AYANEO2にChimeraOSのインストールついでに開発端末化
そもそもの話
私の場合は案件毎にVirtualization環境(VMware, Quem, LXD, etc...)を構築して、案件終了毎に環境破棄することで、自身の作業環境をクリーンに保つようにしています。
この場合、作業端末の外部に仮想環境を置けば、Virtualizaionによるリソースのオーバーヘッドを抑えられ、また作業端末自体のスペックそのものはライトなものでも構わないことから、
- 計量で持ち運びも可能
- 邪魔にならない
- ついでにゲームもできる
という目論見で、現状(2024/11)低価格でハイスペックな端末が選択しやすいポータブルゲーミングマシンを仮想環境HOSTとする事を思い立ち、実行してみました。
結果、思惑通り且つ想像以上に快適だった事もあり、ここにメモを残します。
AYANEO2について
AYANEO2は、AMD Ryzen7 6800Uプロセッサーを搭載した7インチのポータブルゲーミングPC。全面ガラス張りのフロントデザインが特徴で、スタイリッシュで高級感のある外観です。スペック比で2024年現在の流通価格は破格です(新品購入で10万円でした. Ryzen7, RAM32GB, NVME SSD2TB は何をするにも余裕があって良い)。
主な仕様:
- プロセッサー: AMD Ryzen 7 6800U
- ディスプレイ: 7インチ、解像度1920×1200、323PPIの高ピクセル密度
- メモリ: 32GB LPDDR5 6400MHz
- ストレージ: 2TB PCIe 4.0 M.2 2280 SSD
- バッテリー: 12,450mAh、PD急速充電対応
- ポート: USB-C 4.0×2、USB 3.2 Type-Cポート、microSDカードスロット、イヤホンジャック
無線: Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 - その他: 立体音響スピーカー、デュアルジャイロスコープ、デュアルマイク、振動モーター、RGBイルミネーション、指紋認証
また、オーディオ振動システム SoundTAPMagic
を搭載し、振動機能がないゲームでも音声を自動解析して振動に変換することができます。
2023年1月31日に発売され、
発売時定価は
- 16GBメモリ/1TB SSDモデル: 213,000円
- 32GBメモリ/2TB SSDモデル: 246,800円
詳細や最新情報については、AYANEOの日本公式サイトを。
ChimeraOSについて
ChimeraOSは、AYANEOなどゲーミングPCを、SteamOSクローンとするプロジェクト。 ドライバ整備が進んでいる事から第一選択肢 となります。Steam Big Picture Mode
をベースにしており、ゲームパッドを使用して直感的に操作できます。ディストリとしてはArchベースです。
主な特徴:
- 簡単なインストール: 数分で新しいゲーミングシステムをセットアップ可能。
- 強力なアプリ: 内蔵のウェブアプリを使用して、任意のデバイスからゲームのインストールや管理が可能。
- 最小限のシステム要件: ゲームプレイに必要なものだけを含み、余分なものは排除。
- 即座にプレイ可能: 対応ゲームは設定不要で即座にプレイ可能。
- 常に最新: 定期的な更新で最新のドライバーやソフトウェアを提供。
- 自動更新: バックグラウンドで自動的に更新され、ゲームプレイを中断しない。
- コントローラー対応: Xbox、PlayStation、Steamコントローラーなど、さまざまなコントローラーに対応。
- 多様なゲームサポート: Steam、Epic Games Store、GOG、その他多くのプラットフォームのゲームをサポート。
ChimeraOSのインストール
オフィシャルを参考に。
必要なもの
初期作業時はBluetoothが使えな事から、USB経由で操作する必要があります
- USBキーボード
- USBマウス
GUI/CUIの切り替え
Linuxディストリ共通 (だと思うけど)
GamingモードとDesktopモードの切り替えが煩雑な場合は以下での切り替えがお勧め
- GUI to CUI:
Alt + Ctrl + F2
- CUI to GUI:
Alt + F7
ArchLinuxベースなのにpacmanが使えない
これは権限とロックファイルの問題なので、エラーの内容のまま修正すれば問題なかったです。
packages-managerはpacmanとflatpakを併用するArchLinuxまんまですね。
まずはアップデートしておきましょう。
sudo pacman -Syu
flatpak update
あとこの辺はインストールしておくと良いでしょう
# flatpakとpacmanの使い分けは `Archベース - 即ちあなた次第`
flatpak install perl make gcc python3 pip
pacmanパッケージのインストールができないとき
依存パッケージが既に存在する場合にエラーがありました
上書きインストールでOK
sudo pacman -S --overwrite "*" <package_name>
User作成
初期ユーザーは gamer
で、パスワードも gamer
。
SteamOSとして利用するにあたってはこのままが良さそうです。
passwordは変更しておきましょう。
sudo passwd gamer
rootのパスワードもですね。
sudo passwd
SSH設定
設定にあたってはTerminalでの作業がメインなので、SSH環境を構築して外部端末から作業するのが良いと思います。
SteamOS Plugin導入
オフィシャルSteamOSではないので、必須Pluginの導入について記録を残しておきます。
(2024.11.1時点、最新については各リポジトリを確認しましょう)
Firefoxインストール
デフォルトのブラウザは Gnome-Web
で頼りなく使いづらい + ChimeraOSプロジェクト的にFirefoxをインストールするのが推奨のようです。
flatpak install firefox
TDP制御を有効化
これは私の所有端末の個体の問題かもしれませんが(海外フォーラムを見渡しても何処にもスレッドが存在しない)、やたら電源がエラーも無く落ちてリセットが頻発します。今の所根本的な解決はできていませんが、電源管理ツールのインストールの為に以下の実行でTDPを有効にします。
su -
cd /tmp
git clone https://github.com/ruineka/chimeraos-hack-tools.git
cd chimeraos-hack-tools/hacks
./chimeraos-enable-amdpstate.sh
# 以下の実行で `amd-pstate` が返却されれば成功している
cat /sys/devices/system/cpu/cpu0/cpufreq/scaling_driver
Steam Link インストール
Firefoxから https://flathub.org/apps/com.valvesoftware.SteamLink を開きインストール。一応 sudo shutdown -r now
。
Decky Loader インストール
何はともあれDecky-Loaderあってこそ。最新VerはReleaseから確認してください。
su -
cd /tmp
curl -L https://github.com/SteamDeckHomebrew/decky-installer/releases/latest/download/install_release.sh | sh
shutdown -r now
# 確認
sudo systemctl status plugin_loader.service
# 再起動
sudo systemctl restart plugin_loader.service
DevelopperMode有効化
Menu -> Settings -> System
-
OS Update Channel
: stable -
Steam Client Update Channel
: Steam Deck Stable -
Enable Developer Mode
: true# 全作業完了後にfalseに戻す
Menu -> Settings -> Developer
-
CEF Remote Debugging
: true# 全作業完了後にfalseに戻す
PowerController インストール
su -
cd /tmp
# versionはリポジトリで最新を確認のこと
curl -OL https://github.com/oliverchang/PowerControl/releases/download/v0.0.7/PowerControl.tar.gz
tar -xvzf PowerControl.tar.gz -C homebrew/plugins/ --overwrite
# 再起動を1分後にセット
shutdown -r -t 0
AYANEOボタン(コントローラ一番右下)クリックで、右サイドメニューを表示、
サイドメニュー内の一番下のコンセントアイコンからインストールを確認
AyaLed インストール
LED制御サービス
su -
frzr-unlock
cd /tmp
wget https://github.com/Maccraft123/ayaled/releases/download/0.3.0/ayaled-0.3.0-1-x86_64.pkg.tar.zst
sudo pacman -U ayaled-0.3.0-1-x86_64.pkg.tar.zst
shutdown -r now
# 確認
sudo systemctl status ayaled
# サービス起動
sudo systemctl start ayaled
LED制御のコマンドは配布元を参照
とりあえず、これで基本動作は大丈夫そうです。
あとは VMWARE WORKSTATION PRO - Personal Use を導入すれば、
使い捨て開発環境ホストの完成です。
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