Raspberry Pi Lite OS の初期設定
Raspberry Pi 5 に Raspberry Pi Lite OS をインストールしてサーバーとして運用します。
OSを最新に更新
パッケージリストの更新
最初に、利用可能な最新のパッケージのリストをインターネット上のリポジトリから取得し、ローカルのデータベースを更新します。
sudo apt update
パッケージのアップグレード
次に、リストに基づいて、現在インストールされているすべてのパッケージを最新バージョンにアップグレードします。
sudo apt upgrade
ファイヤウォール設定
ufw (Uncomplicated Firewall) インストールして設定します。
ufwはiptablesやnftablesのフロントエンドで、シンプルで直感的なコマンドでファイアウォールを設定できます。
個人利用やサーバー用途で、推奨されるファイアウォール設定ツールです。
# インストール
sudo apt install ufw
# 明示的に許可した通信以外をすべて拒否
sudo ufw default deny incoming
sudo ufw default allow outgoing
# SSH接続の許可(必須)
sudo ufw allow ssh # またはポート番号で指定: sudo ufw allow 22/tcp
# HTTP/HTTPS接続の許可(WEBサーバとして運用する場合)
sudo ufw allow http # またはポート番号で指定: sudo ufw allow 80/tcp
sudo ufw allow https # またはポート番号で指定: sudo ufw allow 443/tcp
# ファイアウォールを有効化
sudo ufw enable
# ステータスの確認
sudo ufw status
ネットワーク設定
Wi-Fi確認と設定
周囲のWi-Fiデバイス確認
周囲のWi-Fiデバイスをスキャンし、SSID、強度、セキュリティなどの情報を含む一覧を表示します。
nmcli dev wifi list
WIFI接続を登録
Raspberry Pi Imagerで事前設定
まだOSを書き込んでいない場合は、初回のOS書き込み時にWi-Fi設定を埋め込むのが最も簡単です。
PCでRaspberry Pi Imagerを起動し、OS(Raspberry Pi OS Lite)とストレージを選択します。
書き込みを行う前に、画面右下の 歯車アイコン(⚙️) をクリックして設定画面を開きます。
「Wi-Fiを設定する」にチェックを入れ、SSIDとパスワードを入力します。
「ロケール設定をする」 で国設定も行います。
設定を保存してOSを書き込み、Raspberry Piに挿入して起動すれば、自動的にWi-Fiに接続されます。
事後設定、又は複数のWi-Fi設定を登録
NetworkManagerの設定ファイルを直接編集します。
NetworkManagerの設定ファイルは、以下のディレクトリにあります。
/etc/NetworkManager/system-connections/
設定ファイルの例 ([設定名].nmconnection)
sudo nano /etc/NetworkManager/system-connections/自宅Wi-Fi.nmconnection のように、
ファイル名(ID)を決めてファイルを作成します。
編集が終わったら、Ctrl+Oで保存し、Ctrl+Xで終了します。
[connection]
id=自宅Wi-Fi
uuid=(任意のUUID)
type=wifi
autoconnect=true
[wifi]
ssid=自宅のWi-Fi名
mode=infrastructure
[wifi-security]
key-mgmt=wpa-psk
# pskに平文のパスワードを設定することも可能だが、
# セキュリティ上の理由から、手動でハッシュ値に変換して記述することをおすすめする。
# ハッシュ値変換コマンド:
# wpa_passphrase "SSID名" "自宅のパスワード"
psk=自宅のパスワード
[ipv4]
method=auto
[ipv6]
addr-gen-mode=default
method=auto
[connection-priority]
# 優先度を設定できます(数値が高いほど優先)
# 優先度は、ファイル名ではなく、このセクションで設定します。
priority=100
設定を反映させるには、NetworkManagerを再起動します。
sudo systemctl restart NetworkManager
登録済の接続名を確認
nmcli dev wifi list
登録済Wi-Fi接続名を指定して接続
# SSIDではなく、接続設定に付けられた名前を指定
sudo nmcli con up "接続したいWi-Fiの名前"
各種システム設定
raspi-config は、グラフィカルインターフェース(GUI)がない Lite OS環境で、
システム設定を簡単に行うための対話型メニューツールです。
sudo raspi-config コマンドで起動すると、以下の主要なメニューが表示されます。
- System Options(システム設定):システムの基本的な設定を行います。
- Display Options(ディスプレイ設定):モニターや画面の出力に関する設定を行います。
- Interface Options(インターフェース設定):ハードウェアコンポーネントや通信プロトコルの有効/無効を設定します。
- Performance Options(パフォーマンス設定):システムの動作速度やリソース配分に関する設定を行います。
- Localisation Options(地域設定):時間、言語、キーボードレイアウトなどの地域ごとの設定を行います。
sudo raspi-config
Discussion