WANTEDLY ENGINEERING HANDBOOKを読んだ
↑これの紙のやつです。Wantedlyさんにだいぶ前に送っていただきました。ついでにコーヒー豆も送っていただいたので(COI開示)、遅ればせながらお礼に感想を書いておきます。
良かったところ
ある程度以上の規模と年数を経たシステムの場合、そもそもこういうのがまとまっていると、後から入る人にとってはたいへん便利というか、なかった場合と比べると数ヶ月とかそれ以上の単位の時間を短縮できそうな気がします(言い換えると、なかった場合は数カ月間の無駄が発生する)。
あと、内容を外部に公開するのも大英断ですね。書く側にとっての緊張感もありそうですし、執筆作業も「業務」としての品質(と作業工数)を担保することにもなりそうです。
そして最後にポインタとして「話を聞きたい」と「もっと知りたい」で締めているのはよいですね。
もちろん採用戦略の一環、みたいなところもあるとは思いますが、実際に採用したあとのオンボーディングにも役立つ便利なものだとは言えそうです。
あとは、いろんな分野のものが一冊にまとまっているのも、ふだんは直接関わらない業務についての全体像を把握するためにも役立ちそうです。そのわりには分量がほどほどに抑えられていて、これは「製本する」という制約(長いと制作にも保管にも編集作業にもコストがかかるので薄くしたくなる)もあるとは思いますが、それ以外の資料ともうまく関連させられれば利点になるかと思いました。
気になったところ
もうちょっと掘り下げて聞きたい! というところもありましたが(具体的には「ソフトウェアデザインの基礎」とか)、これについては前述の通りslack channelの誘導があるからいいのかも? 分量の都合もあるから難しいのでしょうか。本気でやると『Googleのソフトウェアエンジニアリング』みたいになりそうですし。
全体的にはうまくできているところにフォーカスされていて、問題点や課題感みたいなところが物足りない印象もありますが、さすがに表に出す文章では書きにくいというのはありそうです。きっと内部ではいろんなかたちで管理されているんでしょうし。
細かいところでは、組版的には強調を明朝体でやるのはやっぱり違和感がありました(ゴシック体にした方がよいです)。
あとは今後この文書のメンテナンス作業をどの程度のパワーと品質でできるかにかかっているような気がします。この内容で最新版につねにキャッチアップできてるとなると相当便利そうですが、案外手間がかかるものなので。
まとめ
こういうのがそれなりに流行るといいですね。他の企業のものもあれば読んでみたい、というのもありますが、それはさておき採用からオンボーディングまでのツールとして、ある程度以上の規模の技術系企業であれば、何かしら参考にするといいかもしれないと思いました。
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