生成AIを使ってAzure Data Factoryの使い方を勉強した話
最近、仕事でAzure Data Factory(ADF)というサービスを利用する機会がありました。
ADFを使うと、ビッグデータから必要な情報を抽出したり、後続処理のために扱いやすい形式に変換したり、といった大規模なデータ処理をほぼノーコードでパイプライン化することが可能です。
しかし、自分は今までビッグデータを取り扱う仕事をしたことがなく、こういったツールに対する知見が皆無でした。
Azureの公式ドキュメントに日本語ドキュメントはあるんですが、ところどころ翻訳がイケてない箇所があったり、書いてあることが抽象的だったりでスッと頭の中に入って来ないなぁ・・と悩んでいたところ「あまり使ったことのない生成AIを利用して勉強を手伝って貰おう」と思いつき、学習に生成AIを取り入れてみました。
「ADFとは」「生成AIを活用した学習体験」の2点をお伝えできればと思いこの記事を書くことにしました。
ADFとは
ADFは、Azureが提供するクラウドベースのデータ統合サービスです。大規模なデータ処理を自動化し、さまざまなデータソースからデータを抽出(Extract)、変換(Transform)、ロード(Load)するプロセス、いわゆるETLをノーコードで構築できます。また、ELT(Extract, Load, Transform)もサポートしており、データの変換をターゲットシステム側で行うことで、クラウドのリソースを活用して処理の効率化を図ることが可能です。
私が感じたADFの最大の利点は、ほぼノーコードで操作できることです。ドラッグ&ドロップでパイプラインを構築できるため、直感的にデータ処理を組み立てられる点が非常に便利でした。もちろん、より細かい制御が必要な場合はコードを書くこともできますが、基本的な処理はGUIで行えるため、技術的なハードルは非常に低いです。
ADFの主なユースケース
- データのコピー:異なるデータソース間でのデータ転送(例:Azure Blob StorageからSQLデータベースへ)
- データ変換:データの整形やクレンジング(例:不要なデータのフィルタリングやフォーマットの変換)
- トリガー実行:作成したパイプラインの定期的な実行や、ファイル更新を検知しての自動実行(例:毎日決まった時間にデータを同期)
実際このツールを使い始めて、Azureが謳っている「コーディングなしで複雑なデータ統合プロセスを視覚的に構築し、段階的にETLプロセスの開発やデリバリを進めることが可能」というADFの特徴を感じることができました。
しかし、私自身がこれまでビッグデータを扱う経験が少なかったため、設定や概念、言葉の意味を理解するのに戸惑いました。
生成AIを活用した学習体験
そこで、生成AIを使ってADFの学習を進めることにしました。通常、技術的なツールを学ぶ際は公式ドキュメントやチュートリアルを参照することが多いですが、今回はあえて生成AIに頼ってみたところ、思いのほか学習がスムーズに進みました。
1. 疑問点の即解決
学習を進めていく中で最初に直面したのは、公式ドキュメントに書かれている内容がやや抽象的であったり、英語表記のままの部分があったりする点でした。生成AIに質問を投げかけることで、例えば「リンクされたサービスとは何か?」や「パイプラインのデバッグ方法」といった細かい点について、即座に具体的かつ分かりやすい説明を得ることができました。
2. 手順の自動生成
次に驚いたのは、生成AIが具体的な手順やコード例を生成してくれることです。たとえば「BlobストレージからSQLデータベースにデータを移行するパイプラインをどう作成すればいい?」と質問すると、生成AIは設定方法を一から解説してくれ、さらに適切なデータフローや設定例まで提示してくれました。このように、実際に手を動かすためのベースとなる情報を得られる点は、時間の節約にもなりますし、正しい方向性で学習を進める助けになります。
3. エラー解消のアドバイス
実際にパイプラインを構築していると、時々エラーが発生します。そんな時にも生成AIは力を発揮しました。エラーメッセージをコピーしてAIに入力すると、エラーの原因とその解決方法を提案してくれます。通常であれば、エラーメッセージを調べるためにインターネットで検索する必要がありますが、生成AIはその場で解決策を提示してくれるため、ストレスなく問題解決ができました。
4. 効率的な学習プロセス
生成AIを使った学習は、従来の学習方法よりも非常に効率的でした。自分がどの部分でつまずいているのかに応じて、適切なアドバイスを得られるため、時間を無駄にせずに学びを深めることができました。たとえば、「データフローを作成する際のベストプラクティスは?」というような質問にも、具体的なアプローチや設定例を教えてもらえるので、
5. 注意点
生成AIを利用する上で必ず問題になるハルシネーション。基本的に生成された情報のソースが一緒に貼られているため、そちらの確認は欠かさないようにしていました。とはいえ、自分で検索して関連のありそうなドキュメントを上から読んでようやく目的の情報にたどり着くというプロセスと比べると、だいぶ早いスピードで欲しい情報へアクセスすることが出来るなと感じました。情報が古かったりもしたんですが、そこも自分で検索した時には起こりうることなので、あまり気にはならなかったです。
まとめ
今回、Azure Data Factoryを活用するにあたり、生成AIを利用した学習が非常に役立ちました。ADFはデータ統合やパイプライン自動化の強力なツールですが、初めて使う場合には学習コストがかかることもあります。生成AIを活用することで、わからないことをその場で解決し、効率よく実践に移すことができたのは非常に大きなメリットでした。
今後も他の技術を学ぶ際には、生成AIを積極的に活用していきたいと思います。もしあなたも新しい技術を学んでいる途中でつまずいた場合、生成AIを使ってみると、きっとスムーズに進められるはずです。
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