小規模プロジェクトマネジメントでやるといい9つのこと
みなさんこんにちは。株式会社ラクーンホールディングスでフルスタックエンジニアをしている川﨑です。
webエンジニアとして働いていると、マネージャー領域を目指していなかったとしても、開発要員2~3人規模のプロジェクトをマネジメントするときがあります。そんな小規模プロジェクトをマネジメントする際にやるといいことを5個共有します。
- 対象読者
- プロジェクトマネジメントが苦手な人
- プロジェクトマネジメントを初めてやることになった人
今回はアジャイルかウォーターフォールかに関係なく使えるネタを紹介しますので、参考になれば幸いです。
プロジェクト運営に関わる話
1. 毎日朝会をしよう
必要なステークホルダーを集めて、10~15分程度の朝会を必ず毎日開催しましょう。朝会を行うことで
- 進捗の遅れを早期に把握する
- プロジェクトの状況や仕様の変化をメンバー全員が短いスパンで把握できる
というプロジェクトの遂行をスムーズにするキッカケを作ることができます。
ただ、毎日なんとなく朝会をやっていても、5~15分で有意義な朝会をするのは難しいです。当事者が少ない議題を深掘りして、時間を使ってしまうといったことが起きます。また、反対に重要な事象が全く共有されずいつも1分程度で朝会が終わってしまうこともあるでしょう。つまり、時間が短すぎたり長すぎたりする朝会が多いとプロジェクトの進行に黄色信号が点っていると言えます。
また当たり前の話ですが全ての会議では議事録を残しましょう。特に会議で決まった事項はアクセスしやすい形(wikiやmiroに集約するなど)で管理すべきです。各タスクにメモ書きとして残すようなやり方だと、せっかく決まった事項を見落としてしまい、ミスコミュニケーションが発生してしまうことがあります。
2. 定期的にプロジェクトの状況を振り返ろう
毎週、もしくは隔週でプロジェクトの状況をみんなで振り返りましょう。前述した朝会が長すぎるといった問題も、この振り返りで対処するといいです。
週次の振り返りは、プロジェクトマネージャー(PM)が問題に気づくタイミングです。問題に気づかずプロジェクトを進めているとだんだん成果が出るスピートが低下していきます。
私の参加しているチームでは毎週、Keep、Problem、Try(KPT)を使った振り返りを行い、全員でプロジェクトの問題点や良かったことを確認しています。
3. オープンチャンネルでコミュニケーションを取ろう
たまにダイレクトメッセージ(DM)で重要な事項が決まってしまうと、それが決まった経緯などが共有されにくいです。そのためオープンチャンネルでコミュニケーションを取るようにしましょう。
特に新人メンバーなどはDMが来るとそのままやり取りを進めてしまいがちなので、プロジェクトメンバーにオープンチャンネルでのやり取りの重要性を強く共有しましょう。
4. ステークホルダーを特定する
プロジェクトは事業部署と開発・デザインチームだけでは完結しません。経理や法務といった部署が関係することが良くあります。
経理や法務に関連する問題は、誰に聞けば良いのかなどを明確にしてドキュメント化しましょう。また、必要であれば各部署から担当者をプロジェクトに割り当ててもらい、定例会議に参加してもらうことで問題の発生から解決までの時間を短くするようにしましょう。
5. PMの稼働率が100%にならないようにする
PMをやっているのに雑用を一挙に引き受けたり、自分の開発タスクを他の開発メンバーと同じ量割り振ってしまうのは非常に危険です。
プロジェクトは要件の見落としやシステム障害、メンバーの体調不良によって突発的なタスクが発生することがあります。こういったタスクに対してある程度柔軟に対応できるようにするために、PMの稼働率が100%にならないようにしましょう。
具体的には
- 割り振るタスクを減らす
- タスクの納期を長めに取る
- 負荷が軽めのタスクを取る
といった施策を取るといいです。
6. 他社とどういうコミュニケーションが取れるか把握する
他社のAPIやクラウドサービスを利用することがありますよね。他社システムの仕様を聞く際に、
- どの程度返信に時間がかかるか
- どの窓口に聞けばいいのか
- 専任の担当者をつけてもらえないか
といったことを把握しておくべきです。ただ「どの程度返信に時間がかかるか」に関しては分からないと思いますので、専任の担当者を割り当ててもらい、ひとまずの返信がすぐ貰える体制を取ると良いです。
担当者を割り当ててもらったとしても、返信が遅かったりすることもあるのでそういう場合は躊躇することなくメールで催促したり電話で返信の催促をすることも重要です。
プロジェクト成果物に関わる話
プロジェクトの成果物は、DB定義、機能一覧表、デザインモックなど、計画や設計を表したドキュメントになります。ここでは、プロジェクト成果物の管理に関する重要なポイントを挙げます。
7. ステークホルダーと合意形成する
プロジェクトのスコープや目標、成果物に関してステークホルダーと合意を取りましょう。これは後から「予想していた成果物と異なる」という不一致を避けるために重要です。
また合意を形成したら、かならずドキュメントを残しましょう。
8. チーム全員で成果物のレビューを行う
成果物が完成したら、チーム全員でレビューを行いましょう。デザイン、機能、品質などの異なる観点から成果物を評価することができます。これにより早期に問題を発見し修正することができます。
9. 成果物の更新を周知する
プロジェクトの成果物が更新された場合は、その変更をすぐに関連するすべてのチームメンバーに通知しましょう。古い情報に基づいて作業が進んでしまい、手戻りが発生することを防ぐために重要です。
更新情報は朝会やSlackチャンネルなどを通じて共有します。また、文書化された変更履歴を維持することで、プロジェクトの成果物の進化を追跡し、将来的な分析や振り返りに役立てることもできます。
おわりに
今回は少ない負荷で実践できそうなプロジェクトマネジメントのやるといいことを紹介してみました。
とはいえ紹介したこと以外にも、まだまだプロジェクトマネジメントにおいて考慮すべきことはたくさんあります。そこで以下の書籍などを読んでみて更に理解を深めてみると良いと思います。
自分もまだまだ経験が足りないので、またPMをやる機会があれば色々試してみてたいです!
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