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Anthropic Computer Use Demo JP: Claude 3.5 Sonnetのコンピューター使用機能を体験しよう

2024/10/24に公開

はじめに

Anthropicが提供するClaude 3.5 Sonnetの革新的な機能の1つである「Computer Use」を簡単に試せるデモ環境が公開されました。本記事では、この日本語版デモ環境「Anthropic Computer Use Demo JP」の概要と設定方法についてご紹介します。

Computer Use機能とは

Computer Use機能は、Claude 3.5 Sonnetが実際のコンピューター環境を操作できるようにする画期的な機能です。ただし、現在はベータ版であり、以下のような点に注意が必要です:

  • 標準的なAPIやチャットインターフェースとは異なるリスクが存在
  • 特にインターネットとの対話時にはリスクが増加
  • セキュリティ対策が重要

主な特徴

デモ環境には以下の要素が含まれています:

  1. 必要な依存関係を含むDockerコンテナ
  2. Claude 3.5 Sonnetモデルへのアクセス方法(複数のAPI対応)
    • Anthropic API
    • AWS Bedrock
    • Google Cloud Vertex AI
  3. Anthropic定義のComputer Useツール
  4. 操作用Streamlitアプリケーション

セットアップ方法 (Linux)

必要な環境

  • Docker
  • Python 3.12以下
  • 各種APIキーまたは認証情報

Anthropic APIを使用する場合

export ANTHROPIC_API_KEY=<your_api_key>
docker run \
    -e ANTHROPIC_API_KEY=$ANTHROPIC_API_KEY \
    -v $HOME/.anthropic:/home/computeruse/.anthropic \
    -p 5900:5900 \
    -p 8501:8501 \
    -p 6080:6080 \
    -p 8080:8080 \
    -it ghcr.io/anthropics/anthropic-quickstarts:computer-use-demo-latest

デモ環境へのアクセス

コンテナ起動後、以下のURLでアクセス可能です:

セットアップ方法 (Windows)

必要な環境

  • Docker Desktop for Windows
  • Python 3.12以下
  • PowerShell
  • 各種APIキーまたは認証情報

Windows環境でのセットアップ

PowerShellでの環境構築

setup.ps1を使用して開発環境をセットアップできます:

# PowerShellを管理者として実行
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
# setup.ps1を実行
.\setup.ps1

setup.ps1の内容:

# Pythonバージョンの確認
$pythonVersion = & python --version 2>&1
$pythonMinorVersion = [int]($pythonVersion -split '\.')[1]

if ($pythonMinorVersion -gt 12) {
    Write-Host "Python 3.$pythonMinorVersion が検出されました。setup.ps1の実行にはPython 3.12以下が必要です。"
    Write-Host "複数のPythonバージョンがインストールされている場合は、setup.ps1を編集して特定のバージョンを指定できます:"
    Write-Host "'python -m venv .venv' -> 'py -3.12 -m venv .venv'"
    exit 1
}

# Cargoの確認
if (-not (Get-Command cargo -ErrorAction SilentlyContinue)) {
    Write-Host "Cargo(Rustのパッケージマネージャー)が見つかりません。このモジュールの依存関係に必要です。"
    Write-Host "https://www.rust-lang.org/tools/install から入手できます。"
    exit 1
}

# 仮想環境の作成と有効化
python -m venv .venv
& .\.venv\Scripts\Activate.ps1

# pipのアップグレードと依存関係のインストール
python -m pip install --upgrade pip
pip install -r dev-requirements.txt
pre-commit install

PowerShellでのAnthropicAPI使用例

# APIキーの設定
$env:ANTHROPIC_API_KEY="your_api_key"

# Dockerコンテナの起動
docker run `
    -e ANTHROPIC_API_KEY=$env:ANTHROPIC_API_KEY `
    -v ${HOME}/.anthropic:/home/computeruse/.anthropic `
    -p 5900:5900 `
    -p 8501:8501 `
    -p 6080:6080 `
    -p 8080:8080 `
    -it ghcr.io/anthropics/anthropic-quickstarts:computer-use-demo-latest

PowerShellでのAWS Bedrock使用例

# AWS認証情報の設定
$env:AWS_PROFILE="your_aws_profile"
$env:AWS_REGION="us-west-2"

# Dockerコンテナの起動
docker run `
    -e API_PROVIDER=bedrock `
    -e AWS_PROFILE=$env:AWS_PROFILE `
    -e AWS_REGION=$env:AWS_REGION `
    -v ${HOME}/.aws/credentials:/home/computeruse/.aws/credentials `
    -v ${HOME}/.anthropic:/home/computeruse/.anthropic `
    -p 5900:5900 `
    -p 8501:8501 `
    -p 6080:6080 `
    -p 8080:8080 `
    -it ghcr.io/anthropics/anthropic-quickstarts:computer-use-demo-latest

PowerShellでの画面サイズカスタマイズ例

docker run `
    -e ANTHROPIC_API_KEY=$env:ANTHROPIC_API_KEY `
    -v ${HOME}/.anthropic:/home/computeruse/.anthropic `
    -p 5900:5900 `
    -p 8501:8501 `
    -p 6080:6080 `
    -p 8080:8080 `
    -e WIDTH=1920 `
    -e HEIGHT=1080 `
    -it ghcr.io/anthropics/anthropic-quickstarts:computer-use-demo-latest

Windows環境での注意点

  1. パスの指定

    • Windowsのパス区切り文字(\)ではなく、フォワードスラッシュ(/)を使用します
    • ホームディレクトリは${HOME}で指定します
  2. PowerShellでの環境変数

    • $env:プレフィックスを使用して環境変数を設定します
    • バッククォート`を使用して複数行のコマンドを記述します
  3. Docker Desktop

    • WSL2バックエンドが推奨されます
    • 必要なポートが他のアプリケーションで使用されていないことを確認してください

カスタマイズ

画面サイズの設定

環境変数でカスタマイズ可能です:

docker run \
    # ... 他のオプション ... \
    -e WIDTH=1920 \
    -e HEIGHT=1080 \
    -it ghcr.io/anthropics/anthropic-quickstarts:computer-use-demo-latest

セキュリティ対策の推奨事項

  1. 最小権限の原則に基づく専用の仮想環境の使用
  2. 機密データへのアクセス制限
  3. 許可されたドメインのみへのインターネットアクセス制限
  4. 重要な操作における人間による確認プロセスの実装

開発者向け情報

開発環境のセットアップには以下のコマンドを使用します:

./setup.sh  # venvのセットアップと依存関係のインストール
docker build . -t computer-use-demo:local  # ローカルビルド用

注意事項

  • ベータ版のため、APIは予告なく変更される可能性があります
  • 画像のリサイズに関する制限があるため、適切な解像度設定が重要です
  • プロンプトインジェクションなどのリスクに注意が必要です

フィードバック

モデルの応答品質、API、またはドキュメントについてのフィードバックは、Anthropicの公式フォームから送信できます。

まとめ

Anthropic Computer Use Demo JPは、Claude 3.5 Sonnetの革新的なComputer Use機能を安全に試験できる環境を提供します。適切なセキュリティ対策を講じた上で、AIとコンピューター操作の新しい可能性を探求してみましょう。

なお、この機能はまだベータ版であり、本番環境での使用には十分な検討と対策が必要です。今後のアップデートにも注目が集まります。

日本語版リポジトリ

https://github.com/Sunwood-ai-labs/computer-use-demo-jp

原点

https://github.com/anthropics/anthropic-quickstarts/tree/main/computer-use-demo

<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

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