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Seeed reTerminalにUbuntuを入れてデスクトップを表示する

2022/02/19に公開

ども、takiponeです。

仕事のPoC/デモ機用にSeeed reTerminalを仕入れたのですがプリインストールされるOSが32ビット版だったので、64ビット版Ubuntuに入れ替えて内蔵ディスプレイの液晶画面にデスクトップを表示するまでの手順を共有します。

reTerminalの起動ディスクはeMMC

reTerminalはRaspberry Pi Compute Module 4(以下RPi CM4)をベースとするSBC(Single Board Computer)ですが、SDカードを起動ディスクとして扱うことはできず、RPi CM4内蔵のeMMCにOSを書き込んで起動します。今回はeMMCにUbuntu Server 20.04 64bitをインストールします(DesktopではなくServerな理由は後述)。

必要なもの

  • reTerminal
  • PCまたはMac(今回はWindows 10のPCを利用します)
  • USBケーブル(reTerminal側はUSB-Cです)

1. eMMCへのOSの書き込み

内蔵eMMCディスクへの書き込みはRPi CM4と同様で、以下のドキュメントの手順がベースになります。

https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/compute-module.html#flashing-the-compute-module-emmc

ここにあるIOボードのJ2ジャンパピンは、reTerminalの場合専用の切り替えスイッチで代替します。reTerminal公式Wikiでの手順は以下の通りです。

https://wiki.seeedstudio.com/reTerminal/#flash-raspberry-pi-os-64-bit-ubuntu-os-or-other-os-to-emmc

スイッチは裏ぶたを外さないと触れない場所にあるため、Wikiの手順通りに裏ぶたを外しましょう。裏ぶたは背面中央の拡張インターフェース周りのツメが外れにくいので、かなり力を入れて取り外しました。スイッチは本体中央方向に切り替えればOKです。

続いて、Windowsの場合は外部ディスクとして認識するためのプログラムをインストールします。以下のURLの手順1のWindows Installerのリンクからダウンロード、インストールします。
https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/compute-module.html#windows-installer

残りの手順に沿って、reTerminalのUSB-CポートとPCのUSBポートをケーブルでつなぎ、PCで[スタートメニュー] - [Raspberry Pi] - [rpiboot]を選択します。

コマンドプロンプトの黒いウィンドウが表示、処理が実行されウィンドウが自動で閉じたらOKです[1]

つづいて、Raspberry Pi Imagerを実行します。以下の[Download for Windows]リンクからインストーラをダウンロード、インストールします。

https://www.raspberrypi.com/software/

[スタートメニュー] - [Raspberry Pi] - [Raspberry Pi Imager]で起動し、Operating Systemの[CHOOSE OS]をクリック、[Other general-purpose OS] - [Ubuntu] - [Ubuntu Server 20.04.3 LTS (RPi 3/4/400)] (64-bitの方)を選択します。

[CHOOSE STORAGE]をクリックしたら[RPi-MSD- 0001]を選択します。

[WRITE]をクリックすると、Ubuntuのイメージダウンロード、書き込みと進んでいきます。書き込みが終わったらスイッチを戻して早速起動しても良いのですが、Wi-Fiや有線LANの設定などネットワーク設定を起動前に設定すると便利です。書き込みが終わるとディスクがマウントされるので、[system-boot]ボリュームのnetwork-configというファイルをメモ帳などで編集し設定できます。以下の手順が詳しいです。

https://ubuntu.com/tutorials/how-to-install-ubuntu-on-your-raspberry-pi#3-wifi-or-ethernet

[ハードウェアの安全な取り外し]からドライブを選択してPCからreTerminalを取り外し、reTerminalのスイッチを戻せば起動の準備完了です。ちなみにこのUbuntuの設定では既定でOpenSSH Serverが起動しUFW(Ubuntuのファイヤーウォールプログラム)が無効です。IPアドレスがわかれば有線LANないしWi-Fiで接続し、ユーザー名ubuntu、パスワードubuntuでログインできます(パスワードはその場で変更)。

2. ディスプレイドライバのインストール

reTerminal内蔵ディスプレイのドライバはUbuntuには含まれないため、以下の手順で手動インストールが必要です。

https://github.com/Seeed-Studio/seeed-linux-dtoverlays/issues/28#issuecomment-939662366

手順2からをコマンド操作で進めるので、SSHでログインして行います。途中、Linux Kernelを置き換えて新しいバージョンにすげ変えるので、カーネルバージョンに依存するような処理を検討している場合は注意が必要かもしれません。

2回目の再起動が終わると、おもむろにUbuntuのデスクトップ画面が表示されます。縦表示なので、ログインしてから画面右上のタスクバー[Settings] - [Displays] - [Orientation]を[Portrait right]にすれば横表示になります。

いい感じですね!

まとめ

reTerminalにUbuntuをインストールし、内蔵ディスプレイにデスクトップ画面を表示する手順をご紹介しました。

脚注
  1. 書き込みがエラーになる場合は、USBハブを噛ませていないか確認してみてください。PCに直接接続することで改善することがあります。 https://forums.raspberrypi.com/viewtopic.php?t=304508#p1927375 ↩︎

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