読書メモ:『ピープルウエア第3版』第 Ⅱ 部「オフィス環境と生産性」
このメモについて
- これは要約
これは本文の引用
これは本文の独立した太字テキストの引用(本書のメッセージに関わる部分)
→ これは私が本書から読み取ったメッセージ
第Ⅱ部 オフィス環境と生産性(pp.39-40)
- 社員のヤル気が出ない諸悪の根源はオフィス環境
- なぜ作業が遅れるのか?
- 遅れの原因、限りなし
- 回復手段、何もなし
第Ⅱ部では、作業能率を低下させる原因を究明し、健全で仕事がしやすいオフィス環境を作るための方法を紹介する。
第7章 設備警察(pp.41-46)
- 設備警察は、プログラマー生産性向上とは正反対のアプローチでオフィス環境を改悪していく
帰宅時には机の上をきれいに片付けること、壁には会社のカレンダー以外は貼らぬこと、という社内規定を作るのもこいつである
[1] 図7.1 オフィスの典型的な間取り
-
アメリカでごく当たり前のオフィスの間取り
- この間取りの弊害は、窓が活用されず地下室で働いているのと変わりがないこと
- 「地下室」は設備警察にとって全て同じ配置にできる理想的な空間
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良い環境とは
-
窓から外の美しい景色が見える方が快適だし、それはプログラムの品質に反映される
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自分の使いやすいように、自分の好みに合わせて変えられるオフィス
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たった一人を呼び出すために全館放送して、何千人の社員が思考しようとするのを邪魔する会社がある。どんな光景が見えるか?
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ガリガリガリ(接触不良音)。お呼び出しいたします。お呼び出しいたします。
ポール・スミスさん、ポール・スミスさん、事務所までご連絡ください。
- 警察的な思考回路とは「最小の投下コストでできるだけ詰め込む」ということ
- 生産性に問題を抱えている企業はオフィス環境の改善以外には何も意味がない
→ オフィス環境の融通の効かなさは、プログラマーの生産性に影響する
-
本書 p.44 ↩︎
第8章 プログラムは夜できる(pp.47-56)
-
ソフトウエア産業と残業
- 残業の真の目的は、仕事の量をこなすよりも品質向上のため
- 悪いオフィス環境を避けて仕事をしているのは明白なのに、誰も何もしない
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オフィス環境改善は環境の問題ではなく、人間の問題
- 環境整備の権限を持つ人(=「設備警察」)にアプローチすることはできる
- この章:なぜ「設備警察」と正面切って”対決”しなければならないか
- 次の章以降:”対決”でどうすれば有利に展開できるか
プログラミングコンテスト実験
-
各企業から選抜されたプログラマー同士でコーディングやテストの所要時間と残存不良数を競わせた
- 特徴1:各チーム二人一組で他チームと闘うのと同時に、チームメンバー同士でも闘うこと
- 特徴2:各参加者は、通常の就業時間内に自分の作業場所で、普段と同じ作業環境を使う
-
プログラマー個人の作業能力のバラツキは非常に大きかった
- 最優秀者の測定値は、最低者の約10倍
- 最優秀者の測定値は、平均的プログラマーの約2.5倍
- 上位半分の平均測定値は、下位半分の平均の2倍以上
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生産性と全く無関係なもの、ほとんど関係なかったもの
- プログラミング言語
- 経験年数
- 残存不良数
- 年収
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誰とチームを組んでいるかが生産性向上の要因になっていた
- 同じ「企業文化」のもとで作業をしている二人の生産性がほぼ同じ
- 個人のバラツキに関する経験則があてはまらない可能性がある
プログラマーの能力差が10倍であることは理解できるが、
企業自体の生産性にも10倍の開きがある
『ソフトウェアの生産性』(Software Productivity)
[1] [Mills 1988]p.266
- オフィス環境とコンテストの成績の相関関係は極めて顕著だった
表 8.1 上位、下位グループのオフィス環境
環境要因 | 上位 1/4 のグループ | 下位 1/4 のグループ |
---|---|---|
1.一人当たりのスペース(平方フィート) | 78(7.0m²) | 46(4.5m²) |
2.十分に静かか? | 「はい」57% | 「はい」29% |
3.プライバシーは十分か? | 「はい」62% | 「はい」19% |
4.電話の呼出音を消せるか? | 「はい」52% | 「はい」10% |
5.電話を他へ転送できるか? | 「はい」76% | 「はい」19% |
6.無意味な中断は多いか? | 「はい」38% | 「はい」76% |
正確に言うと、これだけのデータでは、条件の良いオフィスの方が生産性が高いことを証明したことにならない。……
仮に我々の仮説の正しさが証明されたとすると、オフィス環境の設計や改善についての職務怠慢は明らかに誤りである。
→ 社員の残業時間が増えたら、残業を減らすことよりもなぜ残業が増えたのかに着眼し、オフィス環境と生産性の関係に注目すべきである
→ これが「設備警察」と”対決”しなければならない理由である
-
Mills, 1988:Mills, Harlan D. "Software Productivity." . New York: Dorset House Publishing, 1988. ↩︎
第9章 オフィス投資を節約すると(pp.57-65)
- オフィス設備投資と生産性
- オフィス投資は、プログラマーの生産性に対する配慮が必要である
- 新型オフィスを紹介する記事や文章では、人が働くこと、プログラマーの生産性とは何かという議論が必ず抜けている
- IBM はプログラマー、システムエンジニア、検査担当者、マネージャーなどの人々が効率よく仕事をするには、広くて静かな場所が必要なことを明らかにした
- 社員一人当たりのスペース:100平方フィート(9.0m²)
- そのうち、作業用机の広さ:30平方フィート(2.7m²)
- 騒音対策として、壁で空間を仕切る。あるいは、間仕切りを使用する場合は高さ6フィート(1.8m)以上(なお、調査報告書は、専門職については、その約半数を一人部屋、もしくは二人部屋にすべきだとしている)。
-
プログラミングコンテスト参加者に対する調査
- 不良0件でプログラムを完成させた人のうち、騒音は許容範囲内と答えた人のグループは、うるさいと回答したグループの約3分の1多かった
- 騒音を許容範囲内と回答したプログラマーのうち、不良1件のグループは不良0件のグループよりも極端に少なかった
-
仕事に集中するために身を隠す人の心当たりがあれば、オフィス環境は赤信号
→ 席を外すための本籍地としての価値しかない場所を作るくらいなら投資するのがマシだと思う。
ちょっと休憩……インテルメッツォ(pp.66-70)
- 生産性測定
- オフィス環境の生産性の相関関係の解明は難しい課題である
- 研究者トム・ギルブは、測定はやらないよりましだと言っている
どんなものでも、計測しようと思えば必ずできるし、測定しないでいるよりもずっとよい。
自分で自分の生産性を何らかの形で評価できない会社は、まだ本気で評価したことがないのだ。
- 続き
- マネージャーは自分の部署の生産性について何も知らないので、生産性測定ツールの結果が良くても悪くても、特別驚いたということはないはずだ
- 生産性測定の効果を最大化するには、個人別のデータは本人だけに知らせる、自己評価を正確に行う訓練に用いる
- マネージャーには承服しがたい考え方だが、本人が個人データを受けて活用した結果利益が得られれば、個人データ自体は不要である
→ 生産性測定はマネージャーではなくプログラマーの利益を考えて実施すべき
第10章 頭脳労働時間 対 肉体労働時間
表 10.1 作業態勢別の労働時間比率
作業態勢 | 比率 |
---|---|
1人による作業 | 30% |
2人による作業 | 50% |
3人以上による作業 | 20% |
- フロー状態と生産性
- IBM が調査した一日の平均的な労働時間の比率(表 10.1)
- 単独作業は少数派だが、本当の意味での仕事は一人のときにできるので無視できない
- 騒々しいオフィスで、単独作業のプログラマーがフロー(Flow)状態になるのは不可能
- 精神集中を妨げるものはプログラマーの生産性を低下させ、プロジェクトのコストを大幅に引き上げてしまう
- 例えば表 10.2 の状態
表 10.2 プログラミングコンテストでの作業内容と作業時間の例
作業時間(開始〜終了) | 作業内容 | 作業中断の原因 |
---|---|---|
2:13〜2:17 | コーディング | 電話 |
2:20〜2:23 | コーディング | 上司の馬鹿話 |
2:26〜2:29 | コーディング | 同僚からの質問 |
2:31〜2:39 | コーディング | 電話 |
2:41〜2:44 | コーディング | 電話 |
- タイムカードには、頭脳労働時間ではなく肉体労働時間を記入している
机の前に何時間座っていたかはどうでもいいことで、全神経を集中して仕事に取り組んだ時間が重要なのだ
-
ソフトウエア開発に実質的に費やされる時間の算出方法
- 連続して中断が入らなかった時間数(精神集中時間)を各人で記録する
- 給与計算のための肉体労働時間はこれまで通り記録する
-
二つの御利益
- フロー時間の重要性に注目を集められる:邪魔の入らない時間が少なくとも2,3時間あって当然だと考えるようになる
- 本当の意味で仕事に費やされた時間の記録が残る:プロジェクト完成に必要なフロー時間に対する累計フロー時間を肉体労働時間ベースで分析するのは NG
- E係数(環境係数)
- E 係数を毎日測定することは、プログラマーにはある程度の中断なし時間が必要だという考え方を公式に認めること
- E 係数を前面に押し出すことで、仕事を中断させないように配慮する方向に企業文化を変えられる
→ 中断なし時間を記録する企業文化は、プログラマーが実質的な仕事に取り組む時間を確保するのに役立つ
第11章 電話、電話、また電話(pp.78-84)
- 電話ってよく考えたらヤバイよね、っていう喩え話が続き……
電話が仕事のやり方を変えてきたのは当然だが、電話が割り込んでくることがどれほど悪影響を及ぼすかについて人々が無感覚になってしまったのは、まずいことだった。最低限、マネージャーは電話がかかってくると部下の生産性がどれだけ低下するかについて問題意識を持っていなければならない。
-
プログラマーが仕事に集中するために、電話を無視できる寛容で効率的な方法を考えなければならない
- 「寛容」:プログラマーにはときどき電話に出ないで仕事をしたいときがあるということを認める企業文化があるということ
- 「効率的」:仕事に戻るためにベルが鳴り止むのを待たなくて済むということ
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eメール
- 電話はしごとの最中に割り込んで来るが、eメールは作業に割り込んでこない
- ただし、信頼性に問題がある(メールの生存期間、既読状態、送信状態など)
小細工を弄するよりも大切なのは、態度を変えていくことだ。スタッフたちは時には電話に出なくても許されるということを覚えなければならない。そして、マネージャーたちもそれを理解する必要がある。
- 電話がダメでeメールがいいか、の問題はもっと複雑。
- 第 Ⅴ 部・第 33 章で展開。
第12章 ドアの復権(pp.85-91)
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オフィス環境の悪化を許したことへの反省
- プログラマーは「設備警察」と同じように大声で繰り返し文句を言うべきだった
- 言い分を証明するデータを誰も持っていないので、不平不満を調査し、議論の場を作らなければならない
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議論の場を作ると……
- 全員がオフィス環境と作業の中断について考えるようになる
- オフィス環境の犠牲になっていたプログラマーは発言を始める
- 上層部は、生産性向上のためにまず作業環境に注意を払うようになる
→ これは、Googleフォームで投書窓口を作るやり方ではダメなことは確定的に明らか
→ 例えば、オープンなスプレッドシートにどんどん書き込んでいくほうがずっといい
(議論には向いていないが、意見の集約と可視化によって議論を助けるだろう)
- すぐに出てくる反論
- オフィスを華やかなスペースにしようとするのは、格好を付けたがっている連中だけ
- BGM を流せば周囲のガヤガヤをかき消して騒音対策になる
- 壁を作ってドアを取り付けて独立した部屋にするとオフィスの活気がなくなる
華やかさと格好付け
「オフィス内の装飾がどうであれ、あまり気にならない」というのは事実だが、これが往々にして「オフィス環境がどうあろうと、重要な問題ではない」という意味に誤解されてしまう。
オフィスの設計では、外見が非常以上に重視される。しかし、それよりも大切なのは、仕事ができる空間かできない空間かだ。仕事のしやすいオフィス空間を求めるのは、格好を付けることではない。ただ単に必要なのだ。金のかかるものに金を使うか、失われた生産性を回復するために金を使うかの問題だ。
頭のヒラメキと音のキラメキ
- BGM は、プログラマーがひらめくための創造性を司る右脳の機能を占領してしまう
- ひらめきは時々しか起こらないが、創造性の低下はひらめきのない仕事を生んでしまう
活力あるオフィス
- 部屋を仕切るといっても一人部屋である必要はない
開放型オフィスの場合でさえ、同じ仕事をしている者同士は同じ場所で仕事ができるように間仕切りをつけるべきだ。これが許されれば、作業用エリア、会議用エリア、共用エリアを区分けするなど、よい意味で独創的なアイデアを生むようになる。
- エリアの区分けは中断を防ぎ、互いの騒音に悩まされることを減らす
同僚と簡単に、また自然に会話できるため、スペースは活力に満ちたものになる。自分の空間をある程度自由にできるようにすれば、社員から好意的に受け止めてもらえるだろう。
会社の上層部の誰かが、そんなことはとんでもないと言い出すはずだ。何が気に入らないかというと、神聖なる均一性の原則が破られることだ。オフィス中のすべてが同じであれば、縄張りの「オーナー」は支配を貫き、誇示できる。
- 各人、各チームにとって作業効率のよいオフィスは同じものにならず、個性豊かなものになる
- マネージャーは、社員が十分なスペース、静かさ、プライバシーを確保するように努めるのが仕事
部下がとんでもないポスターを壁に貼り付けたり、机の上を散らかし放題で家に帰ったり、オフィス内の美品の配置換えをしたり、あるいは、オフィス内のレイアウトを変えようとしても、ニコニコ笑って、やりたいようにやらせておくぐらいの度量がほしい。
→ オフィス環境を均一化することは社員間の公平性、平等性を守る上で重要だという反論があるかもしれない。しかし、ここまでの議論を踏まえれば、公平性や平等性を守ることが社員の生産性の向上となんの関係があるのだろうか、という疑問は当然として生まれる。社員はみんな同じに揃える方向で変えることを望んではいないだろう。一般論で言えば、会社ではルールを作って均一的に問題に対処するのだろうが、それは必ず生産性とバッティングするだろう。ごめん長くなった。
第13章 オフィス環境進化論(pp.92-104)
- 理想的なオフィスが備えるべき条件について、以下のポイントで考えてみる
・社員が気持ちよく働くことができ、しかも、生産性を高くするには、オフィスをどのようにすればよいか。
・社員がヤル気をだして仕事に打ち込むには、オフィスをどのような形態にするべきか。
- アレグザンダーの有機的秩序
- マスタープランによって完成する画一的な建物は、ある一人以外の誰にも役に立たない
- マスタープランに代えて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは「メタプラン」という概念を提案した
- メタプランは3つの部分で構成され、そのもとで発展する建物や形成される空間は有機的秩序を備えている(例:図 13.1)
・少しずつ進化するという基本思想
・進化を左右する一連のパターンや共通設計原則
・関係する部分の設計への住人の参加
[1] 図 13.1 スイスの街並み。マスタープランなしの有機的秩序の好例
- 続き
- アレグザンダーは『パタン・ランゲージ』で、253 の有機的秩序のパターンを紹介している
パターン 183「作業空間の囲い」
囲われすぎたり露出しすぎた作業空間は、効果的に働ける場所とはいえない。良い作業空間は、このバランスがうあくとれている。……背後に壁があると、さらに居心地のよい作業空間になる。……前面8フィート(2.4m)以内にめくら壁を設けてはならない。(仕事中時々目を上げ、何か机より遠いものに焦点を合わせ、目を休めたくなる。8フィート以内にめくら壁があると、目の休まることがない。この場合は囲われすぎると感じる)……自分の作業空間の発生音と著しく異なる騒音が聞こえてはならない。(自分の発する音とは異質の騒音を十分さえぎるよう、作業空間を囲まねばならない。周囲の人間が同じことをしている方が、仕事に集中できることが実証されている。……作業空間は、まちまちの方向を向いて座れるようにせねばならない。
[2]『パタン・ランゲージ』(A Pattern Language)(平田翰那訳、鹿島出版会、1984年)
[3] 図 13.2 作業空間の囲い
- 著者らは知的労働者の働きやすいオフィスデザインを目的とする4つの新パターンを提案している
- 組み立て式オフィス
- 窓
- 屋内と屋外のスペース
- 共有スペース
1.組み立て式オフィス
- (ネットカフェの個人ブースのような)「組み立て式個室」は単独作業にもチーム作業にも向いていない
- チーム作業のための共有エリアと準個人エリア、邪魔や騒音から隔離された個人用のスペースが必要である
- 中央スペース設計組織の支援を受け、チームメンバーがスペース設計の専門家とレイアウトやインテリアをさまざまな角度で検討する
- 机や備品はさまざまなスペースで使えるものにする
2.窓
- 幅9メートル以内の細長い建物にして、ホテルのように十分な数の窓を作りこむ(例:図 13.4)
[4] 図 13.4 Swarthmore 大学の女子寮
- 横長ビルのコスト上昇はデータに現れないほどわずかであり、利益面でお釣りが来る
- コストが建物の大きさや設備など目につくものであるのに対し、利益面は生産性の向上や退職者数の減少といった目に見えにくい要素である
3.屋内と屋外のスペース
横長のビルには、屋内スペースと屋外スペースがうまく調和させられるという利点もある。屋外施設のあるオフィスで一度でも仕事をしたことがあれば、一日中部屋の中に閉じこもって仕事をするなどとても考えられないことだろう。
→ さもなくば私のように社内を目的もなく徘徊し、そのへんで座ってみる社員が現れるはずだ。これは、社内に自然空間のメタファーを見出すほか無いからだ。非常階段の喫煙所でリフレッシュする社員がいるように、誰もが外の空気を吸える空間が確保できるとよいだろう。
4.共有スペース
- スペースについては、建物の中に入るに従い、徐々にプライベートになるという「プライバシー深度」というパターンが適用できる
- 作業スペースの入口は、全社員が暖炉のように心暖まる共通空間として設計する
- ミーティングをするためのテーブル、全員分の椅子、ホワイトボード、掲示板がある
- 理想を言えば、簡単な食事を作って食べられる設備と広さが欲しい
-
すべてのパターンの共通要素は、まったく同じものは生まれないという公式への信頼である
-
やってみよう
- マスタープラン通りに建てられたオフィスであれば、社屋の外にプロジェクトを移動してみよう
- 会社全体ではなく、自分のプロジェクトから成功させることを考えてみよう
→ 理想的なオフィスというのは、上記のパターンを守っているだけでなく、それが個々のチームにとって生産性の向上にどう結びつくのかがメンバーによって想像された上で創造されていることが重要だろう。快適なオフィスのヒントは『パタン・ランゲージ』から拾ってくることもできるだろう。
第 Ⅱ 部 まとめ
筆者によるどこに何が書いてあったかのまとめです。
第7章
- オフィス環境の融通の効かなさは、プログラマーの生産性に影響するよ
第8章
- 残業時間が増えるのはオフィス環境が悪いからかもしれないよ
- だから「設備警察」と闘う必要があるよ
第9章
- 席は外すためにあるんじゃないよ
インテルメッツォ
- 生産性計測はプログラマーの利益のためにやるんだよ
第10章
- 中断なし時間がプログラマーの本当の作業時間だよ
第11章
- 生産性と電話のどっちが大事なんですか?
第12章
- オフィス環境についてオープンに議論しようよ
- マネージャーはオフィス環境の確保に努めようよ
第13章
- チームメンバーが生産性を考えてチームと個人のオフィス環境をデザインすることが大事だよ
- マネージャーは自分のところから手を着ければいいんだよ(それが有機的秩序のためになるからね)
第 Ⅱ 部 感想
所々「でも……」と言いたくなるだろうけど、会社の利益を盾にすれば案外みんな納得するんでないか。「会社が言っているから」じゃなくて「会社の利益になるから」と考えてみるとか。