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DevOpsDaysTokyo 2024 参加レポート
参加の経緯
- 毎年参加している、というのが一番の理由だったりします。初めて参加したのが DevOpsDaysTokyo 2019で、Gene Kim さんの keynote がとても印象に残っています。「LeanとDevOpsの科学」の本にサインしていただいたのもとてもいい思い出です。
- DevOpsDaysTokyo 2022 では「野球人・落合博満さんから学ぶ、アジャイルなマインドセット・プラクティス - Speaker Deck」という内容で登壇もさせていただきました。結構無理やり DevOps に結びつけた内容でしたが、とてもいい経験でした。
- 今年も RSGT の参加を受けてプロポーザルを出してみましたが残念ながら不採択となってしまいました🥲
- 今回は業務やプライベートの兼ね合いでオンライン参加にしました。また1日目の後半のセッションはあまり聞けなかったので、動画が公開されたら見返してみたいと思います。
印象に残っているもの
長く書くのもあれなので簡単に書こうと思います (随時更新するかもしれません)
Patrick さんの セッション - 1日目/2日目
- 1日目の keynote は、「DevOps の父」と呼ばれているにもかかわらず DevOps についてはあまり触れず、ひたすら生成 AI を使ったシステムの開発についてお話されていたのが印象的でした。DevOpsDays は「実践者のための場」 を体現していたように思います。DevOps なんていう概念はもう当たり前で、これからは生成 AI とどう向き合うかが重要である、というメッセージのようなものも感じました笑
- ここで、生成 AI を使ったシステムのテストで「シフトライト」が注目されているというのも新しい発見でした
- 2日目の interview では DevOps(Days) の歴史・意図について聞くことができました。Agile という言葉が生まれ、当時は dev 偏重な部分があった中での取り組みだったという理解をしています。
4 Keys Metricsだけじゃない!価値に目を向けたメトリクス:EBMに触れてみよう
- あまり時間を取って聞けなかったのですが、内容は今の業務にピンポイントで興味があるものでした。後ほど資料と動画を見返したいです。
https://www.docswell.com/s/ikikko/Z38X9Y-get-in-touch-with-ebm
知識ゼロから学ぶAIのテスト 信頼できないソフトウェアとそのテストのために
- 1日目の keynote でも触れられていた生成 AI を使ったシステムのテストについて言及されていました。AI 製品のテストはまだ体系化されていない、という点が印象に残っています
サービス運用はボールを落とさない競技 : 2009年DevOpsDays の誕生と私の身の回りの話
- 2日目の川口さんの keynote です。DevOps が生まれた歴史についてお話してくださいました。Agile, DevOps と言ったものはまだ自分が社会人になる前に生まれたものなので、このような歴史をお話してくださるのは個人的にとてもありがたいです。
- テクニカルな部分と文化的な部分が両方入っているものが、Agile という言葉が2001年に生まれて以来 DevOps というものだった、というのが印象に残っています。DevOps とは、という問いの中での一つの答えに「ツールと文化」というのがあるのでは無いかと思います。
- こちらの動画も DevOps、ひいてはソフトウェア業界の歴史を理解するのにも役立てられそうです
Value-Driven DevOps Team〜価値貢献を大切にするチームがたどり着いたDevOpsベストプラクティス〜
- 小田中さんと椎葉さんのセッションでした。トランクベース開発・モビング・Feature Flag などのプラクティスはありますが、「価値貢献をしたい」→「仮説検証ループを素早く回したい」→「各種プラクティス」→「結果ケイパビリティ・エンゲージメントが高くなる」という順序になるということを説明されており、とてもしっくりと来る内容でした
「パタンランゲージ」から「センタリング」へ
- 中埜 博さんの招待講演でした。クリストファー・アレグザンダーさんが日本で建設した盈進(えいしん)学園のプロジェクトに協力された方です (中埜さんが仲介して海外の建築家の方を招いた、と紹介されていた気がします)
- 「40分で理解するには時間が足りない」とおっしゃっていた通り自分でも完全に咀嚼できていませんが、以下のようなことが刺さりました
- 専門家 = お産婆さんである。押し付けるのではなく、素人の考える美しいものを昇華させるものである
- 昔の大工さんはお客に寄り添って理想の形を掴んでいった。ソフトウェアアーキテクトも同じことが言えるのでは
- パタン = 形で理解する
- ランゲージ = 言葉、物語で理解する (ユーザーストーリー)
- センターリング = 理想を現実にどう合わせるか?. 理想と現実のギャップをどのように埋めるか。ここに工夫が生まれる。みんなが満足するようにするにはどうすればいいだろうか?
- → それぞれが思い描いている理想を図に表し、言葉として物語として語り、現実とどう向き合っていくか?
- ミラー実験: ある2つのものを比べて、どちらが自分に似ているか? という問いに答える。自分自身を正確に捉える実験を繰り返す。
- コショウの瓶 と ケチャップの瓶、どちらが自分と似ている?
- 専門家 = お産婆さんである。押し付けるのではなく、素人の考える美しいものを昇華させるものである
総括
去年の DevOpsDays Tokyo は開発生産性 / DORA などの話が多かったように感じます。今年も同じ内容はありましたが、生成 AI、価値(アウトカム)、トランクベース開発とその周辺プラクティス、など幅広い内容が取り扱われていた印象が強かったです。「ツールと文化」「あらゆるサイロを壊す」という DevOps の原点に立ち返ることができるイベントでした。他のセッションについても動画が公開され次第見てみたいと思います。
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