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AWS Networking Service の歴史をふりかえってみる
はじめに
2023/8/28(月)に開催された AWS Networking Roadshow に参加しました。色々と学びがあったのですが、その中でも特に印象に残った AWS Networking Service の歴史についてまとめました。
AWS Networking Service の歴史をふりかえってみる
「AWS Networking Service」と主語デカなタイトルですが、主に AWS VPC Lattice や AWS Verified Access に関連する歴史です。
Amazon EC2 の登場
- 2006年に コンピューティングプラットフォームを提供する EC2 が登場した
- 初期の EC2-Classic では全てのインスタンスに Public IP が割り当てられていた
Amazon VPCの登場
- 2009年に AWSクラウド内に論理的に分離された仮想プライベートクラウドを定義する VPC が登場した
- 複数のEC2 をまとめるといった用途に VPC が利用されていた
VPC間接続サービスの登場
- 複数の VPC を利用するユーザが増え、 VPC 同士を接続する需要が高まった
- 2014年に VPC 同士を接続する VPC Peering が登場した[1]
- VPC 同士の接続が複雑になり、 VPC Peering のみでは管理が大変になってきた
- 2018年に VPC やオンプレなどを中央ハブとして接続しネットワークを簡素化する Transit Gateway が登場した
ネットワークの複雑化&ロールの分割
- ネットワークの複雑化が進み、全てを把握できるのは魔術師ぐらいになってしまった[2]
- そこで、ネットワーク管理者とサービス(アプリケーション)開発者という2つのロールに分けて、ペルソナを検討するようになった
- ネットワーク管理者は統制を維持しつつサービス開発者に自由度を与え、中央で一括管理したい
- サービス開発者はネットワークを意識せず、サービスのコアの開発に集中したい
Amazon VPC Lattice の登場
- ネットワーク管理者とサービス開発者の要望を実現するため、サービスメッシュの考え方を取り入れた
- 2022年に サービス間の通信を一貫して接続、監視、保護する VPC Lattice が登場した
AWS Verified Access の登場
- 以前はエッジ[3]でセキュリティを担保するという考え方だった
- Zero Trust という考え方が普及し、各レイヤーでセキュリティ対策を実施する需要が高まってきた
- 2022年に ゼロトラストの基本原則に基づいて構築された Verified Access が登場した
おわりに
普段はサービスの機能に着目しがちですが、どういった背景で登場したのかを知るとサービスの理解度があがりますね。
参考
-
リージョン内のVPCピアリング は2014年に登場し、リージョン間のVPCピアリングは2017年に登場した ↩︎
-
ネットワーク構成が複雑になりすぎて1人で管理するのが難しくなったという比喩 ↩︎
-
「ネットワークの境界」という意味 ↩︎
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