AiderでGithub CopilotのModelを使う
概要
AiderでGitHub Copilotのモデルを使う方法は、今まで複数の手段がありました。いずれも特殊な設定を行うことで実現できていましたが、環境設定が複雑すぎたり、安定性に欠けるものでした。
最近、Aider本体に公式の方法として設定が追加され、利用できるようになったため、その手順を整理したいと思います。
サードパーティツールでGitHub CopilotのModelを使うことについて
サードパーティツールでGitHub Copilotのモデルを使えるようになりましたが、公式の設定方法はまだ確立されておらず、コミュニティで議論されている状況です。
そのため、ここで記載する方法は、コミュニティの中で2025/05/25時点における、定番的な手法を整理したものになります。
この記事を読んでいる方が気になる点として、 サードパーティツールからGitHub CopilotのAPIを呼び出すことは規約に反しないのか
ということがあります。この点について、Aiderの作者本人がGithub社の規約に従っている と明言されています。
ただし、今後、別アプリケーションから取得したトークンを使ってGitHub CopilotのAPIを呼び出すことが規約に反する可能性もあるため、注意が必要です。
詳細に興味があるかたは、Github社のドキュメントを確認してください。
制限
GitHub CopilotのAPIを利用するためには、GitHub Copilotのサブスクリプションが必要です。そのため、無料で利用することはできません。
GitHub Copilotのモデルを使用すると、Gemini 2.5やClaude 4が使えるようになりますが、制約が存在します。
最も大きな制約は、 コンテキストサイズが64kまたは128kのどちらかに固定されてしまう
ことです。これはGeminiやgpt-4.1のコンテキストサイズ1MBから大きく減少するため、状況によっては使いづらくなるでしょう。
また、Rate Limitが存在しており、短時間で複数回の処理を実行すると、しばらく使用できなくなる可能性があります。
設定の流れ
設定の大まかな流れは以下の通りです:
- GitHub Copilotの認証用トークンを取得する
- シェルスクリプト経由でAiderを実行するように設定する
- Aiderのモデル設定を行う
トークンを取得する方法として、この記事ではNeovimから取得する方法とJetBrains社のIDEから取得する方法を紹介します。
後者については簡単に説明しますので、詳細を知りたい場合はコミュニティを確認してください。
なお、 JetBrains社のIDEからトークンを取得した場合、コンテキストサイズが64kになってしまう
ため、あまり推奨されませんが、Neovimよりは設定が簡単なため一応記載しておきます。
設定(Neovimを使う場合)
トークンの取得
copilot.vimまたはcopilot.luaをインストールしてから、:Copilot auth
コマンドを実行して認証処理を完了させてください。
~/.config/github-copilot/apps.json
というファイルが作成されます。
もし過去にCopilot.vimプラグインを利用していた場合、host.jsonというファイルが存在していますが、これは古いものでありAPIを利用できない可能性があります。そのため、github-copilotディレクトリを削除して改めて作り直すようにしてください。
スクリプトのダウンロード
ここからスクリプトのコードをダウンロードしてください。この記事ではcopilot.sh
という名前にします。
.aider.model.settings.ymlの設定
ホームディレクトリに.aider.model.settings.yml
というファイルを作成して、以下の内容を記載してください。
- name: copilot/gpt-4.1
extra_params:
model: openai/gpt-4.1-2025-04-14
api_base: https://api.githubcopilot.com
extra_headers:
Editor-Version: Aider/0.83.1
Copilot-Integration-Id: vscode-chat
max_tokens: 64000
max_input_tokens: 1048576
max_output_tokens: 65536
- name: openai/gemini-2.5-pro
extra_params:
api_base: https://api.githubcopilot.com
extra_headers:
Editor-Version: Aider/0.83
Copilot-Integration-Id: vscode-chat
max_tokens: 64000
max_input_tokens: 1048576
max_output_tokens: 65536
- name: copilot/claude-sonnet-4
extra_params:
model: openai/claude-sonnet-4
api_base: https://api.githubcopilot.com
extra_headers:
Editor-Version: Aider/0.83.1
Copilot-Integration-Id: vscode-chat
max_tokens: 128000
動作確認
./copilot.sh
を実行してAiderが起動し、 /model copilot/gpt-4.1
を実行してから、 「hello world」と入力して実行してみてください。エラーが発生せずレスポンスが返ってくれば成功です。
設定(JetBrains社のIDEを使う場合)
トークンの取得
JetBrains社のIDEを使う場合は、WebStormなどの無料のIDEをインストールして、GitHub Copilotのプラグインをインストールしてください。
インストール後、認証を行うと~/.config/github-copilot/apps.json
というファイルが作成されます。あとは、Neovimの設定と同様です。
まとめ
上記の設定を行うことで、AiderでGitHub Copilotのモデルを使用し、API料金を気にせずに動かすことができるようになります。
ただし、前述したようにコンテキストサイズの制約やレートリミットなどの制限があるため、実際の開発で使用するには制約があります。しかし、動作確認には十分使えるものと思われます。
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