巷で噂のSentryをRailsで使ってみた
Sentryとは
Sentryは、アプリケーションのパフォーマンス監視とエラー追跡ソフトウェアです。Sentryは、開発者がアプリケーションのエラーを修正するのに役立ちます。
Sentryは、エラーを特定、デバッグ、解決できます。また、エラーを優先順位付けして、最も多くの顧客に影響を与えているエラーを表示できます。さらに、Sentryは、パフォーマンスの問題を自動的に検出して開発者に通知することもできます。
Sentryは、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、サーバーアプリケーションなど、さまざまな種類のアプリケーションで使用できます。
by Gemini
とりあえず
エラー追跡まわりを見ていきたいと思います。
導入
# config/initializers/sentry.rb
Sentry.init do |config|
config.dsn = ENV['SENTRY_DSN']
config.enable_tracing = true
config.traces_sample_rate = 0.1
end
- dsn
- configで設定します、環境変数SENTRY_DSNを設定することが推奨されています。
- 参考: https://docs.sentry.io/platforms/ruby/configuration/options/#environment-variables
- enable_tracing
- パフォーマンス測定を使用するため、trueにしました。
- traces_sample_rate
- 1.0 を設定すると、すべてのイベントを送信することを意味します。お試しのため、0.1としました。
Sentryで用意されているエラー通知用のメソッドを仕込む
begin
1 / 0
rescue ZeroDivisionError => exception
Sentry.capture_exception(exception)
end
このようなコードです。
お試しで0除算によるエラーを発生させています。
それでは動作確認をしてみます。
SentryのIssuesに通知されていることが確認できました。
任意のタイミングで通知を出したい
Sentry.capture_message("test message")
capture_messageメソッドで通知を飛ばすことができます。
エラーレポーターにサブスクライブする
Rails 7.1 では、ErrorReporter という機能を使用できます。
1.1 エラーレポーターにサブスクライブする
エラーレポーターを利用するにはサブスクライバ(subscriber)が必要です。サブスクライバは、reportメソッドを持つ任意のオブジェクトのことです。アプリケーションでエラーが発生したり、手動で通知されたりすると、Railsのエラーレポーターはエラーオブジェクトといくつかのオプションを使ってこのメソッドを呼び出します。
SentryやHoneybadgerなどのように、自動的にサブスクライバを登録してくれるエラー通知ライブラリもあります。詳しくはプロバイダのドキュメントを参照してください。
ふむ・・・なるほど、ということでRailsガイドのリンクからsentry-rubyのソースコードを見てみます。
すでにsentry-rubyでエラーレポーターが定義されていました。
config.rails.register_error_subscriber = true
を設定するだけで、エラーレポーターにサブスクライブできるらしいので、
Rails.error.handle(NameError) do
do_something
end
テストで上記のようなコードを仕込みました。
エラーがSentryに通知されました。
Rails.error.handleをおさらい
Rails.error.handle(NameError) do
do_something
end
先ほど登場したこのコードの引数NameErrorを無くすとどうなるでしょうか。
Railsのコードを覗いてみます。
StandardError がデフォルトで設定されるため、すべてのエラーをキャッチして、通知を出してくれるような実装になっているようです。
ちなみにRailsガイドにも書いてありますが、
1.2.1 エラーを通知して握りつぶす
Rails.error.handle は、ブロック内で発生したエラーを通知してから、そのエラーを握りつぶします。ブロックの外の残りのコードは通常通り続行されます。
エラーは握り潰されるので、スルーされたくない処理には使用しない、または一工夫する必要がありそうです。
Rails.error.handleの戻り値
user = Rails.error.handle(fallback: -> { User.anonymous }) do
User.find_by(params[:id])
end
Rails.error.handleは戻り値を受け取ることができ、例外が発生した場合の値も設定できます。
Rails.error.record
似たようなメソッドでRails.error.recordがあります。
例外を握り潰さず、raiseするようになっています。
Rails.error.report
begin
# code
rescue StandardError => e
Rails.error.report(e)
end
Rails.error.reportを呼び出して手動でエラーを通知することも可能です。