Darkglass B7K Ultra フットスイッチ交換
はじめに
Darkglassのb7k ultraのbypassスイッチが接点不良で切り替わらなくなってきたので、スイッチを交換します。
特殊なタイプだったのでまとめます。
部品
分解して見たところ、スイッチ部分はご覧の通り、普通のエフェクターで用いられる9Pの3PDTスイッチではありません。
スイッチの先端に硬めのバネが取り付けてあり、そのバネが大きめのタクトスイッチをポチポチする独特な機構になっています。
このタクトスイッチをトリガーとして、フリップフロップ的なスイッチ回路に繋がっているようです。面白い機構ですが、仕組みはBOSSの電子スイッチと同じような感じです。
見たところ、タクトスイッチはALPSのSKHCシリーズのようです。
SKHCシリーズにはステム形状と作動力が異なる六種のスイッチがラインナップされていますが、B7K ultraに搭載されているスイッチはフラットステム品です。
作動力は分からなかったのでとりあえず真ん中の1.27N品にして、高耐久タイプであるSKHCBMA010を購入してみました。
スイッチ交換
裏蓋を外していきましょう。
ネジは全て特殊ネジになっています。
手持ちのものではT-10Hが嵌合しました。
左右の下側についている子基板を外します。
今回調子が悪いのはbypassスイッチだけですが、この際なので両方とも新品に交換します。
筐体から子基板を取り外したら、タクトスイッチとご対面です。早速スイッチを交換します。
元のスイッチを外し、
新品に交換します。
再組立てして作業完了です。
所感
写真ではすんなり行ったように見えますが、元のスイッチを取り外すのに非常に苦戦しました。
4つある取り付け穴のうち2つがGNDベタに落ちているのですが、このビアが何もサーマル処理されていないため、ビア内のハンダがなかなか綺麗に除去できません。スイッチの足をニッパーでパチンと切って取り外し、鉛入りのkester44を流したりコテ先温度を400℃近くまで上げてやっとこさ交換できました。
このタクトスイッチはオンかオフかの2値を検出するだけなのでベタベタにGNDに落とす必要はありません。組立・修理時の作業性を考えると設計としてはイマイチです。
まあ修理の際は子基板ごと交換してしまうのでしょうが、今回のスイッチ不良も生産現場でハンダゴテを当てすぎたのでは?と思います。
とにもかくにも、無事スイッチは交換できました。
再組立て後、スイッチを適当にポチポチしましたが動作には問題ありません。
手で押すと若干押し感に違いが出たかな…?という気がしなくもないですが、どうせオンにしっぱなしで使いますし、踏む時も足でえいやと踏んでしまうので微妙な差は分かりません。
スイッチ比較
取り外したスイッチと今回購入したスイッチを比較してみます。
まずぱっと見、樹脂の色が違いますね。
また裏面の刻印も、元から取り付けてあったスイッチはJ、購入した新品はLです。(ロットやdatecodeかもですが。)
やはりドンピシャ同じスイッチではなかったようですが、使用感に問題なければOKと言うことにします。高耐久品ですし。
コスト
今回かかったコストは下記の通りです。
スイッチ二つ交換して送料を入れても1000円ちょいです。
項目 | 品番 | 購入先 | 単価 |
---|---|---|---|
タクトスイッチ | Alps SKHCBMA010 | コアスタッフオンライン | ¥188 |
送料 | - | コアスタッフオンライン | ¥715 |
スイッチは予備も含めて10個購入しましたので、本工作にかかった総額は¥2,596でした。
おわりに
b7k ultraのフットスイッチ交換についてまとめました。あまり他社では見ない機構で、半田付け性の悪さから交換難易度はちょっと高めです。ミスすると基板を破壊してしまい手に負えなくなる可能性もあるのでくれぐれも自己責任でお願いします。
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