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第1回:GPTを構造知能に変えるテンプレ導入
はじめに
ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)を、単なるチャットツールではなく、構造的な処理エンジンとして運用できるようにするために設計されたのが SynTeam Framework です。
この記事では、GPTを活用する際に「責任ある構造」「可視化可能な処理フロー」「テンプレートによる再利用性」を実現するSynTeam Frameworkの設計思想と構成要素を紹介します。
SynTeam Framework とは?
SynTeamは以下の3点を軸に設計された構造知能テンプレートフレームワークです:
- 🧩 Unit構造:処理単位ごとの責任を明確化(入力・出力の定義)
- 🔁 Taskフロー:step構文で進行する処理順序の管理
- 🔀 Operator構文:Unit間の変数受け渡しを構文化・可視化
これらをJSONテンプレートとして構成し、ChatGPTへ貼るだけで「step1」「step2」などの命令でGPTが一貫処理を実行できるようになります。
なぜ作ったか?
LLMは自由記載に強い反面、次のような問題がありました:
- プロンプトの一貫性が低く、毎回微妙なズレが出る
- ユーザーの意図が処理構造に明示されない
- 複数処理を連携させると管理が困難になる
これを解決するために、責任・流れ・状態をすべて構文化し、GPTがその枠組みに沿って動くようにしたのがSynTeam Frameworkです。
以下は、GPTの処理構造をJSONで定義した例です
実際のテンプ構造例
<details>
<summary>テンプ構文(クリックで展開)</summary>
{
"mode": "linked_unit_mode",
"units": [
{"name": "TextInputUnit", "inputs": ["raw_text"], "outputs": ["text_v1"]},
{"name": "TextTranslateUnit", "inputs": ["text_v1"], "outputs": ["text_v2"]},
{"name": "TextSummarizeUnit", "inputs": ["text_v2", "max_length"], "outputs": ["summary_text"]}
],
"tasks": [
{"step": 1, "unit": "TextInputUnit", "fields": {"raw_text": "これはテストです。"}},
{"step": 2, "unit": "TextTranslateUnit", "input_from": "TextInputUnit"},
{"step": 3, "unit": "TextSummarizeUnit", "input_from": "TextTranslateUnit", "fields": {"max_length": 20}}
]
}
</details>
活用例(実務シナリオ)
- 📧 問い合わせメール → 敬語整形 → 要約 → テンプレ返信出力
- 📝 議事録 → 要点抽出 → 抽出項目をToDo化
- 📊 商品レビュー → 感情分類 → グラフ用整形
- 📄 提案依頼書 → 要件分類 → 対応表出力
- 🧩 手順メモ → ステップ分解 → 繰り返し使える指示テンプレに変換
- 🗂️ よく使う処理や説明 → GPTで簡単に再利用できるよう整理
今後の展開(構想中)
- GUI操作でテンプ作成・保存・実行(ノーコードUI)
- 状態保存・Undo・ログ機能の組み込み
- ChatGPT拡張機能やVSCode連携
終わりに
SynTeam Frameworkは、「構造化されたGPT実行環境」を目指した設計思想であり、単なるプロンプトでは実現できない責任管理や再利用性を提供します。
技術的なテンプ構文と、思想的なマニフェストは以下のリポジトリで整理中です(または今後公開予定)。
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