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Google版Devinと噂のJulesを触ってみた所感

に公開

はじめに

Googleがこれまでベータ版として提供していたコーディングエージェント「Jules」の正式版が公開されたので、早速試してみました

Julesに興味があるけれど、「具体的にどんな感じ??」という方の参考になれば幸いです
https://jules.google/

環境構築

Julesの利用準備はとてもに簡単です。公式サイトでGoogleアカウントを使ってログインし、GitHubと連携するだけで完了します。全体でも5分程度で終わる手軽さでした
具体的な手順は下記に公式ドキュメントのリンクを置いておきますが、全体としては5分もかからないくらいです
https://jules.google/docs/

ただし2025年8月19日現在、Julesの有料プランは個人のGoogleアカウント(末尾が @gmail.com のもの)でしか利用できない点に注意が必要です。(無料プランでGoogle Workspaceアカウントが利用可能かは未確認です)
https://jules.google/docs/usage-limits/

実践

UIは下の画像のように、非常にシンプルで直感的です。基本的には、作業対象のリポジトリとブランチを指定し、プロンプトを入力すれば処理が始まります。プロンプトは日本語にも対応しています。

デイリーのタスク上限は、画面左下で確認できます。

Create Planボタンを押すと、Julesがタスクに対する実行計画を提示し、ユーザーに承認を求めてきます。ここで指示内容と計画が大きく異なる場合は、修正を指示しましょう。

なお、この承認画面から別の画面に外れていると約2分間のカウントダウンが始まり、0になると自動的に計画が承認されるため注意してください(この自動承認をオフにする設定はなさそう)

大体のタスクは数分待つと実装が完了し、画面右側でコード差分を確認することが出来ます

設定しておけばlintとかも勝手にやってくれるのは楽ですね

GitHubへの反映

実装完了後、内容に問題がなければPublish branchまたはPublish PRを選択して、GitHubにプッシュできます。

  • Publish branch: GitHub上にブランチのみが作成されます。
  • Publish PR: google-labs-jules というbotがプルリクエスト(PR)を作成します。

注意点として、PRを作成した場合、作業ブランチをmain以外に設定していても、PRのマージ先は自動的にリポジトリのデフォルトブランチ(通常は main)に設定されてしまうようです。現時点ではこの挙動を変更する方法は見つからず、ブランチ戦略によってはGitHub上で手動でマージ先を変更する必要があります。

例えば、マージ先を開発用のdevブランチにしたい場合や、CodeRabbitのような外部レビューツールを利用したい場合は、Publish branchでブランチのみを作成し、PRは手動で作成することをおすすめします。

レビュー対応

コードのレビューについてはPublish branchやPublish PRをする前にJules上でコードを確認してチェックすることが出来ますが、他の担当者やレビューツールによるレビューで修正点が見つかった場合でも、Jules上で対応可能です

Recent Tasks から該当タスクを選択し、レビューでの指摘事項をチャットで送信すれば、コードを修正してくれます。ちなみにこの時、PRのレビューコメントへのリンクを共有する方法も試しましたが、プライベートリポジトリではJulesがアクセスできないようでした。そのため、指摘コメントをコピー&ペーストするのが確実です。

この時に面白いJulesの特徴として、レビュー修正作業はデイリーのタスク上限を消費しないようです(つまりノーコストで修正してくれる)
おそらく、タスクの実行単位でカウントされており、レビュー指摘への対応は既存タスクの続きと見なされるためでは?と解釈しています

GitHub issueとの連携

Julesと連携済みのリポジトリであれば、GitHubのIssueに jules というラベルを付けるだけでタスクを依頼することも可能です。これにより、例えばGitHub Copilot ChatでIssueを作成し、その後の開発をJulesに任せる、といった連携も実現できます。

ただし、Issue経由でタスクを依頼した場合、JulesのUIから操作する際に可能なブランチ選択や実行計画の承認は行えません。また、タスク完了後は自動でPRが作成されるため、Publish branchでブランチのみを作成するといった柔軟な操作はできない点に注意が必要です。

セキュリティ的な話

AIツールを導入する際、「入力したコードがAIの学習データとして利用されないか」という点は重要な懸念事項です。
Julesの利用規約によると、プライベートリポジトリのコードは学習に使用されないと明記されていました。

https://jules.google.com/legal

また、パブリックリポジトリに関しても、下記の設定ページからデータ利用のチェックを外すことで、学習への利用をオプトアウトできます。

https://jules.google.com/settings

まとめ

UIについては直感的で、コードも裏でGemini 2.5 Proが実装している事もありそれなり
無料で使える枠だけでも試す分には十分に良かったです

まだリリースされたばかりのため、Slackなどの外部ツールとの連携やMCP対応
また自動プルリクの作成もマージ先を設定できないなどちょっと残念な部分はあるものの

今後の期待という意味では、かなりの戦力になりそうなポテンシャルがあると思えました
引き続き、アップデートを追っていきたいと思います

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