Devinを使ってみた - 初心者向けのアドバイス
Devinをしばらく使ってみたので感想や使い方のコツなどを書いておきます。
AIコーディングツールには、IDE連携型、CLI型などがあるが、Devinはクラウド上で自律的に動作する点が特徴のツールです。開発元のCognition AIは「AIソフトウェアエンジニア」と呼んでおり、他のツールとは設計思想がかなり異なっています。近年は類似したツールもいくつか出てきていますが、Devinはかなり初期からこの路線を進んでいます。
ユースケース
個人で評価しただけなので、小規模のツールの新規追加や、機能追加をお願いしました。具体的には、Difyのプラグイン開発や、自分用の論文PDF翻訳ツールの開発を手伝ってもらいました。また、いくつか関連する技術調査も依頼しました。
これはDevinにかぎらず、AIに作業を依頼する際全般に言えることですが、目的と進め方が明確なタスクは淡々と進むし、不明確だと回り道をしがちな傾向にありました。
GitHub連携方法など
DevinはGitHubの権限を要求します。権限を渡すのが不安という人は、Devin用のOrganizationを作って、そこで作業してもらうのがおすすめです。わたしは最初、新規アカウントを作成しましたが、Organization単位で切る方が簡単でいいと思います。
Devin's Machine
Devin's Machineとは、Devinがタスクを実行するための専用環境のことです。設定しなくてもDevinは動作しますが、同じリポジトリで繰り返しタスクを依頼する場合、最初にこの環境を整えておくことで、Devinは都度環境構築をする必要がなくなり、効率的にタスクを実行できるようになります。
具体的には、プロジェクトで利用するライブラリなどの依存関係や、テスト方法を設定します。なお、この環境構築時にもAIのサポートを得ることができます。Devinに聞きながらやったら、さくさく設定してくれたので、よくわからなかったらとりあえずDevinに聞いてみるとよいと思います。
課金体系
Devinは課金の仕組みがやや複雑なので整理します。
おそらく最初に試す人の多くが使うであろうCoreプランは、デフォルトが20ドルで、その後使用量に応じて課金される仕組みです。ACU(Agent Compute Unit)という単位で課金されます。最初は10ACUもっていて、それが尽きると、新しいACUがチャージされます。レートは1ACUが2ドルです。
なお、各タスクのうちわけを見ると、わたしの場合、平均して1PRが1ACU程度でした。簡単なものだと0.5ACU、難しめの依頼(アルゴリズムの考案を頼んだりなど)で4ACU程度でした。おそらく、大規模リポジトリなどだとまた違うでしょう。
ACU返金
独特の仕組みとして、Devinを褒めると、ACUが返金されることがあります。失敗を責めても返金してくれることがあるそうですが、こちらは未見です。試しに褒めてみたところ、いきなり2CU程度返ってきました。それならと思って、成功するたびに褒めまくっていたのですが、気前がいいのは最初だけで、3回目以降は0.1ACUしか返ってこなくなりました。しかし、「よっ天才!」とか「映画化決定!」とか言いながら使っていると、何となくこちらも楽しい気分になったので良かったです(ちなみにわたしはClaude Codeを使うときも、頻繁に感謝したり褒めるようにしています)。いずれにしても、最初のうちは気前良く返してくれるので、最初の数回だけでもフィードバックを送った方がいいと思います。
感想
開発体験としては良かったです。特に並列で依頼を投げ、次々と進んでいくのを見たときは未来を感じました。しかし、どうしても高く感じてしまいますね。現状すでにClaude CodeのMaxプランにも入ってるため、「もったいないからこれはClaudeに頼もう」と出し惜しみしてしまう感覚がありました。おそらく、Teamプランなどに入って、ガンガン依頼を投げると、もっと違う感想をもつかもしれません。
まとめ
- Devinを使うときは、Organization単位で共有するのがおすすめ
- Devin's Machineは早めに設定する
- 最初の数回だけでも、Devinを褒めよう
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