論文要約: Computer vision tasks for intelligent aerospace perception: ...
2025年はいよいよAgentic AI登場という感じで、存在価値の不安に日々押しつぶされております。人間の要約なんて意味あんのか、と思いつつ、執筆過程そのものを楽しむという線でやっていきます。
さて、2024年7月にarxivに公開されていた、宇宙x認識のサーベイ論文です。
既存のOn-Orbit Service(OOS)に関するDeep Learning(DL)ベースの手法についてよくまとまっています。早速見ていきましょう
論文: Link
Computer vision tasks for intelligent aerospace perception: An overview
本論文のスコープ
タイトルにある通り本論文のスコープはまず、宇宙かつ認識です。しかし実際にはIntroduction, Preliminariesにおいて、さらにスコープを以下のように絞り込んでいます。
- 軌道上の観測
一口に宇宙の認識といっても、軌道上での観測を用いるものと地上観測を用いるものがあります。地上観測は大気や地理的な影響を受けるという短所を理由に、本論文では軌道上の観測にフォーカスします。 - 3つの認識タスク: 姿勢推定・3D再構築・識別
OOSにおける意思決定や制御に重要なタスクとして姿勢推定・3D再構築・識別の3つをあげ、以降はこれらにフォーカスします。 - センサー: LiDAR・可視光カメラ
上記のセンサー以外には赤外カメラやLaser Range Finder(LRF)・ミリ波レーダがOOSに使用されるセンサーとしてあげられています。しかし赤外カメラは解像度に限界があること、LRFとミリ波レーダでは姿勢情報がえられないことを理由にスコープアウトしています。
本論文では従来的なルールベースとDLベースの手法の双方が議論されます。しかし、明確に主眼は後者にあります。DLベースの手法を議論するための土台として、従来手法が示される形です。
本論文は以下のように構成されます。
1章: イントロ
2章: 前提知識。従来の宇宙プログラムの内容、センサー、従来手法について
3章: DLベースの姿勢推定
4章: DLベースの3D再構築
5章: DLベースの識別
6章: 限界と将来の研究について
ターゲットへのランデブーイメージ
本論文では議論するタスクたち
On-Orbit Serviceはこんなことに使われる
前提知識・従来手法
従来の宇宙プログラムとして表の6つが挙げられています。LiDARを使ったものはありません
。これが先行事例がないことを意味するのか、あるいは可視光カメラに寄った本論文の恣意的な選定なのかは定かではないです。
従来の宇宙プログラム
前述の通り、本論文ではLiDARと可視光カメラにフォーカスします。本論文はそれを更に分類することで見通しを良くしています。
- LiDAR
- Scanning LiDAR: 1点ずつスキャンしていく
- Array LiDAR: 全点一気に取得する
- Flash LiDAR
- ToF LiDAR
- Visible Camera
- Stereo Vision
- Monocular Vision
それぞれのPro / Conざっくりまとめると以下のようになります。結論としては組み合わせないとダメだよね、のようです。
Pro | Con | |
---|---|---|
LiDAR | 照明環境の影響を受けない | 解像度、コスト、電力、質量 |
Stereo | 高精度 | 計算負荷、距離域 |
Monocular | シンプルさ、電力、計算負荷 | 原理的に深度が得られない |
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