TROCCO®でAccount Engagement(旧Pardot)のデータを転送する際の注意点
本記事は、TROCCO® Advent Calendar 2024 の 1 日目の記事です。
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1. はじめに
Salesforceの製品群には、Marketing Cloud Account Engagement (旧 Pardot)という、はB2Bに特化したマーケティングオートメーション (MA)製品があります。
CRMであるSalesforce Sales Cloud/Service Cloudとネイティブに連携することで、一気通貫で管理ができるという利点があります。
今回は、Account EngagementのデータをTROCCOを使ってDWHに格納する際の注意点と、実際に活用する際に便利な各データの関係図について記載します。
※Account Engagement自体の説明については省きます。
2. 接続情報の設定
まずは、Account Engagementの情報をTROCCO®に登録をします。
基本的にはTROCCO公式のヘルプページを確認いただければ問題なく接続できるはずです。
ただし、2点ほど、私がハマってしまった部分がありますので、どなたかが迷われないように記載しておきます。
3. 接続情報の注意点
3.1 個人のセキュリティトークン
1点目は、個人のセキュリティトークンです。
外部とのアクセスをする場合、Salesforceではセキュリティトークンをパスワードに含める必要がある場合があります。
設定方法は下記です。[1]
- 個人設定から、
クイック検索
ボックスに「リセット」と入力し、私のセキュリティトークンのリセット
を選択 -
セキュリティトークンのリセット
をクリック - Salesforce 個人設定のメールアドレスに新しいセキュリティトークンがメールで送信される
- TROCCO®の接続設定のパスワードの後ろに追加
3.2 ビジネスユニットID
2点目は、ビジネスユニットIDについてです。
こちらは、ヘルプページにもわかりやすく記載されていて、迷う方はいらっしゃらないとは思います。
(primeNumberさん、いつもFBを迅速にご繁栄いただき感謝です!!)
私の勘違いは、ビジネスユニットIDが、Account Engagement設定にある数字6桁のビジネスユニットIDものと考えていたことです。
- https:// <組織のドメイン> .lightning.force.com/lightning/page/pardot/account
今回必要なIDは「設定 > ビジネスユニット設定」にある英数字18桁のビジネスユニットIDです。
- https:// <組織のドメイン> .lightning.force.com/lightning/setup/PardotAccountSetup/home
前者は、もともとはアカウントIDと呼ばれていたもので、B2BMAを設定するときに使用されるAccount Engagementインスタンスの一意の識別子であり、現在では、サポートチケットをオープンするときに利用します。
後者は、今回のTROCCO®やZoom連携など、APIに使用する際に利用します。[2]
4. 転送設定
接続設定が完了したら、早速データを転送すると思います。
その際にも1つ注意点があります。
TROCCO®で転送できるAccount Engagementのオブジェクトは、下記の4点です。
- 訪問者アクティビティ(Visitor Activity)
- リストメール統計情報(Email Stats)
- 見込み客情報(Prospect)
- 訪問者情報(Visitor)
そして、それぞれの関係は下記のようになっています。
筆者作成
訪問者アクティビティはイベント種別ごとにログがたまっていくファクトテーブルです。
そして、見込み客情報(Prospect) と訪問者情報(Visitor) がそれぞれユーザーの情報となり、そこをディメンションとして分析を実施することが可能です。
特に、見込み客情報(Prospect) はSalesforceのCRMの重要なオブジェクトである取引先、および取引先責任者と接続が可能なため、様々な分析を実現することが可能となる重要なテーブルです。
5. 転送設定の注意点
5.1 初回転送 =「作成日」、二回目以降 = 「最終編集日」
TROCCO®の転送設定では、Salesforceの作成日
と最終編集日
のどちらかを条件にして転送するデータ範囲を決めます。詳細はヘルプページをご確認ください。
実際の設定画面
Salesforceでは、レコードが作成されると「作成日
=最終編集日
」として保存されます。そのため、最終編集日
が最も古い時間で設定すれば、過去の全データが送付できると考える人もいると思います(私はそうでした)。
ですが、初回実行で過去データを転送する場合、最終編集日ではなく、作成日で転送しないと全データを転送することはできません。
そのため、初回実行は作成日
を軸に、Account Engagementに利用を開始した日をベースに転送し、二回目以降は、作成日
を基準に転送すると最新のデータが更新されないため、最終更新日
が任意のデータ範囲のものについてを転送するように設定すると良いでしょう。
- 初回は「作成日」で、Account Engagementの利用を開始した日を軸に転送
- 二回目以降、最新データを転送する定期実行の場合は「編集日」で転送
6. おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は、Account Engagementの転送設定に関しての注意点をご紹介しました。
少しでも、皆さまの力になれましたら幸いです。
-
Salesforce ヘルプ「セキュリティトークンのリセット」 ↩︎
-
Salesforce ヘルプ「Account Engagement ビジネスユニット ID の検索」 ↩︎
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