プロダクト開発meetup関西#9に参加してきました
はじめに
関西圏ではプロダクト開発についてのイベントが非常に少ない中、貴重な機会として「プロダクト開発meetup関西#9」に参加してきました。関西でプロダクトマネージャー(PdM)というポジションで働いている方と直接お話しできる機会は滅多にないため、非常に貴重な経験となりました。
イベントの概要
このイベントはオープンスペーステクノロジー(OST)形式で進行し、参加者が自由にトピックを提案し議論を深めていく形式でした。私は「皆さんの周りにプロダクトエンジニアと呼べる人はいますか?どんな働きをしてますか?」という問いを立てました。
プロダクトエンジニアとは何か?
議論が始まると、興味深いことに私を含めた参加者の多くが「プロダクトエンジニア」という言葉は聞いたことはあるものの、具体的な定義については曖昧な認識を持っていることがわかりました。
- 「whyとwhatを伝えればhowを考えてくれるエンジニア?」
- 「テックリードとの違いは?」
これらの質問が出る中で、現時点ではプロダクトエンジニア(PdE)についての定義が具体的でなく、実例も少ないため議論が深まりにくい状況にありました。しかし、他社の方々も同じような認識レベルにあることが分かったのは一つの収穫でした。
生産性の高いエンジニアとは?
そこで議論の切り口を変え、「どんなエンジニアが生産性高いか?」というテーマに移行しました。ここから見えてきた特徴は以下の通りです:
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PdMと同レベルのドメイン知識とユーザー理解を持っている
- 中途半端な理解はむしろ邪魔になることも
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whyとwhatを伝えればhowを考えられる
- 与えられた要件の背景と目的を理解し、適切な実装方法を提案できる
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ユーザビリティテストを実施し改善提案ができる
- 技術的な実装だけでなく、ユーザー体験の向上にも関与する
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ヒアリングから要望収集、開発までをカバーできる
- 上流工程から下流工程まで幅広く携われる
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ロードマップを考慮した開発ができる
- 短期的な実装だけでなく、長期的な製品ビジョンも見据えられる
組織によって異なる「理想像」
議論を通じて、組織によって「理想的なエンジニア像」には微妙な違いがあることも見えてきました。すべての組織にピタッとハマる型はおそらく存在せず、それぞれの組織文化や製品特性によって求められる能力やスキルセットは異なるのではないかと思われます。
ただ、共通して言えそうなのは「エンジニアとしての技術力は当然のこととして持っている」という前提が暗黙的にあるのかもしれないということです。技術的な基盤なしにプロダクト領域へ拡張しようとすると、かえって混乱を招く可能性があるように感じました。
まとめ
この議論から得られた結論として、生産性の高いエンジニア(あるいはプロダクトエンジニアと呼べる人材)には、以下の3つの要素が重要だと思われます:
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技術力 - エンジニアとしての基本的な能力
- システム設計スキル
- データモデリング
- テスト設計・実装
- パフォーマンス最適化
- セキュリティ対策
- 保守性・拡張性を考慮したコーディング
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ユーザー理解 - エンドユーザーのニーズや行動パターンの洞察
- ユーザーインタビューなどでユーザーの要望を収集できる
- ユーザーのニーズを理解し、製品の改善提案を行える
- ユーザーのフィードバックを適切に受け止め、製品の改善につなげる
- ドメイン知識 - 製品が扱う領域についての深い理解
これら3つを満たせるエンジニアは、組織においても製品開発においても高い価値を発揮できるのではないかと思います。
「プロダクト開発meetup関西」への参加は非常に学びの多い貴重な経験となりました。普段接する機会の少ないプロダクトマネージャーやさまざまな企業のエンジニアと意見交換できたことで、新たな視点や考え方に触れることができました。
主催してくださった方々ありがとうございました。ぜひまた参加したいと思います。
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