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AUTOSAR Classic Platform Architecture

2022/06/26に公開約3,600字

はじめに

このではAUTOSAR Classic Platformのアーキテクチャと標準機能でサポートされているサービスの概要についてまとめています。

Architecture

Classic Platformのアーキテクチャは、大きく3つの層に分けられます。
3つの層はそれぞれアプリケーション、RTE、BSWと呼ばれマイコン上で動作します。
Architecture
出典:AUTOSAR_EXP_LayeredSoftwareArchitecture

HW(ECU,マイコン)に依存する実装はBSWで実装され、Application layerはRTEを経由してBSWと通信することでHWに依存しない設計をすることができます。

Application layer

Application layerではHWに依存しない機能を実装します。
Application layerには、通常複数のソフトウェアコンポーネント(Software Component, SW-C)から構成され、各SW-Cにアプリケーションを実装していきます。SW-C間の通信はPortによって接続され、RTEを介して通信されます。
Port間の通信が ECU内通信になるのか、CAN通信用BSWなどを利用したECU間通信になるのかはRTEにより制御され、アプリケーション側からは見えないようになっています。これによりアプリケーションで開発でSW-C間の通信手段を気にせずに開発ができます。
例えば図1.3のようにSW-CをECUに配置されている場合、図1.4のようにSW-C"B"をECU2に移動させるとSW-C"A"と"B"の通信はECU内通信からCANなどと通してECU外通信をする必要があるが、RTEが通信経路の違いを吸収します。
RTE_Allocation_SW-C_1
RTE_Allocation_SW-C_2
出典: はじめてのAUTOSAR

尚、アクチュエーター系のSW-Cやセンサー系のSW-Cはアーキテクチャ上はApplication Layerに配置されますが、内部信号に強く依存しているためECU間の移動(再配置)の制限があります。

RTE

RTEではApplication layerとBSWの中間に位置する層です。
Application layerから見るとRTEより下の層のBSWは抽象化され、どのECUから実行されているから見えないようになっています。これによりSW-Cの再利用性を実現しています。
RTEは主に以下2つの機能を提供しています。

  • SW-C間の通信
  • SW-Cのスケジューリング

BSW

BSW layered architecture

BSWではどのECUにも入っている基本的な機能が実装されています。
BSW内を更に層ごとにグループ分けすると以下の図のようになります。
Architecture_layered
出典:AUTOSARAUTOSAR_EXP_LayeredSoftwareArchitecture

BSWの各層(Layer)では以下のような機能を提供します。

  • Services Layer:
    アプリケーションのための基本的なサービスと基本ソフトウェアモジュールを提供する
  • ECU Abstraction Layer:
    MCALとServieces Layer間のインターフェースを提供する
  • Microcontroller Abstraction Layer (MCAL):
    マイコンと内蔵周辺機器に直接アクセスする内蔵ドライバを持つ
  • Complex Drivers Layer:
    AUTOSARで定義されておらず、他のレイヤでは実装できない機能を提供する
    AUTOSAR非対応の既存資産を本モジュールとして扱うこともできる

BSW Functional group

BSWのレイヤーはさらにスタックと呼ばれる機能グループごとに区別できます
Architecture_functional_group
出典:AUTOSARAUTOSAR_EXP_LayeredSoftwareArchitecture
BSWの各スタックでは以下のような機能を提供します

  • System
    標準化可能な機能(OS,タイマー,エラーメモリ管理)、ECU特有のサービス(ECU状態管理、ウォッチドッグ管理)、ライブラリ関数を提供する
  • Memory
    不揮発性メモリへのアクセスを提供する
  • Crypto
    暗号化機能へのアクセスを提供する
  • Off-board Communication
    車両無線ネットワークシステムを用いた通信(Vehicle-to-X)へのアクセスを提供する
  • Communication
    車載ネットワークシステム、ECUオンボード通信システム、ECU内SW間通信へのアクセスを提供する
  • Input/Output(I/O)
    センサ、アクチュエータ、ECUオンボード周辺機器へのアクセスを提供する

BSW Modules

各機能グループ内にモジュールがあり、各モジュールに割り当てたれた機能を実装していきます。
BSWのモジュールと各機能グループの関係は以下のようになります。
Architecture_modules

出典:TOPPERS AUTOSAR情報サイト R20-11 アーキテクチャ図

Tools

各ベンダーから設計開発ツールがリリースされており、BSWやRTEは設計に基づいてコードを自動生成することができます。
各社ベンダーからリリースされているツール例は以下の表になります。

Vender Tool
Vector DaVinci Configurator Classic
Elektrobit EB tresos Studio
Mathworks AUTOSAR Blockset
eSO+ eSOL ECUSAR
dSPACE systemdesk
ETAS AUTOSAR solution
MentorGraphics volcano
Sparxsystems Enterprise Architect(EA)
Parasoft C++TEST

引用: Wikipedia AUTOSAR, RENESAS 自動車 開発環境

参考資料

はじめてのAUTOSAR: Link
AUTOSAR_EXP_LayeredSoftwareArchitecture(R21-11): Link
TOPPERS AUTOSAR情報サイト R20-11: Link

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