配信ツールStreamYardを使ってオンライン配信を行なう
Web配信ツールStreamYardを使ってWeb配信を行なう際の所作や注意点についてまとめていく記事をはじめました。
どこに書いたものか一時期迷ったのですが、ひとまずオンラインIT勉強会でも使われるものですので、こちらに書いていこうと思います。そのうち加筆したうえでKDP書籍に配信していく予定です(この記事にどんどん加筆していく予定です)。
さて、オンラインイベントの配信ツールとして、StreamYardというものがあります。StreamYardは他で言うならOBSなどの配信ツールが行なっている役割を担うもので、YouTubeやFacebookライブに配信をする際に、それらの配信環境の前に位置するツールです。
StreamYardとは
StreamYardはWebサービスであり、Google Chromeなどのブラウザからアクセスするだけですぐに配信できるというのが特徴です。
対応プラットフォームも多く、PCのほか、スマートフォンからでもアクセスが可能です(iPhone/iPadの場合のみ、Safari以外のブラウザでは利用できないという制約があります)。
StreamYardの放送には、一度に6人まで(有料プラン契約中の場合10人まで)が同時に参加することも可能で、Zoomミーティングをオンライン配信するような感覚で、様々な場所にいる人が一つのイベントに登壇して話すということも可能です。
実際の配信内容(画像は筆者が2020年5月に配信した、ビデオ会議ツール勉強会)
じゃあZoomをオンライン配信をすればいいじゃん という点もあるかと思いますが、Zoomのオンライン配信と違うのは、次のようなところです。
- 参加可能な人は、一度に10人まで(バックステージにいる配信スタッフなどを含む)
- 登壇者のレイアウトを、あらかじめ用意されているいくつかのレイアウトから変更可能
- 画面共有をしている間も登壇者全員を表示することができる(Zoomの場合、画面共有中には現在喋っている一人以外は配信画面に表示されない)
- ホストが登壇者の表示・非表示をいつでも自由に切り替えできる
- 画面上にYouTubeやFacebookライブなど、放送中チャンネルのコメントを表示することができる
- 画面上にオーバーレイやロゴなどといった画像を表示することができる(有料版のみ)
- YouTubeとFacebookライブなど、複数のチャンネルに同時に映像を配信することができる(有料版のみ)
OBSを使っても、同じような画面構成で放送を行なうことは可能です。
しかし、OBSには設定可能な項目が多く、設定の不備から音声や映像の一部が配信できないなどのトラブルに発展することもあります。
常に複数の有識者を確保できるような環境でなければ、StreamYardを使ったほうがより安定した配信環境を作れるのではないでしょうか。
複数チャンネルへの配信
StreamYardでは、様々な動画配信サービスに映像を配信することができます。
標準ではYouTube、Facebookライブ、Twitch、LinkedIn(LinkedIn側での設定が必要)の四つのほか、将来的にはTwitterライブへの配信対応が予定されています。
StreamYardの配信対応サービス
有料版契約を行なっている場合、Basicプランであればこの中から三つ、Professionalプランであればこの中から10個のサービスを指定して同時配信することが可能です。
また、有料版ではカスタムRTMP機能を使って、RTMP通信に対応している配信サービスであればどこでも配信を行なうことが可能となります。
ただし、カスタムRTMP機能を使ってYouTubeやFacebookライブに配信を行なった場合、視聴者のコメントをStreamYard上で見たり、表示したりすることはできません。
YouTubeやFacebookライブでの配信には、カスタムRTMP機能を使うことなくStreamYardの機能を使うと良いでしょう。
StreamYardのスタジオ
StreamYardでは、スタジオと呼ばれる配信画面上で操作を行います。
スタジオ画面
StreamYardのスタジオでは、配信の開始・停止の他、ロゴやオーバーレイと呼ばれる画像の表示・切替え、共有画面の表示・変更、視聴者から寄せられたコメントの表示など、様々なことを行うことができます。
また、Inviteのボタンをクリックして表示されるURLを他者に共有すると、他者をこのスタジオに招くことも可能です。
Invite URL
複数人がこのスタジオに参加することで、冒頭のスクリーンショットのように、複数人による対談イベントや、発表会など、様々なイベントを開催することも可能になります。
ホストとゲスト
Invite URLを使って入った人は、ゲストという扱いになります。
ゲストはできることが大きく制限され、視聴者から寄せられたコメントの閲覧(表示はできない)と、プライベートチャットへの閲覧・書き込みのみ可能です。
ゲストでの画面表示
また、配信画面(ストリームと呼ばれています)に表示されるようになるには、配信者(ホスト)側の操作が必要になります。
StreamYardへのログイン
StreamYardは他のウェブサービスとはログインの仕組みが異なり、パスワードというものがありません。
メールアドレスを入力すると、そこに6桁の数字が送られますので、それを使ってログインする というかたちになります。
StreamYardのログイン画面
メールアドレスを入力すると、程なく次のようなメールが届きますので、このコードを入力することで、ログインが完了します。
届いたメール
2021/06/30現在、StreamYardは複数のアカウントをホストとして招き、放送をすることができません。
そのため複数人がホストする必要がある場合は、この番号を共有してログインする必要があります。
スタジオ画面のつかいかた
StreamYardのスタジオ画面は、いくつかの部位に分かれています。
StreamYardの画面(ホスト画面)
- 配信画面:配信画面には、現在YouTubeやFacebookライブに配信されているのと基本的に同じ映像が表示されています。
- スタジオ参加者および画面の一覧:スタジオに参加している参加者およびその共有画面、ビデオ共有の一覧が表示されています。
- 画面レイアウト一覧:画面上に表示されている参加者および画面をどのようにレイアウトするのかを設定します。
- 機能ペイン:StreamYardの様々な機能を呼び出すウィンドウがタブで分けられて格納されています。
- 録画・配信ボタン:録画や配信の開始・停止を行なうボタンです。YouTubeなどに配信している場合、それらのアイコンが画面上に表示されます。
機能ペインでできること
StreamYardの機能ペインには、4つの機能がタブで分割されて格納されています。
- Comments:視聴者からのコメントが表示されます
- Banners:画面下部に表示するメッセージを切り替えます。メッセージのデザインはBrandsタブで切り替えます。
- Brands:画面上に表示されるロゴやオーバーレイなどの表示を切り替えます。
- Private chat:配信画面には表示されない、スタジオ参加者間でのメッセージを表示します。
ホストができること
ホストがすべきこと(配信開始前)
StreamYardにはバックステージとストリームという二つの画面があり、バックステージにいる参加者は、配信画面(ストリーム)を見ることはできますが、画面には表示されず、参加者の誰にも声は届きません。
ホストは、2に表示されている参加者および画面をストリーム上に表示させることができます。
マウスカーソルを参加者の画面上に載せることで表示される「Add to stream」のボタンをクリックすることで、参加者がストリームに表示されます。
参加者をストリームに表示する
配信に必要なメンバーが全員ストリーム画面上に揃ったら、5の録画および、配信ボタンをクリックすることで配信を開始することができます。
配信先が予定のものと異なる場合、別の配信先を追加したい場合は、左側にあるEditのボタンをクリックすることで追加削除が可能です。
ホストがすべきこと(配信終了時)
番組の配信を止めることができるのは、ホストのみです。配信中の画面で5のボタンをクリックすることで、本当に配信を止めて良いかどうかの確認画面が表示されます。
配信終了の確認表示
ここでボタンをクリックすることで、程なく配信が終了します。
その後、StreamYardへのフィードバックフォームが表示され、配信が終了します。フォームはとくに書き込めるものがなければ、表示上部の×ボタンを押して閉じてしまっても構いません。
フィードバック表示
ゲストができること
Invite URLより参加したゲストがいる場合、初期状態ではすべての参加者はバックステージ上に表示されます。ホストはバックステージにいる参加者を好きなタイミングで表示させたり、戻すことが可能となっています。
StreamYardの画面(ゲスト画面)
ゲストからできるのは、機能ペインにあるコメントを見たり、プライベートチャットに書き込むことだけです。
自分でストリームからバックステージに移動することはできますが、自分でバックステージからストリームに上がることはできません。
StreamYardでの画面共有
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ロゴとビデオクリップ
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