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SECIスパイラルとワイズリーダー

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本記事の目的

・読了した書籍の知識の定着を図るためのアウトプット作業
・自らの経験などを生かした考察による情報発信

考察対象文献

図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ
坪谷邦生、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022

SECIスパイラル

SECIを回して持続的にイノベーションを起こし続けること。
ワイズリーダーのフロネシスが原動力となっている。
また、ワイズリーダーが6つの実践を行うことでSECIスパイラルが回るのである。

6つの実践は以下である。

  1. 何が善か判断する
  2. 本質を掴む
  3. 場を創造する
  4. 本質を伝える
  5. 政治力を行使する
  6. 社員の実践知を育む

ワイズリーダーの6つの実践

何が善か判断する

善が何かを判断するということはつまり、自社や社会にとって何が良いことかを見極めることである。
組織に対して善の判断を習慣として定着させることは難しく、リーダーが率先してその姿勢を示していかなければならない。
上からの指示を待たずに善を判断することができるメンバーもワイズリーダーと呼ぶことができる。
善の判断力を養う方法は4つある。

  1. 逆境や失敗の経験
  2. あくなき卓越の追求
  3. リベラルアーツを学ぶ
  4. 価値観や倫理観の原則を共有

本質を掴む

本質を早く掴み、出来事や人物の真の性質を見抜くのがワイズリーダーである。
ホンダ社の本田宗一郎氏は、新しく作られたバイクの出来を判断するために実際に走行させて、音や振動を感じ取っていた。この身体的な経験で本質を掴んでいた。
本質を掴む能力を養う方法は3つある。

  1. 徹底的に問う
  2. 木と森を見る
  3. 仮説を立て試し検証する

場を創造する

ワイズリーダーは新たな知識を創造できるように相互交流の場を作る。
場とは、人と人との関係が築かれて、相互交流が生じる環境のことを言う。場に参加する人は、情報を共有し、主観を相手に入れ込むことで相互理解を深められている。新しいことが創出されなければ場とは呼べない。
場を創造するために必要な能力は6つある。

  1. 垣根を作らない
  2. タイミングを見計らう
  3. セレディピティ*を引き出す
    ※セレディピティ: 偶然の産物
  4. 本音で話す
  5. 共通の目的意識を育む
  6. コミットメントの範を示す

本質を伝える

ワイズリーダーは本質を伝えるためにレトリック・メタファー・物語を使う。
レトリック: 相手の状況に合わせて説得し意欲を引き出す方法のこと。論理、感情、人格の3つの手段が必要である。
メタファー: 隠喩、例えのことである。

本質を伝える能力を養う方法は4つある。

  1. 小説を沢山読む
  2. 感動的なスピーチを聞く
  3. 率直な会話を交わす
  4. 歴史を再構築する

政治力を行使する

ワイズリーダーは、善である目的を達成するためにあらゆる手段を用いて人を動かす。
つまり、本質を掴んで、伝えるだけではダメで人を動かせないといけない。どのような状況下においても人を動かすには、それぞれ相反する考えを抱きながら適切に考えられる統合的な発送が必要である。
統合的: 複数の物事を全て考慮に入れる様

政治力を育む方法は3つある。

  1. 弁証法*の利用
    ※弁証法: 一つの物事を対立した二つの規定の統一としてとらえる方法
  2. ミドルアップダウンマネジメントの適用
  3. 肯定的な反抗を奨励する

社員の実践知を育む

ワイズカンパニーにおいては、トップの人間だけでなく組織にいる人間全員が実践知を体現しなければならない。実践知を体現すると言うことはやるべきことを知っていると言うことになる。
トップの人間が、メンバーに積極的に関わり価値観などを共有することで知識やスキルを身につけてもらい任せることで相互の信頼が生まれる。

社員の実践知を養う方法は4つある。

  1. 現代版の現代版の徒弟制度 = メンター
  2. 全員経営
  3. ジャズのような即興
    ->変化が激しい現代において個人の自主性、組織の連携と個人同士の主観にある共通点が同時に求められる。
  4. ダイナミックなネットワーク型組織
    ->ヒエラルキー型組織とネットワーク型組織にハイブリッド
    ※ヒエラルキー型組織: トップダウン型の組織構造
    ※ネットワーク型組織: 特定のリーダーを作らない組織。個人の自主性が求めれらる。

考察

ワイズリーダの個の力が低いとSECIスパイラルは起こらないことがある。なのでワイズリーダーは、6つの実践を行うための力を養わなければならない。
善を養うためには幅広い教養が必要である、日々勉学に励むことが求められている訳で、常にリーダーとして成長の実践者とならなければいけないのだ。自分のやりたいことをしていないと成長を継続するのは難しいのでWantを追求してくのが良いだろう。

  1. 何が善か判断する
  2. 本質を掴む
  3. 場を創造する
  4. 本質を伝える
  5. 政治力を行使する
  6. 社員の実践知を育む
    上記の6つの実践を全て同時に実践するのではなく、1から順に無理なく地道に能力の向上に努めていくのが良いのではないだろうか。政治力を行使するには本意を掴んで伝えることが大前提だからである。

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