【2025年最新版】Amazon Qの全種類を完全整理!Business・Developer・各サービス内機能の違いを徹底解説
はじめに
「Amazon Qって何種類あるの?」「BusinessとDeveloperの違いがわからない」「QuickSightのQって別物?」
AWSの生成AIアシスタント「Amazon Q」について調べていると、このような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。実際、Amazon Qには複数の種類があり、それぞれ異なる目的と機能を持っています。
この記事では、自身の整理もかねて、2025年最新の情報をもとにAmazon Qの全種類を体系的に整理し、それぞれの違いを明確にします。
Amazon Q全体像の整理
Amazon Qは大きく以下の4つのカテゴリに分類されます:
Amazon Qの分類
Amazon Q ファミリー
├── スタンドアロン製品(2種類)
│ ├── Amazon Q Business
│ └── Amazon Q Developer
├── サービス内機能(4種類)
│ ├── Amazon Q in Console
│ ├── Amazon Q in QuickSight
│ ├── Amazon Q in Connect
│ └── Amazon Q in Supply Chain
├── 拡張機能(1種類)
│ └── Amazon Q Apps
└── 特殊機能(1種類)
└── Amazon Q Agent
各カテゴリの概要
- スタンドアロン製品:独立したサービスとして提供
- サービス内機能:既存のAWSサービス内でAmazon Qの機能を利用
- 拡張機能:Amazon Q Businessの機能を拡張
- 特殊機能:特定のユースケース向けに最適化されたAI機能
Amazon Q機能比較表
全サービス機能比較一覧
サービス名 | 対象ユーザー | 主な機能 | 料金 | データソース | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
Amazon Q Business | 全社員 | 社内検索、文書生成、質問応答 | $3-20/月 | 50以上のコネクタ | 非技術者でも利用可能 |
Amazon Q Developer | 開発者・IT担当 | コード生成、AWS最適化、デバッグ | 無料-$19/月 | コードリポジトリ、AWS | 開発ライフサイクル全体をサポート |
Amazon Q in Console | AWS管理者 | リソース管理、設定支援、トラブルシューティング | 無料 | AWSリソース | コンソール内での対話型支援 |
Amazon Q in QuickSight | データアナリスト | BI分析、ダッシュボード作成 | QuickSightに含む | BI用データソース | 自然言語でのデータ分析 |
Amazon Q in Connect | サポート担当 | 顧客対応支援、通話要約 | 従量課金 | ナレッジベース | リアルタイム応答支援 |
Amazon Q in Supply Chain | 物流担当 | 需要予測、在庫最適化 | Supply Chainに含む | サプライチェーンデータ | 物流特化のAI分析 |
Amazon Q Apps | ビジネスユーザー | カスタムアプリ作成 | Q Businessに含む | 社内データ | ノーコードでアプリ開発 |
Amazon Q Agent | 開発者 | 特定タスク用AIエージェント作成 | Q Developer Proに含む | カスタムデータ | 特定業務に特化したAI構築 |
料金・コスト比較表
サービス | 無料プラン | 有料プラン | 月額料金 | 年額料金 | 主な制限事項 |
---|---|---|---|---|---|
Amazon Q Business | ❌ | Lite/Pro | $3/$20 | $36/$240 | Liteは基本機能のみ |
Amazon Q Developer | ✅ | Free/Pro | 無料/$19 | 無料/$228 | 無料版は月間制限あり |
Amazon Q in Console | ✅ | なし | 無料 | 無料 | 基本的なAWS管理のみ |
Amazon Q in QuickSight | ✅* | 含まれる | QuickSight料金内 | QuickSight料金内 | *QuickSight契約が必要 |
Amazon Q in Connect | ❌ | 従量課金 | 使用量による | 使用量による | Connect契約が必要 |
Amazon Q in Supply Chain | ❌ | 含まれる | Supply Chain料金内 | Supply Chain料金内 | Supply Chain契約が必要 |
Amazon Q Agent | ❌ | 含まれる | Q Developer Pro料金内 | Q Developer Pro料金内 | Q Developer Pro契約が必要 |
スタンドアロン製品の詳細解説
Amazon Q Business
概要
Amazon Q Businessは、企業の全社員が利用できる生成AIアシスタントです。社内の様々なデータソースに接続し、自然言語での質問応答、文書生成、業務自動化を実現します。技術的な知識がなくても、誰でも簡単にAIの力を活用できるよう設計されています。
対象ユーザー
- 全社員(技術者・非技術者問わず)
- 経営陣・管理職
- 営業・マーケティング・人事などの業務部門
主な機能
- 社内データ検索: 50以上のデータソースから情報を横断検索
- 文書生成: 会議資料、提案書、レポートの自動作成
- 質問応答: 自然言語での社内情報への問い合わせ
- ワークフロー自動化: 定型業務の効率化
接続可能なデータソース
- Microsoft 365 (Word, Excel, PowerPoint, Outlook)
- Google Workspace
- Salesforce
- ServiceNow
- Slack
- Confluence
- SharePoint
- Amazon S3
- その他40以上のコネクタ
料金プラン詳細
-
Amazon Q Business Lite: 月額$3/ユーザー
- 基本的な検索・質問応答機能
- 月間クエリ制限あり
-
Amazon Q Business Pro: 月額$20/ユーザー
- 高度な分析・生成機能
- Amazon Q Apps利用可能
- 無制限クエリ
Amazon Q Developer
概要
Amazon Q Developerは、ソフトウェア開発者とIT専門家のために特化された生成AIアシスタントです。コーディング支援からAWSリソースの最適化まで、開発ライフサイクル全体をサポートします。2025年の新機能として、CLIエージェントやコスト最適化支援が追加され、より実用的になりました。
対象ユーザー
- ソフトウェア開発者
- DevOpsエンジニア
- システム管理者
- データサイエンティスト
主な機能
- コード生成・補完: 複数のプログラミング言語に対応
- コードレビュー: セキュリティ脆弱性の自動検出
- AWS最適化: リソース使用量とコストの最適化提案
- トラブルシューティング: エラー解析と修正提案
- ドキュメント生成: API仕様書、README等の自動作成
新機能(2025年)
- CLIエージェント: コマンドライン内での対話型支援
- コスト最適化支援: AWSリソースの自動分析と削減提案
料金プラン詳細
-
Amazon Q Developer Free: 無料
- 基本的なコード補完
- 月間制限あり(50クエリ/月)
-
Amazon Q Developer Pro: 月額$19/ユーザー
- 高度なコード生成・分析
- AWS最適化機能
- 無制限利用
サービス内機能の詳細解説
Amazon Q in Console
概要
Amazon Q in Consoleは、AWSマネジメントコンソール内に統合された生成AIアシスタントです。AWS管理者やクラウドエンジニアが、コンソール内で直接質問を投げかけ、リソース管理やトラブルシューティングの支援を受けることができます。2025年の最新バージョンでは、リソース最適化の提案機能が強化されています。
主な機能
- リソース管理支援: 「EC2インスタンスの起動方法は?」などの質問に回答
- 設定アシスタント: 最適なAWSリソース設定の提案
- トラブルシューティング: エラーメッセージの解析と解決策提示
- ベストプラクティス提案: セキュリティやコスト最適化の提案
料金
- 完全無料(AWSアカウント所有者なら誰でも利用可能)
- 高度な機能はAmazon Q Developer Proで利用可能
Amazon Q in QuickSight
概要
Amazon Q in QuickSightは、AWSのビジネスインテリジェンス(BI)サービスであるQuickSightに統合された生成AI機能です。データアナリストやビジネスユーザーが、自然言語を使ってダッシュボードを作成し、データから洞察を得ることができます。技術的なSQL知識がなくても、直感的にデータ分析が可能です。
主な機能
- 自然言語でのダッシュボード作成: 「売上トレンドのグラフを作って」
- データ分析の自動化: 異常値の検出と要因分析
- インサイトの自動生成: データから重要なトレンドを発見
- エグゼクティブサマリー: 経営層向けの要約レポート作成
料金
- QuickSightの料金に含まれる(追加料金なし)
- QuickSight Enterprise: $18/月/ユーザー
- QuickSight Standard: $9/月/ユーザー
Amazon Q in Connect
概要
Amazon Q in Connectは、AWSのクラウドコンタクトセンターサービスであるAmazon Connectに統合されたAI機能です。カスタマーサービスエージェントの業務を支援し、顧客対応の品質向上と効率化を実現します。リアルタイムでの応答支援により、顧客満足度の向上とオペレーションコストの削減を同時に達成できます。
主な機能
- リアルタイム応答支援: 顧客との会話中に最適な回答を提案
- ナレッジベース検索: 社内FAQや製品情報の即座な検索
- 感情分析: 顧客の感情状態を分析し、適切な対応を提案
- 通話要約: 通話内容の自動要約とフォローアップ提案
料金
- Amazon Connectの基本料金 + AI機能の従量課金
- 通話1分あたり約$0.02-0.05の追加料金
Amazon Q in Supply Chain
概要
Amazon Q in Supply Chainは、AWS Supply Chainサービスに統合されたAI分析機能です。サプライチェーン管理者が複雑な物流データを理解し、最適化のための洞察を得ることができます。需要予測から在庫管理まで、サプライチェーン全体の効率化を支援します。
主な機能
- 需要予測: 過去データから将来の需要を予測
- 在庫最適化: 適正在庫レベルの提案
- リスク分析: サプライチェーンのリスク要因を特定
- 運用インサイト: 効率化のための改善提案
料金
- AWS Supply Chainの料金に含まれる
- Supply Chain基本料金: 月額$3,000〜(規模により変動)
Amazon Q Apps:カスタムアプリ作成機能
概要
Amazon Q Appsは、Amazon Q Businessの拡張機能として提供される、ノーコードでAIアプリケーションを作成できる機能です。技術的な知識がないビジネスユーザーでも、自然言語での指示だけで、業務に特化したAIアプリを作成し、チーム内で共有できます。
主な特徴
- ノーコード開発: プログラミング不要でアプリ作成
- 会話ベース: 自然言語でアプリの要件を説明
- 社内データ活用: 既存のデータソースを活用
- チーム共有: 作成したアプリをチーム内で共有
Amazon Q Agent:特化型AIエージェント
概要
Amazon Q Agentは、Amazon Q Developerの拡張機能として2025年に導入された、特定のタスクに特化したAIエージェントを作成できる機能です。開発者は自社の業務知識やデータを活用して、特定の業務領域に特化したAIエージェントを構築し、チーム内で共有できます。
主な特徴
- カスタムエージェント: 特定業務向けの専用AIアシスタント作成
- 知識ベース連携: 社内ドキュメントやAPIとの統合
- ワークフロー自動化: 複雑な業務プロセスの自動化
- 継続的学習: フィードバックによる精度向上
ユースケース例
- セキュリティエージェント: セキュリティ監査と脆弱性検出
- デプロイメントエージェント: CI/CDパイプラインの最適化
- コスト最適化エージェント: AWSリソースの継続的な最適化
- トレーニングエージェント: 新入社員向けの対話型学習支援
最後に
Amazon Qの全体像がよくわからなかったので整理してみましたが、だいぶすっきりしました。
誰かのお役に立てれば幸いです!
※この記事は2025年6月時点の情報に基づいています。最新の機能や料金については、AWS公式サイトをご確認ください。
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