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KB-613 + OASYSv10 + Japanist2003をWindows11で利用できるようにする全手順(実行キー付)

2024/11/22に公開

KB-613 + OASYSv10 + Japanist2003をWindows11で利用できるようにする全手順(実行キー付)

KB-613筐体の画像

  • 実際に利用したもの

備考

  • 2024-11-19作成
  • 非公式
  • 本ドキュメントの作成者は親指シフトのユーザではありませんが、QMK/viaを利用した「自作キーボード」や、キー・リマッパー系ソフトウェアに造詣が深く、一定のキーボード関連知識があります。
  • 動作検証は親指シフト / OASYS の利用経験が20年以上あるユーザーに、OASYS v10上で各キー(実行、単語登録、前頁、次頁、センタリングなど含む)が想定通りに動くことを確認いただいています。
  • ただ、現時点では親指シフトキーボード、Windows OSをインストールしたPCも所有していません。

概要

  • Windows11 で OASYS v10 を親指シフト「FUJITSU OASYS キーボード 親指シフトType(実行付)」で利用可能にする。

環境

以下で動作確認済み

  • キーボード: FUJITSU KB-613
  • Windows11: 24H2 (OS Build 26100.2314)
  • OASYSv10: V10.0 L10 rel.07
  • Japanist 2003: V3.0 L10 rel.318(64bit)

Windows11での導入時の注意点

Windows11 で OASYS および Japanist + KB-613 を導入する場合は、以下のポイントで詰まりやすい。

主な詰まりポイント

  • 今回の導入は、クリーンインストール直後のWindows 11に、KB-613をPS/2端子接続し、 OASYS v10 / Japanist 2003の導入を行った。
  • それでも、初期状態では以下の問題が発生している。
  1. OASYS v10が起動しない
  2. 言語オプションの入力インプット一覧にJapanist 2003が表示されない
  3. Windows11でJapanist 2003を導入する場合は、64bit化と、ドライバの更新が必須
  4. OASYS v10 で実行キーが動作しない
  • 問題1は参考ブログの記述で解決している。
  • 問題2~3については、富士通サポートに問い合わせを行い、解決している。
  • 問題4は独自にキーリマッパーを噛ませることで、解決している。

1. OASYS v10が起動しない

事象
  • Windows11で導入した、OASYS v10が起動しない。
対策
  • 関連付けの変更を行うことで、起動可能となる。
  • 「手順2. OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けを行う」を参考

2. 言語オプションの入力インプット一覧にJapanist 2003が表示されない

事象
  • Windows設定画面の[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]に、Japanist2003が表示されない。
対策
  • 富士通Japanist公式サイトに対策が記載されているため、実施すること。
  • 「手順3. Japanist 2003を[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]の入力インプット一覧に追加する」を参考

3. Windows11でJapanist 2003を導入する場合は、64bit化と、ドライバの更新が必須

事象
  • Windows11でJapanist 2003を導入する場合、インストールしたばかりの状態では、Japanistが機能しない(MS-IMEの代用として設定不可能)
  • また、「Aキー」で「4」が入力されるなど、文字対応がおかしい。
対策
  • 「ドライバが更新されていない」「64bit化がされていない」が原因でなる。
  • 富士通公式サイトからモジュールをDLし、ドライバーの更新、64bit化を実施すること。
  • 「手順4. Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入」を参考

4. OASYS v10 で実行キーが動作しない

事象
  • Windows11環境で、OASYS v10 + KB-613 + Japanist2003 を利用した場合は、実行キーが動作しない。
  • おそらく、推測となるが、OASYS v10側で実行キーの押下処理をソフトウェア的に奪取しており、しかも、Windows 11で動くOASYSでは、奪取後のキー処理が壊れている。
対策
  • OASYS v10がサポート切れのため、オフィシャルには対応不可能。
  • そこで、キーリマッパー系ツール(keyhacや、Auto Hotkey)を利用する。
  • キーリマッパーで、実行キーの押下で送付されるReturnキーコードを奪取し、OASYS v10に再送することで、OASYS v10による「実行キーの押下処理の奪取」を回避する。
  • 本手順ではキーボード入力の置換ツール(keyhac)で実現し、動作確認済み
  • 「手順5. keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)」を参考

インストール全工程

  1. OASYS v10 / Japanist 2003 のDVDインストール
  2. OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けの変更
  3. Japanist 2003を[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]の入力インプット一覧に追加する
  4. Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入)
  5. keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)
  6. 再起動して動作確認

1. OASYS v10 / Japanist 2003 のDVDインストール

  • OASYS v10のインストールディスクを利用し、OASYS v10をインストールする。

2. OASYS v10に対して、既定のファイルの関連付けを行う

  • スタートメニュー > 設定 > アプリ > 既定のアプリ
  • ファイルの種類で規定値を選択する.oa2, .oa3, .oas で検索
  • その他のアプリ を選択 > このPCで別のアプリを探す を選択
  • C:\program Files (x86)\OASYSV10\PBIN\OASYS.EXEを選択

3. Japanist 2003を入力インプット一覧に追加する

  • 公式ヘルプの Windows 10の[設定]-[言語]-[言語オプション]-[キーボード]からJapanist 2003の追加・削除ができないのですが… を実施すること。
  • 公式ヘルプ

(オプション)japanist2003のデフォルト化*

  • スタートメニュー > 設定 > 入力 > キーボードの詳細設定 に移動
  • 既定の入力方式の上書きで「japanist 2003」を選択

4. Japanist 2003の更新(ドライバーインストール、64bit化、修正モジュール導入)

ドライバーインストール、64bit化、修正モジュールの導入を行う

4-1. ドライバーのインストール

  • Japanist公式 ダウンロードを開く
  • Japanist バージョン共通(セキュリティパッチ、キーボードドライバなど) > OASYSキーボードドライバ > OASYSキーボードドライバ Windows 10, Windows 11用 (V5.0.3.0) に移動
  • kbdrv_win10.exe をダウンロード
  • 上記を実行すると、 Driverフォルダが展開されるので、デスクトップに移動
  • デバイスマネージャを開く
    • Win + R キーを押下
    • devmgmt.msc と入力して実行
  • デバイスマネージャ > キーボード > 標準PS/2キーボードを選択
  • 右クリックから「ドライバーのソフトウェア更新」を選択
  • 「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します」をクリック
  • 「参照」をクリック
  • デスクトップ > x64\OYAYUBI\F5DNOYA.INF を指定
  • FUJITSU OASYS キーボード 親指シフトType(実行付)を選択してインストール
  • 再起動が求められるため、再起動を実施

4-2. Japanist 2003の修正モジュールダウンロード

  • japanist 2003の64bit化、および、ドライバーを導入するため、修正モジュールをダウンロード
  • Japanist公式 ダウンロードを開く
  • Japanist 2003 > U013.zip をダウンロード
  • U13.zipを展開

4-3. Japanist 2003の64bit化

  • 修正モジュールの導入前に、先んじてJapanist 2003の64bitを実施する。
  • スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
  • バージョン表記の末尾に「64bit」が存在しない場合は、以下を実行。存在する場合はステップ4-3.は終了とする。
    • ダウンロードした U013\Tools\Japanist\setup.exe を管理者権限で実行
    • インストールを実施
    • 再起動が求められるため、再起動を実施

4-4. Japanist 2003の修正モジュールインストール

  • ダウンロードした U13\Update\UPDATE_x64.exe を管理者権限で実行
  • インストールを実施
  • 再起動が求められるため、再起動を実施
  • スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
  • V3.0 L10 rel.318(64bit) であること

5. Japanist 2003 の環境設定

  • スタートメニュー > Japanist > 動作環境 > 便利な玉手箱 を開く
  • 画面左上「簡易表示」を押下し、「詳細表示」に変更
  • 左メニュー「入力モード」に入る
  • 入力モードを表示する、非活性時も表示する、表示形態「ボタン型」、大きいボタンで表示するにチェック
  • 左メニュー「キーボード」に入る
  • キーボード指定「OASYSキーボード(実行付き) 」を選択

6. keyhacの導入(実行キーをOASYS v10 Win11環境で動作可能とする)

ステップ7まで完了すれば、OASYS v10 + japanist2003 を連携した状態で利用できる。ただし、実行キーに限り、OASYS v10上で動作しない。フリーソフトのキー入力変更ツール「keyhac」を利用して対策する。

事象と対策

  • Windows11 + OASYS v10 + KB-613 の組み合わせでは、OASYS v10上で実行キーが反応しない。その他のNotepad.exeや、Microsoft Edgeでは実行キーがReturnとして正しく動作する。
  • おそらく、OASYS v10側で、実行キーの押下信号をソフトウェア的に奪取しながらも、奪取後のキー処理が壊れている挙動と推測される。
  • 実行キーは内部的には Return として処理されている。
  • キーコード上はEnter[改行]キー押下で発行される Return と、実行キー押下で発行される Return は同一と思われる。
  • しかし、OASYSE.exeでは何らかの処理で、ハードウェア側のEnter[改行]キーと、実行キーを区別している。
  • そこで、keyhac で実行キー押下信号を、OASYS v10より先に奪取する。
  • 実行キー押下時に発行される Return を keyhac で奪取して、keyhacから Return をOASYSE.exe に送付することで、OASYS v10による実行キー入力奪取を回避する。

導入方法

  • keyhac公式サイトから、keyhacをダウンロードし、展開
  • 展開したkeyhacフォルダを、フォルダごと C:\Program Files に移動
  • keyhacを起動
  • タスクトレイのkeyhacアイコンを右クリックして、「設定ファイルを開く」をクリック
  • 以下の内容に変更して保存
import sys
import os
import datetime

import pyauto
from keyhac import *

def configure(keymap):
    # Setting with program file path (Simple usage)
    if 1:
        keymap.editor = "notepad.exe"
    if 0:
        def editor(path):
            shellExecute( None, "notepad.exe", '"%s"'% path, "" )
        keymap.editor = editor
    keymap.setFont( "MS Gothic", 12 )
    keymap.setTheme("black")
    # --------------------------------------------------------------------
    # for OASYSE.exe
    keymap_app = keymap.defineWindowKeymap("OASYSE.EXE")
    # Return 入力をkeyhac側で奪取
    keymap_app["Return"] = "Return"
  • タスクトレイのkeyhacアイコンを右クリックして、「設定ファイルを更新」をクリック
  • OASYS v10を開き、実行キーがEnter(改行)と同様に動作すればOK

keyhacの自動起動(スタートアップ)化

このままではkeyhacを起動しないと、OASYS v10で実行キーが利用できない。そこで、Windows11の起動時に、keyhacを自動起動する設定を行う。

  • エクスプローラーで、C:\Program files\keyhac を開く
  • Win + R を押下し、shell:startup を入力して開く
  • C:\Program files\keyhac の keyhac.exe を、スタートアップフォルダに右クリックのドラッグ&ドラッグ
  • ショートカットを作成を選択
  • できたショートカットを、右クリックして詳細を開く
  • 起動時のウィンドウを「最小化」を選択
  • OKで終了

9. 再起動して動作確認

  • Windows11を再起動
  • OASYS v10を開く
  • 親指シフト入力が行えて、実行キーで改行ができればOK

参考

Discussion