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心理学的経営

2022/05/17に公開
目次
本記事の目的

・読了した書籍の知識の定着を図るためのアウトプット作業
・自らの経験などを生かした考察による情報発信

考察対象文献

図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ
坪谷邦生、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022

心理学的経営

心理学的経営とは

リクルート社の創業メンバーの一人である大沢武志氏が著した本のタイトルである。心理学的経営はリクルート社創業期から実践されている。

個をあるがままに生かす

リクルート社の組織文化の骨格を気づいた思想がある。それは、「個をあるがままに生かす」である。
仕事や組織のことを自分ごとに捉える意識を高めることが重要で、自らも主役であるということを理解することが重要なのだ。

6つの構成要素

心理学的経営は、以下の6つの要素から成り立っているがそのうちの2つが以下である。
・動機付け
・自立したチーム

動機付け

要約

・ここでいう動機付けは、若者を仕事に駆り立てる動機付けのことを指している。
動機付けの3つの条件として、挫折などを乗り越えて自分はできると感じる自己有能性、裁量を大きく責任を持って自分で決めることができる自己決定性、認められていると感じる心理的充足と安定がある。
・ハースバーグの二因論によると、働く人の満足は仕事そのものからしか生まれない。仕事の環境は多くても満足にならないが、不足すると不満になる。
・ハックマンとオルダムの職務設計の中核五次元によると自主的にやりたくなる仕事の要件は、スキル多様性、仕事の完結性、仕事の重要性、自立性、フィードバック
・目標によって動機付けは大きく左右される。具体的で明確であること、頑張れば届く、ないしは頑張っても届かなそうな目標が効果的である。個人目標もそうであるが、集団の目標も重要。目標はフィードバックが必要である。

考察

リクルート社の取り組みの中にあるのが、
目標を定め、それを達成しやり切ることで自己有能性を高める。また、盛大に祝い心理的充足を与える。本人の自己決定性を尊重し、異動希望を出した場合は上司に拒否権はなく引き止められない。
である。異動希望を出して上司に拒否権がないというのは、驚くべきことであるが逆に組織が崩壊しないのか気になるとともに本当に実践されているのか気になり調べたところ、とある記事を見つけた。
リクルート社の瀬名波氏とサイバーエージェント社の曽山氏の対談記事である。
部下の「やりたい」に上司の拒否権なし
リクルートが実践する“社内求人制度”の仕組み

社内求人が年に1回掲載され、それを見て異動希望すると面談に進める。面談に合格した後は、上司に拒否限がないというのが実際のところである。組織を保つための仕組みとして上司に慰留期間があり、もしメンバーが残らなくても空いた穴は優先的に補充されるようだ。

仕事の環境は多くても満足に繋がらないという点においては、少し驚いた。与えすぎても意味がないということである。しかし、不足すると不満につながるので当たり前の環境はトレンドを把握して提供しなければいけない。環境に関しては、従業員の定着や採用に関わるので職種によって日々再定義して行かなければならないであろう。

ハックマンとオルダムの中核五次元について、社長という職業の立場で考えてみた。社長は、スキルの多様性が求められている。仕事に最初から最後まで携われるので仕事の完結性がある。もちろん仕事の重要性もある。自立性は最も求められるだろう。中核五次元のうちの4つは満たされているもののフィードバックに関しては社長という立場では課題となっているのではないだろうか。社内、社外から積極的にフィードバックを受けないとやりたくなる仕事として要件を満たすことできないので、世の社長は試行錯誤していることだろう。

目標は、フィードバックが必要でフィードバックがないと目標を立てた効果が薄くなってしまう。組織に属することでフィードバックを受ける機会が増えるので、組織化する意味の一つに目標の効果を高めるということが入るだろう。目標も立てずにフィードバックもない組織からは抜けるのが正しい選択である。

自立したチーム

要約

・個人はチームの暗黙のルールに左右されており、所属しているチームが複数あることは健全ではない。理由としては、行動にブレが生じることと、自立的な行動が取りにくくなるからである。
兼務の場合は、主のチームを決めることで健全さを保つことができる。
・チーム編成は5~7人が適切で、この人数は各々が意志を持って相互に介入しながら自律的に動くことができる数なのである。
・連帯感のあるチームは、仕事において不安や緊張感が少ない。要因には、目標が魅力的であり、メンバー自身の目標として受け入れられていること。メンバー間の関係が良好で、心理的安全性が保たれていること。チーム自身が周囲から高評価を受けていると認識していること。
・チームに自立性が認められているとメンバーの自主性が向上する。自分たちで意思決定を行うチームは活性度が高まる。

考察

所属が明確でないと振る舞いに迷いが生じることに対して、実際に複数に所属している人は所属が明確になっている場合と比較できないので、迷いが生じていることに気づかない人が多いのではないだろうか。所属を明確にすることで得られるメリットを知っていることで複数に所属して現状が変えられない人も対策が行えるはずだ。
お互いの個性がわかる人数が、5~7人が適切だということも知らなければチーム編成時に適用できないであろう。チームの人数が増えてきたらチームの分割を行うのが適切なアプローチなのだろうと考えた。
仕事に不安や緊張感が少ないチームは連帯感があるということだが、メンバー間の関係が良好で、心理的安全性が保たれていること。については非常に重要なファクターであると感じている。仕事上の不安は、質問できる環境が整っていること、その応対者が質問者に対してプレッシャーや圧を与えないことで取り除けるのではないだろうか。質問できずに不安が残ったままの業務はストレスになり心理的に害悪だからである。緊張感というのは、上司が怒鳴っていたり無理なスケジュール設定をされたりすることで発生すると考えている。実体験として上司が怒鳴っていてメンバーが萎縮しチームがうまく回らずに呼吸するかの如くメンバーが入れ替わりをしているのを目の当たりにしたので、間違いないであろう。

自分たちで意思決定ができるチームは活性度が高まり、全体の組織の活性化につながるが、企業というのは階層構造となっており、部署単位、課単位のチームがあるのでどこまでの意思決定をどこのチームに持たせるのかという判断が難しそうであり、課題になっているのではないかと考える。とある企業ではメンバー全員をCTOにして平らな企業構造にしており、今後の成果について気になるところである。

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