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普及版LoRaゲートウェイDRAGINO LPS8の使い方

6 min read

8チャンネルのLoRaWANゲートウェイDRAGINO LPS8の使い方をまとめました。LoRaWANのサービスとして、コミュニティベースのLoRaWANネットワークとしては世界最大級のTHE THINGS NETWORKを使います。なお、本記事は日本国内でゲートウェイを運用する事を想定して書いています。

LPS8とは

LPS8 (LoRa Pico Station)は、Semtech社のゲートウェイチップ(SX1308)と2つのトランシーバー(SX1257)を搭載した、LoRaWANのゲートウェイです

入手方法

日本国内で使用可能な技適取得済のデバイスは DRAGINOダイレクトショップ で販売しています。ここならば個人でも1台から購入可能です

ここのショップはTHE THINGS NETWORKの日本コミュニティを運営されている方が開いています。購入するのに悩んでしまう価格に感じる方もいるかもしれませんが、月額の通信費用は一切かかりませんし、コミュニティー運営のための支援だと思えば出せる金額でしょう。

日本国内向けの確認

海外のショップなどから入手した場合は日本の周波数帯に対応していない場合がありますのでご注意ください。日本国内向けであれば底面のラベルで915/920/923の所に印が付けられ、技適マークが印字されています

底面ラベル

設定画面にアクセス

LPS8の設定はPCからWebブラウザを使って変更します。

Wi-Fiからアクセスする

PCのWi-Fi設定から dragino- で始まるアクセスポイントに繋ぎます。dragino- 以降の文字は英数字が続きますが、機器ごとに異なります

アクセスポイントのパスワードは dragino+dragino です

Wi-Fiの接続ができたら、Webブラウザを開き http://10.130.1.1/ にアクセスします

認証画面はユーザー名 root で、パスワード dragino でログインします

設定画面が表示されます

設定画面にアクセスできなくなった場合

1回の設定で上手くいけば良いですが、ネットワークの設定を間違えたなどで設定画面にアクセスできなかった場合の事を考えて、救出方法を紹介します

有線LANを使ってフォールバックのIPアドレスから設定画面に入ります。PCのLAN端子とLPS8のWAN端子をLANケーブルで繋いでPCのネットワークを次のように設定します

設定項目
IPv4の設定 手入力
IPアドレス 172.31.255.253
サブネットマスク 255.255.255.252
それ以外の項目 空白

Wi-Fiが有効である場合は無効にします

Webブラウザで http://172.31.255.254:8000 を開くと、設定画面が表示されます。LPS8のファームウェアが古い場合は :8000 を外さないと開けないかもしれません

LAN(Network)の設定

LPS8からインターネットに繋げるため、有線LAN(またはWi-Fi)の設定について紹介します。

有線LANの設定

DHCPによる自動設定であればLPS8のWAN端子にLANケーブルを繋ぐだけで完了します。IPアドレスを固定にしたい場合は設定画面の Network > Network の画面を開いて WAN Settings を変更します

Network設定画面

Wi-Fiの設定

LPS8は2.4GHz帯のWi-Fiアクセスポイントに対応しています

設定画面の Network > WiFi を開きます

  1. Enable WiFi WAN Client にチェックを入れます
  2. WiFi WAN Client Settings の項目で WiFi Survey から接続したいアクセスポイントを選ぶか、 Host WiFi SSID にアクセスポイントの名前を入れます
  3. Passphrase にアクセスポイントのパスワードを入れます
  4. Encryption を選びます。大体は WPA2 で良いと思います

Save&Apply をクリックします。Wi-Fiの接続が確立すると WiFi status: OK の表示が出ます

IPアドレスを固定にしたい場合は設定画面の Network > Network の画面を開いて WiFi WAN Settings を変更します

Network設定画面

初期状態では DHCP になっています。 Static に切り替えるIPアドレス等の欄が表示されて任意の値を設定することができます

入力を終えたら Save&Apply をクリックします

ネットワーク設定変更後の設定画面のアクセス

ネットワークの設定を変えたら、それ以降は変更したIPアドレスをブラウザに入れて設定画面を開くようになります。LPS8に設定されたIPアドレスの確認手順は、設定画面のHomeでWiFiまたはEthにカーソルを合わせた時に左下に表示されます。 IP Addr の値がLPS8に設定されたIPアドレスです

上記の表示の場合は 192.168.0.252 がIPアドレスなので、 http://192.168.0.252:3000 にアクセスすると設定画面が開けます

設定後にAccess Point Settingsを無効にする

ネットワークの設定が完了したら、第三者からの予期しない設定の変更を防ぐためにLPS8のアクセスポイント(最初に接続した dragino- で始まる名前のアクセスポイント)を無効にする事を推奨します

LPS8の設定画面のホーム画面で WiFi AP をクリックします

Enable WiFi Access Point のチェックボックスを外して Save&Apply をクリックします

再度ホーム画面を表示した時にWiFi APのアイコンが灰色になってます

LoRaWANの設定

LoRaWANの設定については、接続するサービスによって変わってきますのでここでは設定のポイントのみ紹介します。THE THINGS NETWORKについては、記事作成時が画面が切り替わりが多く、情報が不確定なタイミングになっているため改めて別の記事にまとめようと思います

設定のポイント

  • 日本国内ではLoRaの周波数帯は AS923-1920MHz〜923MHz帯 です
    • LoRaWANのサーバーもその周波数帯に合わせた所を選びます
  • 設定画面に表示されているGateway IDをLoRaWANサービス側のGATEWAYの設定画面に入力します
    • Gateway IDはLoRaWANネットワークの中でユニークな値で、ゲートウェイ機器各々固有に割り当てられる、LANにおけるMACアドレスのような物です
  • LPS8は Semtech UDP というプロトコルでLoRaWANサーバーに通信します
    • LoRaWANサービスのゲートウェイ設定画面で using the legacy packet forwarder というような項目があれば選択するようにします

ファームウェアの更新

ファームウェアはこちらから入手できます

lgw--build で始まるディレクトリから syssquashfs の名前が含まれるファイルをダウンロードします。他にも openvpn という名前を含んだVPN接続用のソフトウェアを加えたイメージファイルもありますが、通常のネットワーク環境では不要だと思います。分かる方だけ選べば良いでしょう

System > Firmware Upgrade をクリックして Firmware Update の画面を開きます

ファイルの選択からダウンロードしたファームウェアのイメージファイルを指定して、 Upload をクリックします

Proceed をクリックするとアップデートが開始されます。しばらくお待ちください

完了後、設定画面を開き直してLoRaWANやNetworkなどの設定が保持されていることと、ゲートウェイの稼働状態が問題ないことを確認します。稀に設定が消えてしまう場合があるようです

設定画面が開けなくなった場合は、上記の「設定画面にアクセスできなくなった場合」のやり方で設定画面を開いてみて、それでも開けなければ以下の手順で再度ファームウェアを入れ直してください

ファームウェアの更新に失敗して起動しなくなった場合

ファームウェア復旧用のモードに切り替えてファームウェア更新の画面を表示させます。

更新画面を開くには有線LAN経由で繋ぎます。PCのLAN端子とLPS8のWAN端子をLANケーブルで繋いでPCのネットワークを次のように設定します

設定項目
IPv4の設定 手入力
IPアドレス 192.168.255.10
サブネットマスク 255.255.255.0
それ以外の項目 空白

Wi-Fiが有効である場合は無効にします

Toggle スイッチを押しながらLPS8の電源を入れます。(全てのLEDが1回素早く点滅します)

Webブラウザで http://192.168.255.1 にアクセスするとファームウェア更新画面が表示されます

表示された画面で squashfs-sysupgrade の名前が含まれるファームウェアのファイルを選択して、 Upgrade firmware をクリックするとファームウェアの書き換えが行われます