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AI Agentから呼び出せるWeb検索ツール 比較(随時更新)

最終更新:2025/10/14

はじめに

こんにちは、株式会社GenAiの菅原です。
AI Agent開発において、インターネットから情報を補完してくるRAGは、頻繁に利用しますよね。
私が Google ADK で開発をするときは、何も考えずに Google Search Tool を組み込んでいたのですが、その他のFW(LangChain, Vercel AI ADK, CrewAIなど)を使うときには、Googleに縛られないため、選択肢がかなりあると感じました。

そこで、2025年10月時点で利用可能な代表的なWeb検索ツール/APIを整理してみました。

なぜWeb検索Toolを組み込むか

LLM(大規模言語モデル)は訓練データに基づくため、知識カットオフが存在します。
そのため、トレンドデータなど、リアルタイム性や専門領域のデータが必要なケースでは、Web検索による情報補完が欠かせません。

主なユースケースは以下の通りです:

  • リアルタイムの情報(ニュース、株価など)を取得する
  • ドメイン固有データ(特定の学術研究論文、新技術ドキュメントなど)を取得する
  • 複数情報源をクロスチェックして、事実性を高める

最近の傾向

RAG × Agent化の流れ

単なる「検索+回答」ではなく、エージェントが自律的に「いつ・どんな検索を行うか」を判断するアーキテクチャが主流化しています(例:CrewAI, Google ADK)。

検索品質よりも「要約API化」への進化

Tavily や Exa のように、「検索 → 要約」までを一気通貫で返すAPIが増加。
→ LLM側では「結果の要約」ではなく「検証と統合」に集中できることが価値になっています。

プライバシー・法令遵守への関心の高まり

Webスクレイピングを組み合わせる開発も増えているが、TOS遵守や個人情報の扱いが課題。
特に欧州や日本企業向けでは、API経由の安全な検索が推奨されています。

主なWeb検索ツール

Tavily

https://www.tavily.com/

モダンなAI検索ツールです。自由記述のクエリでインターネット検索する「Search」をはじめとして、「Extract」「Crawl」「Map」の各種APIを提供しており、単なる検索ではなく、構造化抽出やクロール、地図連携機能なども備える点が差別化要素です。

特徴

  • AI最適化設計
    • LLM・エージェント用途を前提に最適化されており、出力もAIフレンドリーな形で出力可能(JSON)
  • 出典付き/透明性
    • 検索結果に参照元を含めることで、生成内容の裏付け・説明性を高められる。
  • スケーラブルな料金
    • 無料~従量課金~月額定額~エンタープライズまで幅広く対応。
  • 高速性とリアルタイム性
    • リアルタイム機能をうたっており、最新情報を即座に取得できる
  • 既存AIツールとの統合実績
    • LangChainコミュニティとの統合やアピールが見られる。

Exa

公式:https://exa.ai/

Exa は他の一般的な検索 API よりも「LLM やエージェント用途で使いやすさ」を重視している設計が目立ちます。

特徴

  • 検索 + 抽出 + 応答形式 + 類似性検索 等、多様なエンドポイントを揃えていること
  • LLM に適した形式(文脈付き、クリーン HTML、抽出済みテキスト)を返す機能
  • モード切替(意味検索 vs キーワード検索)を自動判断 or 明示指定可能
  • ドメイン制御・除外指定など、検索対象を柔軟に制御可能
  • MCP 経由で AI モデルと直接統合できる設計(エージェントとの親和性)

制約・注意点

  • ドキュメントでは検索上限(100 件など)や制限について明記があるので、極大スケール用途では制約がでる可能性あり
  • neural モード/意味検索モードの精度や信頼性は、実際のクエリ・ドメインに依存する
  • 抽出済みのHTMLや “きれいなコンテンツ” を返す処理は、複雑な構造のページに弱い可能性(Canvas等もいけるのかは未検証・・・)
  • コストモデル・レート制限・キャッシュ戦略などは、公式情報以外だと利用者報告ベースや不透明な点がある

Serper API

公式:https://serper.dev/
Serper APIは、その名の通り、SERPを取得するAPIです。これを使うことで、AIエージェントがGoogle検索をリアルタイムで実行できるようになります。また、価格の安さが売りです。

特徴

  • Google に特化
    • 通常検索(organic results)では、Google の検索結果のうち通常のオーガニック検索結果を取得可能。
    • Google 検索エンジン特有の構造(Knowledge Graph, ナレッジボックス等)を活用できる
  • 多様な縦断カテゴリ対応
    • Googleのニュース、画像検索、Google Map検索、Placesの検索、動画検索などに対応
  • Google 検索結果を返すレスポンスの速さは“1~2 秒でのレスポンス”とのことで、低遅延性を重視しています。
  • 安価/無料枠
    • 少量利用であれば初期無料クエリ枠(2500まで)があり、低コストで試せる点が入門的な用途に有利。

制約・注意点

  • Google 検索エンジン依存
    • Serper は Google 検索結果をベースとしているため、Google 検索エンジンの仕様変更・制限・キャプチャ要求・規制の影響を受けやすい。
  • HTML 抽出・全文取得には限界
    • 検索結果スニペットや要約は取れるが、検索結果先のWebページの全文取得・クリーン処理は別途スクレイピングや HTML抽出モジュールが必要になる場合があるので、これだけで全部済ませることはできない。

Google Custom Search JSON API

https://developers.google.com/custom-search/v1/overview?hl=ja

Bing Search API

https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/announcements/bing-search-api-retirement

DuckDuckGo API

https://duckduckgo.com/
未調査です。

関連記事・参考

https://tech-useit-wealth.com/【python】google-searchの代替手段として、duckduckgoを使ってみようと

あとがき

ひとまずめぼしいものをまとめてみました。
Tavily、Exaは使い勝手もカバー範囲も広く、よかったです。他のものは追加で実績として利用でき次第、まとめていきます。何かの参考になれば幸いです。

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