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スイッチサイエンスSARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板をSORACOM IoT SIMで使う

2021/12/04に公開

ども、takiponeです。

長らく品切れだったスイッチサイエンスさんのSARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板の在庫が最近戻ってきたので、スイッチサイエンスマガジン(公式ブログ)の記事とは少し様子の違うつなぎ方とSORACOMで遊んだATコマンドのログをシェアします。

https://www.switch-science.com/catalog/6200/

用意したもの

USBシリアル変換の2つは名称が似ているので、FTDIのType-Cの方を以下「変換アダプター1」と表記し、USBシリアル接続用として利用します。wavesの方は「変換アダプター2」と表記し、今回は5V電源用に利用します。

繋いだ様子

ポイントは基盤電圧とI/O電圧の区別でした。変換アダプター1のI/O電圧がVDDも同様の1.8Vなので、そのままLTEモジュールピッチ変換基盤の5V端子に接続しても電圧不足でLTEモジュールが起動しません。そのため、変換アダプター2の電源だけ拝借して5V端子に接続し、各機材のGNDとモジュールピッチ変換基盤のCTS、PWR_ON端子をブレッドボードで結線しました。LTEモジュールピッチ変換基盤とFTDI USBシリアル変換アダプターは以下の3本をつなぎました。

  • VDD - 1.8v_out
  • TXD - TXD
  • RXD - RXD

変換アダプター1のTX/RXは相手側に合わせた表記のようで、クロスにつなぐのではなく、TX/RXそれぞれの結線で通信できました。これはこれで違和感ありますが(笑)。

電源とI/Oで接続を分けることができたので、先にRaspberry Piと変換アダプター1をUSBケーブルで接続し screen コマンドを実行してから変換アダプター2をUSB電源につなぐと、LTEモジュールのURC[1]を起動時から拾えて便利です。

$ sudo screen /dev/ttyUSB0 115200

ATコマンドの様子

特にコマンドを送らなくても、以下のURCが一定の間隔で表示されます。

+UFOTASTAT: 3, 1, 0
+ULWM2MSTAT: 4, 0

ATコマンドマニュアルによると、それぞれLTE-MモジュールのFOTAとLwM2Mクライアントの状態を示すようです。

  • FOTA status : success
  • LwM2M client status : initial

何か特段の通信をしているわけでもなさそう[2]なので、そのままにしておけば良さそうです。

APNを設定し、LTE-M接続(PDP Context)を有効にします。

AT+COPS=2
OK
AT+CGDCONT=1,"IP","soracom.io"
OK
AT+UAUTHREQ=1,1,"sora","sora"
OK
AT+COPS=0
OK
AT+CGDCONT?
+CGDCONT: 1,"IP","soracom.io","10.179.138.210",0,0,0,0

OK

これでOKです。試しにSORACOM Harvest DataにUDPでデータを送ってみます。あらかじめIoT SIMの所属するSIMグループでHarvest Dataを有効しておきます。

AT+USOCR=17 # ソケットオープン UDPはプロトコル番号の17
+USOCR: 0

OK
AT+USOCO=0,"uni.soracom.io",23080 # 宛先をUnified Endpointにセット
OK
AT+USOWR=0,20 # データ長をバイト単位で指定 今回はASCII 20文字なので20
@
# 「{"messsage":"hello"}<Enter>」と入力(画面には表示(エコー)されませんでした
+USOWR: 0,20

OK

+UUSORF: 0,3

SORACOM Havestの画面を確認すると。。。

データを正常に送信し、Harvest Dataで保存できています!

<<別のを試したら追記します>>

通信エラーが出るときは

セッション確立後、しばらくしてから断続的に通信エラーが出る事象がありました。接続一覧を確認すると自分では設定したおぼえのない、IPV4V6のPDP Contextが出てきたので、それを無効化すると通信エラーを回避できました。

AT+CGDCONT?
+CGDCONT: 1,"IP","soracom.io","10.179.138.210",0,0,0,0
+CGDCONT: 2,"IPV4V6","dcmiot.net","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0
AT+CGACT=0,2
OK

まとめ

スイッチサイエンス SARA-R410M LTEモジュールピッチ変換基板をSORACOM IoT SIMで使う様子をご紹介しました。SARA-R410MはLTE-Mモジュールの中では比較的入手しやすく、組み込みのHTTP/MQTTクライアントを搭載する高機能なモジュールですので、IoTデバイス開発のモックとしての活用をおすすめします。

参考記事

脚注
  1. UARTの標準出力的なメッセージのこと ↩︎

  2. セッション確立状態でSORACOM Peekでパケットキャプチャを取ってみましたが、それらしいパケットはありませんでした。 ↩︎

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