⌨️
KB-613 + OASYSv10 + Japanist2003をWindows11で利用できるようにする全手順(実行キー付)
KB-613 + OASYSv10 + Japanist2003をWindows11で利用できるようにする全手順(実行キー付)
- このドキュメントはFacebook親指シフトグループに投稿したものをGoogle検索上位に上げるため、Zennに投稿し直したものです。
KB-613筐体の画像
- 実際に利用したもの
備考
- 2024-11-19作成
- 非公式
- 本ドキュメントの作成者は親指シフトのユーザではありませんが、QMK/viaを利用した「自作キーボード」や、キー・リマッパー系ソフトウェアに造詣が深く、一定のキーボード関連知識があります。
- 動作検証は親指シフト / OASYS の利用経験が20年以上あるユーザーに、OASYS v10上で各キー(実行、単語登録、前頁、次頁、センタリングなど含む)が想定通りに動くことを確認いただいています。
- ただ、現時点では親指シフトキーボード、Windows OSをインストールしたPCも所有していません。
概要
- Windows11 で OASYS v10 を親指シフト「
FUJITSU OASYS キーボード 親指シフトType(実行付)
」で利用可能にする。
環境
以下で動作確認済み
- キーボード: FUJITSU KB-613
- Windows11: 24H2 (OS Build 26100.2314)
- OASYSv10: V10.0 L10 rel.07
- Japanist 2003: V3.0 L10 rel.318(64bit)
Windows11での導入時の注意点
Windows11 で OASYS および Japanist + KB-613 を導入する場合は、以下のポイントで詰まりやすい。
主な詰まりポイント
- 今回の導入は、クリーンインストール直後のWindows 11に、KB-613をPS/2端子接続し、 OASYS v10 / Japanist 2003の導入を行った。
- それでも、初期状態では以下の問題が発生している。
- OASYS v10が起動しない
- 言語オプションの入力インプット一覧にJapanist 2003が表示されない
- Windows11でJapanist 2003を導入する場合は、64bit化と、ドライバの更新が必須
- OASYS v10 で実行キーが動作しない
- 問題1は参考ブログの記述で解決している。
- 問題2~3については、富士通サポートに問い合わせを行い、解決している。
- 問題4は独自にキーリマッパーを噛ませることで、解決している。
1. OASYS v10が起動しない
事象
- Windows11で導入した、OASYS v10が起動しない。
対策
- 関連付けの変更を行うことで、起動可能となる。
- 「手順2. OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けを行う」を参考
2. 言語オプションの入力インプット一覧にJapanist 2003が表示されない
事象
- Windows設定画面の[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]に、Japanist2003が表示されない。
対策
- 富士通Japanist公式サイトに対策が記載されているため、実施すること。
- 「手順3. Japanist 2003を[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]の入力インプット一覧に追加する」を参考
3. Windows11でJapanist 2003を導入する場合は、64bit化と、ドライバの更新が必須
事象
- Windows11でJapanist 2003を導入する場合、インストールしたばかりの状態では、Japanistが機能しない(MS-IMEの代用として設定不可能)
- また、「Aキー」で「4」が入力されるなど、文字対応がおかしい。
対策
- 「ドライバが更新されていない」「64bit化がされていない」が原因でなる。
- 富士通公式サイトからモジュールをDLし、ドライバーの更新、64bit化を実施すること。
- 「手順4. Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入」を参考
4. OASYS v10 で実行キーが動作しない
事象
- Windows11環境で、OASYS v10 + KB-613 + Japanist2003 を利用した場合は、実行キーが動作しない。
- おそらく、推測となるが、OASYS v10側で実行キーの押下処理をソフトウェア的に奪取しており、しかも、Windows 11で動くOASYSでは、奪取後のキー処理が壊れている。
対策
- OASYS v10がサポート切れのため、オフィシャルには対応不可能。
- そこで、キーリマッパー系ツール(keyhacや、Auto Hotkey)を利用する。
- キーリマッパーで、実行キーの押下で送付されるReturnキーコードを奪取し、OASYS v10に再送することで、OASYS v10による「実行キーの押下処理の奪取」を回避する。
- 本手順ではキーボード入力の置換ツール(keyhac)で実現し、動作確認済み
- 「手順5. keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)」を参考
インストール全工程
- OASYS v10 / Japanist 2003 のDVDインストール
- OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けの変更
- Japanist 2003を[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]の入力インプット一覧に追加する
- Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入)
- keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)
- 再起動して動作確認
1. OASYS v10 / Japanist 2003 のDVDインストール
- OASYS v10のインストールディスクを利用し、OASYS v10をインストールする。
2. OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けを行う
スタートメニュー > 設定 > アプリ > 既定のアプリ
-
ファイルの種類で規定値を選択する
で.oa2
,.oa3
,.oas
で検索 -
その他のアプリ
を選択 >このPCで別のアプリを探す
を選択 -
C:\program Files (x86)\OASYSV10\PBIN\OASYS.EXE
を選択
3. Japanist 2003を入力インプット一覧に追加する
- 公式ヘルプの
Windows 10の[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]からJapanist 2003の追加・削除ができないのですが…
を実施すること。 - 公式ヘルプ
(オプション)japanist2003のデフォルト化*
- スタートメニュー > 設定 > 入力 > キーボードの詳細設定 に移動
- 既定の入力方式の上書きで「japanist 2003」を選択
4. Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入)
ドライバーインストール、64bit化、修正モジュールの導入を行う
4-1. ドライバーのインストール
- Japanist公式 ダウンロードを開く
- Japanist バージョン共通(セキュリティパッチ、キーボードドライバなど) > OASYSキーボードドライバ > OASYSキーボードドライバ Windows 10, Windows 11用 (V5.0.3.0) に移動
- kbdrv_win10.exe をダウンロード
- 上記を実行すると、 Driverフォルダが展開されるので、デスクトップに移動
- デバイスマネージャを開く
- Win + R キーを押下
-
devmgmt.msc
と入力して実行
- デバイスマネージャ > キーボード > 標準PS/2キーボードを選択
- 右クリックから「ドライバーのソフトウェア更新」を選択
- 「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します」をクリック
- 「参照」をクリック
- デスクトップ >
x64\OYAYUBI\F5DNOYA.INF
を指定 - FUJITSU OASYS キーボード 親指シフトType(実行付)を選択してインストール
- 再起動が求められるため、再起動を実施
4-2. Japanist 2003の修正モジュールダウンロード
- japanist 2003の64bit化、および、ドライバーを導入するため、修正モジュールをダウンロード
- Japanist公式 ダウンロードを開く
- Japanist 2003 > U013.zip をダウンロード
- U13.zipを展開
4-3. Japanist 2003の64bit化
- 修正モジュールの導入前に、先んじてJapanist 2003の64bitを実施する。
- スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
- バージョン表記の末尾に「64bit」が存在しない場合は、以下を実行。存在する場合はステップ4-3.は終了とする。
- ダウンロードした
U013\Tools\Japanist\setup.exe
を管理者権限で実行 - インストールを実施
- 再起動が求められるため、再起動を実施
- ダウンロードした
4-4. Japanist 2003の修正モジュールインストール
- ダウンロードした
U13\Update\UPDATE_x64.exe
を管理者権限で実行 - インストールを実施
- 再起動が求められるため、再起動を実施
- スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
-
V3.0 L10 rel.318(64bit)
であること
5. Japanist 2003 の環境設定
- スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
- 画面左上「簡易表示」を押下し、「詳細表示」に変更
- 左メニュー「入力モード」に入る
- 入力モードを表示する、非活性時も表示する、表示形態「ボタン型」、大きいボタンで表示するにチェック
- 左メニュー「キーボード」に入る
- キーボード指定「OASYSキーボード(実行付き) 」を選択
6. keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)
ステップ7まで完了すれば、OASYS v10 + japanist2003 を連携した状態で利用できる。ただし、実行キーに限り、OASYS v10上で動作しない。フリーソフトのキー入力変更ツール「keyhac」を利用して対策する。
事象と対策
- Windows11 + OASYS v10 + KB-613 の組み合わせでは、OASYS v10上で実行キーが反応しない。その他のNotepad.exeや、Microsoft Edgeでは実行キーがReturnとして正しく動作する。
- おそらく、OASYS v10側で、実行キーの押下信号をソフトウェア的に奪取しながらも、奪取後のキー処理が壊れている挙動と推測される。
- 実行キーは内部的には
Return
として処理されている。 - キーコード上はEnter[改行]キー押下で発行される
Return
と、実行キー押下で発行されるReturn
は同一と思われる。 - しかし、OASYSE.exeでは何らかの処理で、ハードウェア側のEnter[改行]キーと、実行キーを区別している。
- そこで、keyhac で実行キー押下信号を、OASYS v10より先に奪取する。
- 実行キー押下時に発行される
Return
を keyhac で奪取して、keyhacからReturn
をOASYSE.exe に送付することで、OASYS v10による実行キー入力奪取を回避する。
導入方法
- keyhac公式サイトから、keyhacをダウンロードし、展開
- 展開したkeyhacフォルダを、フォルダごと
C:\Program Files
に移動 - keyhacを起動
- タスクトレイのkeyhacアイコンを右クリックして、「設定ファイルを開く」をクリック
- 以下の内容に変更して保存
import sys
import os
import datetime
import pyauto
from keyhac import *
def configure(keymap):
# Setting with program file path (Simple usage)
if 1:
keymap.editor = "notepad.exe"
if 0:
def editor(path):
shellExecute( None, "notepad.exe", '"%s"'% path, "" )
keymap.editor = editor
keymap.setFont( "MS Gothic", 12 )
keymap.setTheme("black")
# --------------------------------------------------------------------
# for OASYSE.exe
keymap_app = keymap.defineWindowKeymap("OASYSE.EXE")
# Return 入力をkeyhac側で奪取
keymap_app["Return"] = "Return"
- タスクトレイのkeyhacアイコンを右クリックして、「設定ファイルを更新」をクリック
- OASYS v10を開き、実行キーがEnter(改行)と同様に動作すればOK
keyhacの自動起動(スタートアップ)化
このままではkeyhacを起動しないと、OASYS v10で実行キーが利用できない。そこで、Windows11の起動時に、keyhacを自動起動する設定を行う。
- エクスプローラーで、
C:\Program files\keyhac
を開く - Win + R を押下し、
shell:startup
を入力して開く -
C:\Program files\keyhac
の keyhac.exe を、スタートアップフォルダに右クリックのドラッグ&ドラッグ - ショートカットを作成を選択
- できたショートカットを、右クリックして詳細を開く
- 起動時のウィンドウを「最小化」を選択
- OKで終了
9. 再起動して動作確認
- Windows11を再起動
- OASYS v10を開く
- 親指シフト入力が行えて、実行キーで改行ができればOK
参考
- japanist公式
- japanist公式PDF - 親指シフトキーボードをお使いになる方へ
- japanist2003 wiki
- WINDOWS11とOASYS 対処法その2 ※Win11でOASYSが起動しない問題の解決参考サイト
Discussion