- VDD - 1.8v_out
- TXD - TXD
- RXD - RXD
変換アダプター1のTX/RXは相手側に合わせた表記のようで、クロスにつなぐのではなく、TX/RXそれぞれの結線で通信できました。これはこれで違和感ありますが(笑)。
電源とI/Oで接続を分けることができたので、先にRaspberry Piと変換アダプター1をUSBケーブルで接続し screen
コマンドを実行してから変換アダプター2をUSB電源につなぐと、LTEモジュールのURC[1]を起動時から拾えて便利です。
$ sudo screen /dev/ttyUSB0 115200
ATコマンドの様子
特にコマンドを送らなくても、以下のURCが一定の間隔で表示されます。
+UFOTASTAT: 3, 1, 0
+ULWM2MSTAT: 4, 0
ATコマンドマニュアルによると、それぞれLTE-MモジュールのFOTAとLwM2Mクライアントの状態を示すようです。
- FOTA status : success
- LwM2M client status : initial
何か特段の通信をしているわけでもなさそう[2]なので、そのままにしておけば良さそうです。
APNを設定し、LTE-M接続(PDP Context)を有効にします。
AT+COPS=2
OK
AT+CGDCONT=1,"IP","soracom.io"
OK
AT+UAUTHREQ=1,1,"sora","sora"
OK
AT+COPS=0
OK
AT+CGDCONT?
+CGDCONT: 1,"IP","soracom.io","10.179.138.210",0,0,0,0
OK
これでOKです。試しにSORACOM Harvest DataにUDPでデータを送ってみます。あらかじめIoT SIMの所属するSIMグループでHarvest Dataを有効しておきます。
AT+USOCR=17 # ソケットオープン UDPはプロトコル番号の17
+USOCR: 0
OK
AT+USOCO=0,"uni.soracom.io",23080 # 宛先をUnified Endpointにセット
OK
AT+USOWR=0,20 # データ長をバイト単位で指定 今回はASCII 20文字なので20
@
# 「{"messsage":"hello"}<Enter>」と入力(画面には表示(エコー)されませんでした
+USOWR: 0,20
OK
+UUSORF: 0,3
SORACOM Havestの画面を確認すると。。。
データを正常に送信し、Harvest Dataで保存できています!
<<別のを試したら追記します>>
通信エラーが出るときは
セッション確立後、しばらくしてから断続的に通信エラーが出る事象がありました。接続一覧を確認すると自分では設定したおぼえのない、IPV4V6のPDP Contextが出てきたので、それを無効化すると通信エラーを回避できました。
AT+CGDCONT?
+CGDCONT: 1,"IP","soracom.io","10.179.138.210",0,0,0,0
+CGDCONT: 2,"IPV4V6","dcmiot.net","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0
AT+CGACT=0,2
OK
まとめ
スイッチサイエンス SARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板をSORACOM IoT SIMで使う様子をご紹介しました。SARA-R410MはLTE-Mモジュールの中では比較的入手しやすく、組み込みのHTTP/MQTTクライアントを搭載する高機能なモジュールですので、IoTデバイス開発のモックとしての活用をおすすめします。
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