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ただ個人開発してもどうせ誰にも使われないので集客から始めてみた

2023/06/21に公開

自分の作ったサービスで食っていく。

僕みたいに、大した技術力もなければフォロワーも少ないような個人開発者が自分のサービスを広めるために、集客に本気で取り組んでいる過程をまとめていく。
まだ食っていくには程遠いが、想定に近い動きをできているため、ここで思考を整理しつつアプローチをシェアする。

僕が運営しているサービス

いま僕が運営している『はいしんツールキット』はライブ配信者(ゲーム実況・VTuber etc.)向けのツール集だ。
YouTubeなどでライブ配信を見る習慣がある方には馴染み深いであろう、配信画面に視聴者のコメントを表示していたり、DiscordのアイコンがPOPに表示されていたり、ライブ配信活動に便利なツールを使えるのが主な機能となる。

Zennのユーザには縁遠いサービスなのは残念だが、いつどの時間でもYouTubeやTwitchを開けば、うちのサービスを使った配信者さんを簡単に見つけられるくらいにはシェアを伸ばすことができている。(数値で出すのが難しいので感覚で申し訳ない...)

誰にも使わないなら集客から取り組む

開発を進めるうえで、とにかくたくさんの人に使われる状態を作らなければならなかった。
ただ、Twitterで散見されるような「リリースを出したらバズって人気が出る」ような不確定要素には頼れない。そもそもフォロワー少ないし。フォロワーさんはエンジニアが多く、ユーザになりえないし。

そこでバズらなくてもユーザを集めれる、継続的な「検索流入」に注力することにした。

検索流入といってもサービス単体での作りこみや、SEO対策をするのは無理がある。取得したばかりのドメインではそもそも検索画面に表示されない。Googleの検索結果に表示させたくても、そもそもアクセスのないサイトなんかが表示されるわけがないのだ。

よって結論として、よく企業が認知拡大のために行っているオウンドメディアの手法を参考にした。

メディアを同時に運営する

そこで立ち上げたのが、『ruri.info』という情報メディアだ。

「映える配信が作れるサイト」として新人VTuberやこれから配信活動を始めたい人に向けてブログメディアを作った。

(なお、このメディアは僕個人で運営しているものではない。僕の担当は戦略を決める部分と開発が必要な部分。ただここでは紛らわしいので全部自分がやったかのように記述していく)

サービスを作れば、必ず使い方の説明が必要になる。
また、便利であるほど紹介記事が書かれることも増えていくことだろう。

この2点を最初から自分のメディアでやってしまうという作戦だ。
サービス単体であれば、そのサービス自体に人気が出なければ検索流入は獲得しづらい。しかし、メディアを持っていれば開発したサービスに直接関係ない記事からでも流入を見込める。
メディアを育てるほど、開発したサービスの記事も読まれ、継続的な流入が発生する。

最初は「そんなうまくいくわけないだろう」と思っていたが、意外とそれなりな結果は出せたので、僕と同じような個人開発者にもおすすめしたい。

メディアの恩恵

ただ開発するだけでなく、集客から取り組んだことの恩恵をまとめる。

①継続的な流入を期待できる

先述している通り、メディアで記事を公開することで、記事を経由した継続的な流入を得ることができる。
人気が出なかったサービスをリリースしたことがある方には伝わりやすいかもしれないが、リリース当初はアクセス数が稼げても、時間が経つにつれて減少していき、ついにはアプデ報告をしても誰も反応してくれない...はあるあるだと思う。

しかし、サービスの紹介記事を書き、その記事がGoogleの検索上位に表示されている限り、アクセスが途絶えることはない。そこから使ってくれるかはサービスの内容次第だが、ひとまず最初の一歩を獲得し続けることができる。

具体例を示す。
下記の記事は、『はいしんツールキット』で最も人気な、配信サイトのコメント欄をカスタマイズするCSSを自動生成するツールに関する記事である。

https://www.ruri.info/?p=221

ツールの流入が最も多いのがこの記事を経由したものだ。

記事は長期的に上位表示を維持しており、流入が途絶えることはない。
残念ながらSNSで全く拡散されていないにもかかわらず、アクセス数を獲得できている。

主要なキーワードで検索1~2位をとれているのも大きな要因だ。

流入さえあれば、改善点の発見・モチベーションの維持など個人開発活動を続ける理由となるだろう。

②収益を得られる

規模の小さい個人開発であれば、収益化が難しいこともあるかと思う。
開発手法次第では、ランニングコストを限りなく少なくすることができるだろうが、サーバー代・ドメイン代など、少額だとしても発生してしまうことだろう。

今回メディアを作ったことの恩恵として、開発を続けるための資金をメディアから得られることがある。
主な収益源は、アドセンス広告とアフィリエイト収益で、具体的な額は記載しないがサービスを維持するには十分な額を得ることができている。

サービス開発の初期段階で収益が見込めないとしても、メディアからの収益があれば、サーバー代やちょっとした広告費、外部サービスのサブスク費など開発活動の足しになるだろう。

ちなみに参考程度にしてほしいのだが、ブログメディアをGoogleアドセンスの審査に通すのに個人開発とは相性が良い。アドセンスを通す方法は調べればたくさん出てくるが、最終的に必要なのは、少しばかりのアクセス数。
個人開発する→紹介記事を書く→twitterにシェアしてほんの少しでいいので流入を得る
僕はこれでアドセンスを通した。たしか10記事もなかったころだ。検証回数が1回なのであくまで参考にしてほしい。

メディアも作るデメリット

もちろん良い点ばかりではないので紹介しておく。

言うまでもないが、開発のほかに集客も進めるとなると『とにかく時間がかかる』。

開発時間のほかに、メディアでの記事制作・SEO対策(リライトなど)の時間も確保しなければならない。僕の場合はツール集であるため、開発にはそれほど時間はかかっていないこともあり、メディア(集客)に使った時間が多くを占める。(なので、メディアまわりは知人に手伝ってもらった。具体的には記事制作とかSNSとか。)

そして、メディアを作ったとしても3ヶ月くらいは全く結果が出ない。
Googleのクロールに時間を要するのと、人気や信頼のあるサイトがより上位表示される性質があるためである。

それでもメディアは作ってよかったとは思う。
例えば、集客の定番である広告を主体していたならば、資金がかかり続けることになっていたし、口コミベースにしたならば飽きられたら終わり。も考えられた。

穴場の見つけ方

では、僕のとった「開発をしながらメディアで集客」に再現性はあるのかという話をしていく。
所感が多くを占めるのであくまで参考に。

結論として、「分野を選べば再現性はあるだろう」が答えだ。

僕の場合は、ライブ配信者やVTuberをターゲットにしている。
検索ニーズとしては、「配信ソフトの使い方」や「あの配信者がやっているあの演出の作り方」など。ぶっちゃけ大金が稼げるような分野ではない。

(ここでは「大金が稼げない=アフィリエイト案件が少ない」を基準にしている)

よって、企業としてこの分野に取り組んでいることは少なく、検索で出てくる記事は個人ブログが多くを占める。
ここでSEO対策をしっかりして記事を投稿すれば、比較的簡単に上位表示が可能だ。

一方で、極端な例を示すと、投資に関する分野でサービスを作って、個人でメディアを作ったとする。たぶん無理ゲーだ。競合が強すぎる。大企業が大人数を割いて戦っている分野でするべきではない。

競合が個人メディアなど、自分が参入したとしても見劣りしないコンテンツを提供できそうならば、メディアで集客する方法は再現性があるのではないか。

付け加えると、僕ら個人開発者は、開発したサービスで収益化を狙う場合が多く、メディア単体での収益化に重きを置く必要がない場合も多いと思う。ユーザさえ獲得できれば、メディアでの収益性は二の次にできるのは僕らの強みかもしれない。

集客さえできていれば何とかなる

自分のサービスを使ってくれる人さえいれば...

  • ニーズがとりやすい
  • 使いづらい点もみつかりやすくなる
  • 「これ誰が使うんだろう」とか迷走しなくて済む
  • やる気もわく

など恩恵しかない。

いまさらだがここで伝えたいのは「集客ってやっぱ大事なんだぁ」につきる。
僕みたいにメディアを作ってみるのもよいし、SNSアカウントを育てるでもよい。広告を打ちまくるでもよい。

大規模なサービスを作る場合は当たり前のようにしているだろうが、たとえ小さな個人開発だとしても集客は必要だと改めて感じている。

だって個人開発ってニッチなサービスも多いから、ちゃんとユーザ集めないとすぐ忘れられるもの。


せっかくなので、集客シリーズとして、次回は「twitter広告」を打ってみたデータをシェアしようと思う。それほど統計的なデータは出せないが、どんな感じかあくまで参考にしてほしい。

なのでTwitterをフォローして少々お待ちを。(お友達募集中)
https://twitter.com/syou_config

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