MOTU 828mk3 hybrid 電源修理
はじめに
中古で購入したオーディオインターフェース
MOTUの828mk3 hybridが、起動にかなり時間がかかるようになってきました。
webで調べてみたところ、AC100VからDC電源を作り出すコンバータ基板のコンデンサが経年劣化で容量抜けを起こすことにより、このような症状が発生するようです。
部品交換で直るようなのでトライしてみました。
交換箇所
上蓋を外し、基板を確認します。
ラックイヤー取り付け用の六角ネジがインチサイズで苦労しました。
写真右側の黄色のトランスが載っている基板が電源基板になります。
写真は交換後のものですが、黄色い角形コンデンサの左下にある33uF 400Vのデカいやつが一次側の平滑用コンデンサです。その下に見える2つの茶色いコンデンサが二次側の平滑コンデンサになります。
この二種類は容量が大きく、また発熱するトランスやダイオードの近くに配置されているため、経年劣化による容量抜けを起こしてしまいやすいようです。
ちなみに、このモジュールはAC電源から+3.8V、+3.3V、+5.5V、+8V、-8Vを出力するスイッチング電源のようですね。
部品の状態確認
外した部品を見てみましょう。
一次側の33uFは、底面が非常に汚れていました。基板側も似たような汚れがついていたので、フラックス洗浄液を使って綺麗にしました。
マルチメーターで容量を測定すると、意外と規定通りの値となっていました。底面の汚れはコンデンサの電解液ではなく、実装時のフラックスが基板動作時の熱で焦げついたものだったのかもしれせん。
二次側の2200uFは、ご覧の通りトップもボトムも膨らみ気味です。
容量を測定すると、1/3〜1/4ほどまで抜けてしまっていました。
交換した新しいコンデンサはしっかり入っています。
まとめ
と言うことで、これを再組立し動作確認をしたところ、今までは数分待たないと起動しなかったものが、電源投入直後にしっかり起動してくれるようになりました。やはり、本不具合はネットの情報通り二次側平滑コンデンサの容量抜けによるコンバーター回路の起動不良が原因だったようです。
簡単にヘッドホンアウトで出音を確認してみました。今まで828は低域が細るなと思っていましたが、フラットな出力になったような気がします。(気のせいかもしれませんが)
作業難易度は、面実装部品でもないのでそこまで高くありません。部品を取り外したあと、スルーホール内の半田除去作業でランドを剥らないようにだけ気をつけましょう。とは言ってもベタGNDではないので、ちゃんとした半田ごてと吸い取り線・吸取機があれば問題ないかと思います。
また、高容量の電解コンデンサになるので寸法には気をつけましょう。自分が購入した2200uFは、元付いていたものよりちょっと太めだったのでかなり肩身が狭そうな感じなっています。
交換部品とコスト
一次側コンデンサ
33uF 400V以上 105℃品
二次側コンデンサ
2200uF 16V以上 105℃品
項目 | 品番 | 購入先 | 単価 |
---|---|---|---|
電解コンデンサ | EEUEE2G330S | マルツオンライン | ¥506 |
電解コンデンサ | EKMG250ELL222MK25S | マルツオンライン | ¥220 |
送料 | - | マルツオンライン | ¥550 |
予備分とサイズ違いの低ESR品なども購入したため、今回の工作の総額は¥2,941でした。
参考サイト
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