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「学術書のつくられ方 組版と校正」(要約)

に公開

YouTube動画「学術書のつくられ方 組版と校正」(2024年9月28日公開)のトランスクリプトに基づき、議題ごとに内容を詳細に日本語で要約しています。


動画概要

  • タイトル: 学術書のつくられ方 組版と校正
  • 公開日: 2024年9月28日
  • プラットフォーム: YouTube/URL: https://www.youtube.com/watch?v=ymQaX76pNUM
  • 主催: 高円寺本の街商店会
  • 登壇者:
    • 永滝氏(有志舎出版社、司会進行、出版社の運営者)
    • 水野氏(言海書房、DTP専門家、元出版社編集者)
  • 目的: 学術書の製作過程(特に組版と校正)に焦点を当て、出版の流れ、原稿整理、DTP作業、赤字修正のベストプラクティスを解説。
  • 対象: 学術書(主に人文書)の執筆者、編集者、DTPに関心のある一般参加者。
  • 構成:
    • 永滝氏による出版全体の流れ解説(約10分)
    • 水野氏による組版・DTPの詳細解説(約50分)
    • 質疑応答(約10分)
    • 途中5分休憩、総時間約90分(講演60分+質疑30分の予定がやや超過)
  • 資料:
    • レジュメ(「学術書のつくられ方 組版と校正」)
    • 資料A(出版フロー図)
    • 資料B(原稿整理例)
    • 資料C(指示書例)
    • 資料D(組版指示書)
    • 追加資料(ゲラ例:『植民地戦争とは何か』)
    • 参考文献リスト(『編集必携』等)
    • 高円寺本の街商店会の紹介資料

1. イベントの開始と主催者紹介

1.3 イベントの進行計画

  • 流れ:

    1. 永滝氏が学術書出版の全体像を10分程度で説明。
    2. 水野氏が組版・DTPのプロセスを詳細に解説(メイン講演)。
    3. 各論(注意点、構成)
  • 時間配分:

    • 講演は60分(17:00~18:00予定)、質疑応答30分(18:00~18:30予定)。
  • 注意点:

    • 主に人文書に焦点。他ジャンル(例:理工書)は永滝氏・水野氏の専門外のため、限定的に扱う。
    • 参加者が人文書以外の質問をしても、回答は分かる範囲に限定。
  • 資料確認:

    • 配布資料は6種類:
      • レジュメ(「学術書のつくられ方 組版と校正」)
      • 資料A~D(出版フロー、原稿整理例、指示書例、組版指示書)
      • 追加資料(ゲラ例:『植民地戦争とは何か』)
      • 参考文献リスト(『編集必携』等)
    • 資料不足の場合は、後ろの受付で補充可能。
    • 永滝氏は資料の構成(例:ゲラのコピー)を確認し、参加者に準備を促す。

2. 学術書出版の全体的な流れ(永滝氏)

2.1 出版プロセスの概要

  • 資料A参照: 有志舎出版社の例を基に、学術書出版の流れを説明。他出版社では異なる場合もあるが、大きな差はないと推測。
  • 全体構造: 編集→制作→宣伝→販売→その他の5段階。
  • 詳細:
    • 編集:
      • 原稿依頼: 出版社が著者に執筆依頼(例:「こういう本を書いてください」)または著者からの持ち込み(「この本を出版したい」)。
      • 交渉:印税、目次、全体構成を相談。
      • 原稿作成:著者が原稿を書き、永滝氏が読み、修正を依頼。完成原稿まで編集者が伴走。
      • 注:有志舎出版社は永滝氏1人で運営(1人出版社)。全工程を単独で担当。
    • 制作:
      • 完成原稿を整理し、指示書(資料C、D)を作成。
      • DTP会社に指示書と原稿を渡し、ゲラ(初校、再校、念校)を作成。
      • ゲラに赤字修正を加え、複数回やり取り。
    • 宣伝・販売: 赤字ゼロのデータを印刷所に送り、白焼き(最終確認用ゲラ)でチェック後、製本・販売。
    • その他: 詳細は省略(時間制約のため)。質疑応答で質問可。

2.2 原稿の望ましい形式

  • 強調点: 出版社が求める原稿形式は明確な構造が必須。曖昧な原稿は再作成を依頼し、時間とミス(例:章ごとの図表混入)を増やす。
  • 形式:
    • デジタル原稿: 手書きはなく、Word等のワープロソフトで作成。
    • フォルダー化:
      • 本文フォルダー: 各章の文字原稿(主にWord)を格納。
      • 図表フォルダー:
        • (地図、模写図、グラフ):WordやExcelで作成。グラフは図(表ではない)。章ごとにサブフォルダーを作成し、図を整理。
        • :主にExcelで作成。章ごとのサブフォルダー推奨。
      • 写真フォルダー: JPEG形式。キャプションはWordで別途提出。
    • 構造の明確性: 「中学生が見ても分かる」よう、フォルダーやファイル名を直感的に。著者の自己理解に基づく雑なデータ提出はNG(例:分類なしでデータを一括送信)。
  • 理由:
    • 編集者(永滝氏)が原稿構造を把握しやすく、ミスを防ぐ。
    • DTP会社(水野氏)への引き継ぎがスムーズになり、組版ミス(例:別の章のグラフ混入)を回避。

2.3 原稿整理と設計図

  • 原稿整理:
    • 完成原稿に赤字や指示を書き込み、組版用の設計図を作成。
    • 資料C: 指示書例。原稿にページごとのレイアウト指示(例:文字サイズ、書体、余白)を詳細に記載。
    • 資料D: 組版指示書。文字数、組み方、構造を指定(例:「この章は13級で、リュウミン使用」)。
  • ゲラ作成:
    • 設計図(資料C+D)をDTP会社に送り、ゲラ(追加資料)を生成。
    • ゲラ例(『植民地戦争とは何か』)には赤字修正が記載。初校→再校→念校で赤字を減らし、最終的にゼロを目指す。
  • 重要性: 原稿整理は単なるデータ受け渡しではない。詳細な設計図がなければ、DTP会社の手間とミスが増加。

3. 組版とDTPのプロセス(水野氏)

3.1 自己紹介

  • 背景:
    • 言海書房を1人で運営。出版社だが、現在はDTP業務が主。まれに自社出版(「気が向いた時」)。
    • 編集・出版歴約30年。大学で文芸を学び、出版社で編集、営業、組版を経験。
    • 出版社退職後(上司との対立がきっかけ)、35歳前後で独立。当時、年齢制限で就職が難しく、ノウハウを活かし言海書房設立。
  • 変遷:
    • 初期は文芸書(小説等)を出版。市場縮小(例:著名作家の小説が2000部しか売れず、8割を自社買い取り)でDTPにシフト。
    • 学術書も扱うが、専門性の高さから売上が限定的。メディアミックス(ネット展開等)で紙の本は下火。

3.2 組版とDTPの定義

  • 組版:
    • 文字、図表、写真を編集者の指示書に基づき、本や雑誌の形に整える作業。
    • 指示書(資料C、D)は設計図。出版社とDTP会社の橋渡し。
  • DTP:
    • デスクトップ・パブリッシング(机上出版)の略。約30年前(水野氏の出版社入社時)から普及。
    • ソフト:
      • Adobe InDesign: 文字・表の組版。業界標準。
      • Adobe Illustrator: 図(地図、グラフ)の作成。
      • Adobe Photoshop: 写真加工(学術書は白黒中心で簡易)。
    • フリーソフト: TeX(理系書籍向け、数式に特化)等があるが、InDesignが主流。過去にはPageMakerやQuarkを使用(現在はQuarkもマイナー)。
  • 参加者向けアドバイス:
    • DTP初心者はAdobeの正規版(InDesign、Illustrator、Photoshop)を使用。フリーソフトは互換性の問題で推奨しない。
    • 参加者の構成:出版関係者と一般が混在。

3.3 組版の実作業

  • データ受取:
    • 著者からWordまたは一太郎の原稿を受取。まれに他のワープロソフト(例:Mac向けE-Word)も。
    • 問題:一太郎の縦中横(2桁以上の算用数字を縦に)や均等割り付けは、テキスト化で消える(後述)。
  • テキスト化:
    • Word・一太郎の原稿をプレーンテキストに変換。ルビ、句点、下線等を一旦削除。
    • 例:資料C(指示書)は著者のWord原稿をプリントアウトしたもの。これをテキスト化し、InDesignに流し込む。
  • フォーマット作成:
    • 編集者の指示書(資料C、D)に基づき、InDesignでテンプレートを作成。
    • 指定例:
      • ページサイズ:波形B5(ソフトカバー)または同サイズのハードカバー。
      • 1ページの文字数:約900文字。
      • 余白:天・地・ノド・小口を指定。
    • 本文は13級(約9.2~9.4ポイント)、リュウミン(明朝体)。英文はGaramond(小型書体)。
  • データ流し込み:
    • テキスト化したデータをフォーマットに流し込み、ルビ、句点、行間を手動で再設定。
    • 見出し(章、節、小節)にスタイルを適用(例:太字、サイズ変更)。例:追加資料のゲラ(『植民地戦争とは何か』)では、章見出し「植民地戦争とは何か」、小見出し「日本における帝国主義」に異なるスタイル。
  • 図表・写真:
    • :
      • 地図、グラフ等をIllustratorでトレース。手書き図はスキャン後、トレース(例:朝鮮半島の島が多い地図は大変)。
      • 拡大(最大6400倍)で詳細確認。点が島かミスか判断困難。
    • :
      • InDesignで作成。Excelデータを流し込む。
      • 複数ページの表は行追加・削除を避け、完成形を提出(後述)。
    • 写真:
      • Photoshopで調整(コントラスト、陰影等)。白黒中心で加工は簡易。
      • 解像度:350DPI(印刷標準)。1200DPI等はデータが重く非推奨。JPEG形式(PDF、PNG、TIFFも可)。
  • ゲラ作成:
    • 工程:
      • 初校(3週間~1ヶ月):編集者・著者が赤字を入れる。
      • 再校(2週間):赤字修正を反映。
      • 念校(10日):赤字ゼロを目指す。
    • 追加資料例: ゲラに赤字(例:ルビ、アスタリスク、数字)を手作業で記載。目次、本文、参考文献、著者プロフィール、奥付を含む。
    • 問題:
      • 初校で赤字が少なくても、再校で大量の赤字が入る場合あり(例:著者の大幅修正)。
      • 赤字量が多いと手作業が増え、ミスリスク上昇。

3.4 赤字の入れ方

  • 原則: 赤字は編集者・DTPオペレーターへのメッセージ。誰でも読める明確な記載が必須。
  • ベストプラクティス:
    • 位置: 余白に記載。行間の小さな文字はNG(「ハエの頭のよう」)。
    • 筆記具: 赤ボールペン(100円ショップで可)。消せるボールペン(フリクションペン)は熱で消えるためNG(例:夏の郵送で赤字全消滅)。
    • 文字: 達筆は避け、画数の多い漢字(例:高橋の「高」の異体字)は特に明確に。
    • 長編修正:
      • 例:段落差し替え、20ページの段落を30ページに移動。
      • 修正済みテキストデータを提出。全体の打ち直しはNG(組版済みデータが無駄になり、二重作業)。
  • 外国語:
    • ハングル、ロシア語、ベトナム語等はデータ必須。曖昧な赤字は確認に時間がかかり、ミス誘発。
    • 例:ハングルの句点位置(右か上か)が不明確。キーボードをハングルモードに切り替え入力するが、専門外のため著者の正確なデータに依存。
  • 影響:
    • 不明瞭な赤字は編集者・DTPの作業時間を延長(例:初校修正が1ヶ月半に)。
    • 著者の意図が反映されないリスク(例:消えた赤字を「修正なし」と誤解し、誤植が本に残る)。

3.5 印刷入稿

  • プロセス:
    • 赤字ゼロのInDesignデータを出版社経由で印刷所に送付。
    • 印刷所から白焼き(最終確認用ゲラ)を受取。奥付の数字ミス等、最小限の修正のみ可。
    • 著者には白焼きを見せない(修正癖を防ぐため。例:「ある」を「或る」に変える程度の変更でも赤字を入れる)。
  • 完成:
    • 300ページの学術書は、カバー・紙質指定を含め最終的な印刷に入ってから約1ヶ月で完成。
    • 例:波形B5(ソフトカバー)またはハードカバー。表紙はダンボール製。

4. 補足事項(水野氏)

4.1 フォント

  • 種類:
    • 明朝体: 柔らかい書体(例:モリサワのリュウミン)。学術書で標準。
    • ゴシック体: 角張った書体。見出し等で使用。
    • 英文: Garamond(小型書体)。
  • 形式:
    • OpenType: 印刷標準。文字化けリスク低。
    • TrueType: Word・一太郎で使用されるが、テキスト化で文字化け(例:ハングルがオレンジの四角に)。
    • 対策:プリントアウト原稿(資料C)と照合し、該当文字を特定・修正。
  • 提供会社: モリサワ、イワタ、ダイナフォント、フォントワークス等。フリーソフトも存在。

4.2 単位

  • 文字サイズ: 級(1級=0.25mm)。学術書は13級(約9.2~9.4ポイント)。14級はまれ。
  • 行間: 歯(1歯=0.25mm)。
  • ポイント: 1ポイント=0.35mm。ほぼ使用しない。
  • 比較: Wordのデフォルトは9~10ポイント。13級は見やすい標準サイズ。

4.3 構成記号と役物

  • 構成記号:
    • 資料1: 日本エディタースクール『編集必携』から抜粋。青枠の記号(例:文字サイズ変更、詰め指示)が頻用。
    • :
      • 記号「小」:文字を小さく。
      • 記号「大」:文字を大きく。
      • 「取るツメ」「取るママ」:詰める、取ったママの意。
    • 原則: 暗号ではない。誰でも分かる記載(例:余白に赤字)。赤字を最小限にし、初校でゼロを目指す。
  • 役物:
    • 資料2: 青枠の記号(句点、読点、括弧、引用符等)が頻用。縦書き・横書きで異なる。
    • 括弧:
      • パーレン(丸括弧)、ブラケット(角括弧)、墨付きパーレン等。
      • 赤字で種類を明確に(例:手書きでパーレンとブラケットが区別不能)。
    • 問題:
      • 著者が一貫性のない括弧を使用(例:初校でパーレン、再校でブラケット)。
      • 編集者が電話で確認が必要になり、時間が浪費。
  • 推奨書籍: 『編集必携』(日本エディタースクール)。著者・編集者必携。500円シリーズの『校正』も安価で有用。

4.4 支給データ

  • 本文:
    • 縦組み・横組み: 書籍の組み方に合わせる(例:縦組み書籍に横組み原稿は読みづらい)。
    • ワープロソフト:
      • Word: 標準。文字化けリスク低。
      • 一太郎: 縦中横や均等割り付けがテキスト化で消える(例:平成19の「19」が消失)。
      • E-Word: Mac向け。使用者は少数で、水野氏は未経験。
    • 対策:
      • 一太郎はWordに変換後提出。変換しても問題発生(例:均等割り付けの消失)。
      • 著者の責任でWordを使用。出版社・DTPは一太郎の問題を説明しても理解されにくい。
  • OCR:
    • 活字をテキスト化するソフト。認識率98%(100文字中2文字誤読)。
    • 誤読例:
      • 漢字:日→曰、曰→日。
      • 句点:点の位置誤読。
      • ひらがな:「も」→「犬」(学術書で不自然)。
    • 対策: 原本と照合必須。OCRデータは確認なしで提出NG。
  • 引用:
    • 引用文はインデント機能で2文字下げ。スペースや強制改行はNG(テキスト化で残り、手作業で修正)。
    • 問題:
      • 複数行の引用で各行にスペース2文字+改行。DTPが全行を繋げる作業が必要。
      • 例:4行の引用で4回改行+8スペースを削除。
    • 影響: 本の1行文字数(例:52文字)が原稿(例:40文字)と異なるため、レイアウト崩れリスク。
  • 図表・写真:
    • :
      • 手書き図はスキャン後、Illustratorでトレース。例:朝鮮半島の島は点かミスか判断困難。
      • iPad等でのデジタル描画は水野氏未使用(ポインタで手作業)。
    • :
      • 1ページの表は問題なし。複数ページ(例:5~10ページ)の表は行追加・削除NG。
      • 問題:
        • 初校で半ページの表が再校で3行減・5行増→ページ数や写真配置(小口→ノド)がずれ、作り直し。
        • Excelの行間設定(例:0.1mm差)がInDesignと異なり、レイアウト崩れ。
      • 対策: 完成形の表を提出。修正は最小限。
    • 写真:
      • 350DPIのJPEG。Web画像(96DPI)は印刷不可。
      • iPhoneの最新カメラは高解像度で可。600~1200DPIはデータが重く非推奨。

5. 質疑応答

5.1 質問1:1人で編集・組版を行う場合の注意点

  • 質問者: 2人で政策(編集・制作)を担当。経験が少なく、組版はプロに依頼。予算制約で編集を1人で担当。注意点は?
  • 回答(永滝氏):
    • 原稿整理が鍵: 資料C・Dのような詳細な設計図を作成。DTP担当者の手間を最小化。
    • 問題: いい加減な設計図はゲラ修正を増やし、時間が超過。
    • 推奨書籍:
      • 『編集必携』(日本エディタースクール):編集者必須。
      • 500円シリーズ『校正』(Amazonで購入可):安価で初心者向け。
    • 実践:
      • 永滝氏は新人教育で『編集必携』を使用。
      • 構成記号(資料1)を正確に使い、赤字を明確に。
    • コメント: 1人出版社の経験から、原稿整理の重要性を強調。

5.2 質問2:原稿データの作成方法

  • 質問者: 編集者。本作成を計画。中見出しにWordの中見出し機能は適切か? データ送付はクラウドかCDか?
  • 回答(水野氏・永滝氏):
    • 中見出し:
      • Wordの中見出し機能(機種依存文字含む)は使用可。テキスト化で横になるが、DTPで再設定可能。
      • 学会論文では機種依存文字を外す指示があるが、出版では必須(DTPの手間を軽減)。
    • データ送付:
      • フォルダー化したデータをクラウド(URL提供)やオンラインストレージで送付可。
      • CDは不要(面倒)。形式は問わないが、構造が明確ならOK。
    • コメント: 実務的な質問に具体的回答。クラウド送付の現代性を反映。

5.3 質問3:原稿とゲラの不一致

  • 質問者: 校正担当。原稿の句点・改行がゲラで消える。DTPのミスか?
  • 回答(水野氏):
    • 原因: データで消える場合、DTPオペレーターの人的ミス。InDesignやQuarkに句点を消す機能はない。
    • 頻度: 複数回発生は重大。DTP会社変更を推奨。
    • 影響:
      • 著者や編集者に不信感(「直したのに反映されない」)。
      • チェック負担増(本来不要)。
    • コメント:
      • 問題あるオペレーターは実在(例:指示を聞かない)。
      • 質問者の状況に同情しつつ、DTPの品質管理を強調。

6. まとめと強調点

  • ハンドメイド性:
    • 学術書は著者、編集者、DTP、デザイナーの協業で1冊1冊手作り。
    • 例:300ページの本は最終的な印刷に入ってから1ヶ月で完成。シリーズ物も同様に手作業。
  • 赤字の最小化:
    • 初校で赤字ゼロが理想。明確な赤字(余白、赤ボールペン、長編はデータ提出)がミスと時間を削減。
    • 例:フリクションペンは熱で消滅し、著者・編集者双方にリスク。
  • データの明確性:
    • フォルダー化、Word使用、完成形の図表・表が効率化と正確性を向上。
    • 例:一太郎の不具合(縦中横消失)はWordで回避。
  • 協力の重要性:
    • 各担当者が責任を持ち、確認を徹底。手抜きは他者に負担を押し付け、ミスを誘発。
    • 例:OCRの誤読(「も」→「犬」)は確認で防ぐ。
  • 情熱: 登壇者は「いい本作りたい」との思いを共有。参加者に協力を呼びかけ。

7. 注意点と補足

  • 資料の重要性:
    • 資料A~D、追加資料、参考文献リストは頻繁に言及。参加者が資料を手に持つ前提で進行。
    • 例:ゲラ(追加資料)は実物を見ながら解説。視聴者は資料がないため、記述で補完。
  • 時間超過:
    • 予定90分(60分講演+30分質疑)が約100分に。質疑は10分に短縮。
    • 永滝氏の原稿整理説明、水野氏の詳細解説が時間超過。
  • 参加者構成:
    • DTP経験者3人、編集者、一般が混在。水野氏は参加者の背景不明のため、初心者にも分かるよう解説。

8. 教育的価値

  • 対象読者: 学術書の執筆者、編集者、DTP初心者、出版に関心のある研究者。
  • 学び:
    • 出版の全体像:編集から印刷までの流れを体系的に理解。
    • 原稿整理:詳細な設計図がミスと時間を削減。
    • DTP実務:InDesign中心の作業、赤字の明確性が品質を左右。
    • 協業の重要性:著者・編集者・DTPの責任共有が成功の鍵。
  • 実践的助言:
    • 『編集必携』購入(500円シリーズも)。
    • Word使用、フォルダー化、350DPI写真、完成形表の提出。
    • 赤字は余白に赤ボールペンで明確に。

以上が、動画の全内容をGrokで詳細に要約したものです。トランスクリプトの全発言を網羅し、議題ごとに整理。

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