つたわりやすい資料デザイン
執筆は「情報設計」にほかならず、いくら有益な情報が記されていても、
閲覧者に伝わらなければ、意味を為しません。
構成・ワーディング・スタイリング… 情報設計には様々な構成要素があります。
執筆するという事と、デザインを考える事は、近しいものがあります。
「デザイン」は煌びやかな装飾を指すのではなく、言葉のとおり「設計」に他なりません。
コンバージョンを達成するための設計、です。
筆者がこれまで発表してきた技術資料(スライド)には、
明確に「つたわりやすい」デザイン指針を設けて発表してきました。
結果、定性的ではありますが多くの方に評価をいただきました。
「つたわりやすい」を考え抜くことは、情報設計力を鍛えることでもあります。
これは、サービス作りにはもちろん、普段のコミュニケーションにも役立つことです。
技術資料アウトプットは、情報設計力のスキルアップにつながるものなのです。
「閲覧者の視座にたつ」ということ
私がこれまで設けてきた「つたわりやすい」デザイン指針は、
「閲覧者の視座にたつ」という点で一貫しています。
- 議題を明確にすること
- 訴求点を一つに絞ること
- 細部は構成に貢献すること
議題を明確にすること
閲覧者はあなたのプレゼンにつきあうほど、時間に余裕はありません。
それに価値があるか否かは「閲覧者にメリットがあるか」につきます。
「課題と感じ、改善したい」「価値ある内容で共感したい」と感じていることを、
まずはじめに提示しましょう。そして、対象読者を明記しましょう。
そこで離脱しない閲覧者は、あなたの記事に共感する可能性が高いです。
「タイトル・リード文」は、おおきなウェイトを占めます。
この2要素に興味をもった閲覧者にとって「期待通りの内容」となるよう、
技術資料の構成ははじまります。
訴求点を一つに絞ること
なんでもかんでもマークダウンから初めるのは、言うまでもありませんね。
議題が決まったら、伝えたいことをひたすら箇条書きに記します。
この段階では、全体構成はきまっていません。
思いのほか、書きたい事がたくさん出たかもしれません。
「タイトル・リード文」が適切か否か、ここで見直しを行います。
あたなの発表はあなたのものなので、伝えたいことを書きましょう。
伝えたい内容とそうでないものとでは、熱量が全然違います。
熱量の高い記事には、それ相応の時間を、先人は費やしています。
資料のなかでは、深追いしないことは大事です。
限られた誌面で「訴えたいこと」は何だったのか、再確認しましょう。
深追いした詳細な情報は、構成の妨げになるだけであり、有害です。
詳細な資料へのリンクを貼りましょう。
共感を得た閲覧者は、自ずとリンクを開くものです。
細部は構成に貢献すること
明瞭な議題・つたわりやすい構成でも、細部が雑では台無しです。
まわりくどい言い回し、コード量の圧などで、うんざりした経験はありませんか?
細部の気配りで、資料は良くも悪くもなります。
「共感者を増やす」というコンバージョンに立ち返りましょう。
文章構成での工夫
- 一節が長くなりすぎないこと
- 「起承転結」を随所に利用すること
- 言葉は数点に絞り、シソーラスを整理すること
- 文字量を減らす努力をすること
- 時折、砕けた表現を使うこと
- 時折、漢字の使用を避けること
サンプルコードでの工夫
- サンプルコードを必ず用意すること(リポジトリがあればなお良い)
- サンプルは文脈を揃えること
- 概念を一般的にすること
- コード量を減らす努力をすること
レイアウトの工夫
- 閲覧環境を考慮すること
- 段組で視点にブレを生じさせないこと
- 配色で視点誘導すること
- 文字量を減らす努力をすること
これまで発表した資料
SpeakerDeck を好んで利用していたのは「通勤時間・片手」という環境を想定していたためです。
今となっては通勤も少なくなりましたから、発表方法も再考の余地ありですね。
以上のデザイン指針をもとに発表してきた資料がこちらです。
いつも読んでいただき、ありがとうございます😄
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