PHPの開始
PHP 概要
ウェブシステム(web system)
私たちが毎日使用しているインターネットを構成するシステムをウェブシステム(web system)といいます。
このようなウェブシステムは、次の図のようにクライアントとサーバーで構成されています。
サーバー インターネット クライアント
サーバー(server)とは、簡単に言えばウェブサービスを提供するコンピューターのことです。
クライアント(client)とは、サーバーが提供するウェブサービスを利用するユーザーまたはユーザーの機器(ブラウザ)を意味します。
クライアントサイド(client-side)とサーバーサイド(server-side)は、ウェブシステムにおいて処理がクライアント側またはサーバー側で行われるかによって以下のように区分されます。
- クライアントサイド(client-side)
- サーバーサイド(server-side)
クライアントサイド(client-side)は、クライアント側で行われる処理を指します。
ウェブシステムでは、サーバーから受信したHTMLドキュメントをブラウザが解釈して画面に表示します。
クライアントサイドでは、よく使用されるスクリプト言語としてJavaScript(ジャバスクリプト)があります。
サーバーサイド(server-side)は、サーバー側で行われる処理を指します。
ブラウザが要求したHTMLドキュメントにサーバーサイドスクリプト言語のコードが含まれている場合、サーバーはそれを自身で処理し、その結果をブラウザに送信します。
サーバーサイドでよく使用されるスクリプト言語としては、PHP(ピーエイチピー)があります。
PHPの紹介
PHP(PHP: Hypertext Preprocessor)
PHPは、C言語をベースに作られたサーバー側で実行されるサーバーサイドスクリプト言語です。
PHPで作成されたコードをHTML コードの中に追加すると、ウェブ サーバーはそのコードを解釈して自動的にHTML 文書を生成します。
したがって、PHPを使用すると動的に素早くHTML文書を作成できます。
PHPの特徴
PHPのメリットは次のとおりです。
- 主要なオペレーティング システムとほとんどのWeb サーバーでサポートされています。
- 他のプログラミング言語よりも直感的にコードを作成できるため、作成する必要があるコードの量が少ないです。
- テキスト処理に特化しており、HTML文書処理に適しています。
PHPの短所は次の通りです。
- 簡単なサイトを制作するために作った言語なので、複雑なサイトを作るには効率的ではありません。
- セキュリティに安全でない言語構造を持っています。
PHP動作原理
ウェブプログラミング言語
ウェブシステムのうち、サーバー側で実行されるサーバーサイド言語をウェブプログラミング言語とも呼びます。
これらのウェブプログラミング言語のうち、多く使用されている言語は次のとおりです。
- PHP
- JSP
- ASP.NET
以前は多くの商業用サイトがPHPを使用していましたが、セキュリティ上の脆弱性からJSPやASP.NETに置き換えられています。
しかし、まだ小規模や個人サイトはほとんどのサイトがPHPを使って制作されています。
言語 | オペレーティングシステム | ウェブサーバー | メーカー | 速度 | 移植性 |
---|---|---|---|---|---|
PHP | Linux、Windows | Apacheなど | オープンソース | 早い | 普通 |
JSP | Linux、Windows | Tomcat、Jeusなど | Oracle | 遅い | 良い |
ASP.NET | Windows | IIS | Microsoft | 普通 | 悪い |
PHP文法
PHPコード領域
PHPコードは、ウェブページのどの部分にでも位置することができます。
したがって、PHPパーサーがPHPコードを認識するためには、その始まりと終わりを知らせる必要があります。
PHPコード領域を知らせる方法には、次のように様々なスタイルが使用できます。
1. PHP推奨スタイル:<?php ... ?>
2. HTMLスクリプトスタイル: <script language = "php">··· </script>
3. SGMLスタイル:<?...?>
4. ASP スタイル : <% ··· %>
<?php
echo "PHP授業にようこそ!";
?>
PHP文法
C言語のようにPHPコマンドも最後はセミコロン(;)で終わります。
<?php
echo "PHP授業にようこそ!";
?>
PHPコードが終了すると自動的にセミコロンを適用してくれるので、以下の例も正常に動作します。
<?php
echo "PHP授業にようこそ!"
?>
また、PHPコード領域を示す終了タグも省略できます
<?php
echo "PHP授業にようこそ!"
PHP注釈
注釈(comment)とは、コード内に挿入された一種の説明文です。
注釈は、作成者や他の開発者が後でコードを修正する際に参考にでき、ウェブページ開発時のデバッグにも活用されます。
これらの注釈はPHPコードのどの部分にも作成でき、ウェブブラウザの動作にはまったく影響しません。
PHP注釈は次のように様々なスタイルを使用できます。
1. 一行C言語スタイル://注釈文
2. 複数行 C言語スタイル : /*注釈文*/
3. 一行シェルスタイル:#注釈文
<?php
// C言語スタイルの一行注釈
/*
C言語スタイルの複数行注釈
*/
# シェルスタイルの一行注釈
?>
<p>PHP注釈の例です。
<?php // cho "PHP授業にようこそ! " */ ?>
ファイト!</p>
上記の例でPHP注釈は'?>'終了タグの直前まで適用され、その後に出てくる”ファイト!”という文字列と</p>タグは正常に認識されます
echo()関数
echo()関数 C言語のprintf()関数やC++のcoutオブジェクトのようにHTMLストリームに文字列を出力してくれます。
このようなecho()関数は実際の関数ではないので、引数を伝達する際に括弧を使ってもいいし省略することもできます。
また、可変長引数のように関数文脈としても使用できません。
しかし、2 つ以上の引数を渡すときは、必ずしも括弧を使用してはなりません。
PHPはキーワード、クラス、関数、ユーザー関数名の大文字と小文字を区別しません。
したがって、ECHOやEchoを使っても皆同じ動作をします。
<?php
echo "文字列を出力します。<br>";
echo("引数を伝えるときに括弧を使っても大丈夫です!<br>");
ECHO "echo()関数のキーワードは大文字と小文字を区別しません!<br>";
echo "1番目の引数、", "2番目の引数";
//echo("最初の引数、","2番目の引数"); // エラー発生
?>
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