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組織開発の歴史1

2022/05/24に公開
本記事の目的

・読了した書籍の知識の定着を図るためのアウトプット作業
・自らの経験などを生かした考察による情報発信

考察対象文献

図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ
坪谷邦生、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022

組織開発の歴史を学ぶ意義

歴史を学ぶことで哲学や思想を知ることができるが、実践者のあり方が重視されている組織開発においてベースとなる哲学や思想は外せないのである。

組織開発のざっくりとした歴史

1900年代に、3人の人物が組織開発の根底を築いた。

  1. 経験から内省して学ぶ byジョン・デューイ
  2. いま、ここを意識化する byエドムンド・フッサール
  3. 無意識の抑圧を治療する byジクムント・フロイト

1920年代に、組織開発の基礎が築かれた。

  1. 集団精神療法→集団の力で治療
  2. 人間関係論→大量生産の科学的管理手法に対抗
  3. バーナード組織論→組織をシステムとして捉えた

1940年代に、組織開発が誕生

  1. Tグループ byクルト・レヴィン→民主的な組織開発手法
  2. チェンジエージェントが集うNTL→Tグループの実践者
  3. サーベイ・フィードバック byリッカート

1950年代
日本に組織開発が入ってきて、ST(感受性訓練)がブームになる。
品質管理の自主活動であるQCサークルが製造業において発展する。
アメリカが日本からQCサークルを取り入れる。

1970年代に、アメリカの組織開発は絶頂期を迎える。
1990年代に、大手コンサル会社のチェンジマネジメントの台頭により組織開発が衰退する。
2000年代に、クーパーライダーの登場で組織開発が復活し、対話型組織開発として発展する。

ジョン・デューイ

プラグマティズムを代表する哲学者である。プラグマティズムとは、効果を出しているものを事実であるとみなす思想のことである。

考察

プラグマティズムは、現代に適した思想であると考えている。流行り病や情勢の悪化などで世の中がスピード感を持って複雑になってきているからである。これまでの慣習や常識に囚われいると組織は崩壊してしまうだろう。数字に頼ってアプローチしていては個々への働きかけは弱くなってしまうのではないだろうか。組織開発においては殊更である。効果が出ているのであれば、数字上正しくとも、人間的な感覚を優先して判断していくのが適切なアプローチにっていくはずだ。

エドムント・フッサール

いま、自身におこっている経験に耳を傾けること、つまり主観を重視したのがフッサールである。
また、普段素通りするような経験を書き記して意識化することを求めている。現象学を唱えた。

考察

フッサールは現象学を唱えたわけだが、この現象学というのが掴みにくい。フッサール自身も歳を重ねるごとに考え方が変わっていったようである。フッサールが言いたいことは、先入観に囚われずに物事そのものに向かい合って考えるべきだと言うことだと解釈した。

ジグムント・フロイト

フロイトは人間には無意識の領域があり、そこで抑圧された心理的な葛藤がいつしか病理を生み出すと主張している。それを対話によって治療する精神分析を行なっていた。
組織開発へは、無意識の領域を対話によって見える化するという形で継承されている。

考察

病理が発生していたとして、それを治そうとしても無意識の領域にあっては治療できないのではないだろうか。原因がわからないと、アプローチの仕方もわからない、何が原因でその病理が生まれているのかを対話によって見つけ出そうとしたのがフロイトということだろう。なぜこれが対話という表現がされているかと考えたが、無意識の領域にあるものを見える形にすることは対話者同士の関係性が重要になっている気がするからだ。関係性が出来上がっていないと話せることが限られてしまうだろう。

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