LINEログインとMessaging API をつかってメッセージを送信する
はじめに
今回は、LINEとのアカウント連携を行い、Messaging APIを活用してメッセージを送信する方法について紹介したいと思います。
2024年10月7日に LINE Notify がサービス終了の告知を出したこともあり、タイムリーな話題かもしれません。ぜひお付き合いください!
Messaging API とは
Messaging APIは、LINE公式アカウントとLINEユーザーとのコミュニケーションをより便利にするためのAPIです。応答メッセージを送ったり、任意のメッセージを送信したり、リッチメニューを利用したりと、さまざまな機能を提供しています。
ただし、LINE Notifyとは異なり、毎月一定数以上のメッセージを送信する場合は料金が発生することに注意が必要です。
活用方法
今回は、サービスのユーザーに対して任意でLINEとのアカウント連携を行い、連携したユーザーに対してLINEを通じてメッセージ通知を行う方法を解説します。
実装イメージ
上記の目的を達するために、LINEのドキュメントを参考にしながら以下のようなシークエンス図のような設計を行いました。
シークエンス図の補足説明
- ユーザーがLINE連携ボタンをクリック:アプリ上でLINE連携を希望するユーザーがボタンをクリックします。
- Client AppがBackend Serverにnonce発行リクエスト:セキュリティを高めるため、サーバー側で一意のnonceID, nonceを発行します。
- Backend ServerがnonceIDとnonceを返却:nonceは後でIDトークンの検証に使用します。
- Client AppがLINE SDKにログインリクエスト:SDKを使用して、nonceを含めたログインリクエストをLINEに送信します。
- LINE SDKがユーザーにログインと友達追加をリクエスト:ユーザーはLINE上で認証と公式アカウントの友達追加を求められます。
- ユーザーが認証・認可を許可:ユーザーがログインと友達追加を承認します。
- LINE SDKがClient Appにユーザー情報とIDトークンを返却:ログイン成功後、LINEからユーザー情報とIDトークンが返ってきます。
- Client AppがLINE SDKに友達状態をリクエスト:公式アカウントとユーザーが友達であるかを確認します。
- LINE SDKが友達状態を返却:友達になっているかの情報を受け取ります。
- 友達である場合
- Client AppがBackend ServerにLINE連携登録をリクエスト:nonceIDとIDトークンをサーバーに送信します。
- Backend Serverがnonceを取得し、IDトークンを検証リクエスト:nonceIDからnonceを取得し、LINEのAPIでIDトークンの検証を行います。
公式のPOST https://api.line.me/oauth2/v2.1/verify
を使用しました。
- Backend ServerがLINEユーザーIDを取得し、ユーザーと紐付け:検証が成功したら、弊社ユーザーとLINEユーザーIDをデータベースに保存します。
- Client Appがユーザーに連携成功を通知:連携が成功した旨をユーザーに表示します。
- 友達でない場合
- Client Appがユーザーに連携失敗を通知:連携が失敗した旨をユーザーに表示します。
このように実装することで、弊社のユーザーとLINEユーザーIDを紐付けることを検証できました。
セキュリティ上の注意点
nonceはLINEの公式ドキュメントでも推奨されており、セッションを一意に識別し、セキュリティを強化するために用いられます。
この実装に従うことで、IDトークンの検証時にセッションの一環線を確認し、不正アクセスのリスクを低減できます。
- 一意性の確保:nonceは一意で予測不能な文字列である必要があります。同じnonceを複数回使用すると、リプレイ攻撃のリスクが高まります。
- 有効期限の設定:nonceには有効期限を設定し、一定時間が経過したnonceは無効化することでセッションハイジャックを防ぎます。
メッセージ送信部分について
弊社バックエンドでは、PHP,Laravelを使用しています。
そこで、メッセージの送信部分においては、 LINE Messaging API SDK for PHP
というLINE公式のSDKがあるため、簡単に実装することができます!
さらに、メッセージのデザインに関しては、LINE公式が提供しているFlex Message Simulator
を活用しました。これにより、デザイナーが弊社のデザインガイドラインに沿ったメッセージを直感的に作成でき、エンジニアとのコミュニケーションコストを削減することができました。Flex Message Simulator
で作成したJSONデータをそのままコードに反映できるため、実装もスムーズに進められました。
単体メッセージの実装イメージ(実際の実装とは異なります)
use GuzzleHttp\Client;
use LINE\Clients\MessagingApi\Api\MessagingApiApi;
use LINE\Clients\MessagingApi\Configuration;
use LINE\Clients\MessagingApi\Model\ErrorResponse;
use LINE\Clients\MessagingApi\Model\PushMessageRequest;
use LINE\Clients\MessagingApi\Model\PushMessageResponse;
class LineMessageClient
{
public function __construct(
private readonly Client $httpClient,
private MessagingApiApi $messageApi
) {
$this->messageApi = new MessagingApiApi(
client: $this->httpClient,
// ここでLINE Messaging APIのチャネルIDを設定する。
config: (new Configuration())->setAccessToken(env('LINE_BOT_CHANNEL_ACCESS_TOKEN'))
);
}
public function send(): ?PushMessageResponse
{
// LINEメッセージの中身
$contents =[
'type' => 'bubble',
'body' => [
'type' => 'box',
'layout' => 'vertical',
'contents' => [
[
'type' => 'text',
'text' => '記事テスト',
'weight' => 'bold',
'size' => '18px',
'color' => '#141414',
'wrap' => true
],
[
'type': 'text',
'text': '今回は、弊社が運用しているサービスでLINE連携を行なってメッセージがLINE経由で届くようにした話を共有したいと思います。',
'size': '14px',
'color': '#6e6e6e',
'maxLines': 2,
'wrap': true
]
],
'paddingTop' => 'xl',
'paddingStart' => 'xl',
'paddingEnd' => 'xl',
'paddingBottom' => 'xl',
'spacing' => '4px'
],
'footer' => [
'type' => 'box',
'layout' => 'vertical',
'spacing' => '4px',
'contents' => [
[
'type' => 'button',
'style' => 'secondary',
'height' => 'sm',
'action' => [
'type' => 'uri',
'label' => 'website',
'uri': 'https://company.suke-dachi.jp/'
],
'color' => '#FABE00'
]
],
'paddingStart' => 'xl',
'paddingEnd' => 'xl',
'paddingTop' => 'none',
'paddingBottom' => 'xl'
]
];
$message = new FlexMessage([
'type' => 'flex',
// Push通知の部分に表示されます
'altText' => 'Push通知で出てくるところ'
'contents' => $contents
]);
$messageRequest = new PushMessageRequest([
// 送信対象のLINEユーザーID
'to' => 'line_user_id'
'messages' => [$message]
return $this->messageApi->pushMessage($messageRequest);
}
}
上記実装イメージで送信されるもの
Push通知 | LINEアプリ |
---|---|
まとめ
LINEのMessaging APIとLINEログインを活用することで、ユーザーとのコミュニケーションをより円滑に行うことができます。また、公式のSDKやツールが充実しているため、実装も比較的容易です。特に、Flex Message Simulatorを活用することで、デザイナーとエンジニアの連携がスムーズになり、開発効率が向上します。
今後も新しい技術やサービスが登場する中で、最新の情報をキャッチアップし、適切に活用していくことが重要だと感じました。皆さんもぜひLINEの各種APIを活用して、サービスの価値向上に役立ててみてください。
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