【C#アルゴリズム】繰り返し二乗法
はじめに
paiza で繰り返し二乗法にまつわる問題が出てきたのでこれについてまとめました。
繰り返し二乗法とは
繰り返し二乗法(または「二分累乗法」)は、効率的に累乗を計算するアルゴリズムです。特に、非常に大きな累乗を計算する場合や、モジュロ演算(mod)と組み合わせて使用する場面で有用です。
基本の考え方
通常の累乗計算は次のように行います:
これには
繰り返し二乗法では、指数
繰り返し二乗法の原理
累乗の基本性質
-
加法的性質:
a^{x+y} = a^x \cdot a^y -
乗法的性質:
a^{2x} = (a^x)^2
これらの性質を使って、指数を分割しつつ累乗計算を効率化します。
指数の二進法分解
指数
ここで
これを用いると、次のように指数
この展開では、ビット
アルゴリズムの手順
-
初期化
初期値として、結果 、底\text{ans} = 1 、指数\text{base} = a を用意します。b -
繰り返し処理
指数 を二進法で右から順に処理します:b -
の最下位ビットがb の場合、現在の底1 を結果に掛けます:\text{base}
\text{ans} = \text{ans} \cdot \text{base} - 現在の底を二乗します:
\text{base} = \text{base}^2 - 指数を右にシフトして次のビットを処理します(または整数除算
を行います)。b \div 2
-
-
終了条件
になるまで繰り返します。b = 0
a = 3, b = 13 の場合
例: -
指数を二進法で分解
なので:b = 1101_2
3^{13} = 3^{2^3} \cdot 3^{2^2} \cdot 3^{2^0} -
計算手順
- 初期値:
\text{ans} = 1, \text{base} = 3, b = 13 -
の各ビットを処理:b = 1101_2 - ビット 1(最下位):
、\text{ans} = 1 \cdot 3 = 3 、\text{base} = 3^2 = 9 b = 6 - ビット 0:スキップ、
、\text{base} = 9^2 = 81 b = 3 - ビット 1:
、\text{ans} = 3 \cdot 81 = 243 、\text{base} = 81^2 = 6561 b = 1 - ビット 1(最上位):
、終了\text{ans} = 243 \cdot 6561 = 1594323
- ビット 1(最下位):
- 初期値:
-
結果
3^{13} = 1594323%
モジュロ演算との組み合わせ
繰り返し二乗法は、特に以下の形式の計算に使用されます:
モジュロを掛け算の各ステップで適用することで、巨大な数の計算を防ぎます。
具体例
例1:
- 13を2進数に変換:
13 = 1101_2 - 累乗を計算(偶数部分は二乗、奇数部分は掛け算):
3^1 \bmod 7 = 3 3^2 \bmod 7 = (3 \cdot 3) \bmod 7 = 9 \bmod 7 = 2 3^4 \bmod 7 = (2 \cdot 2) \bmod 7 = 4 3^8 \bmod 7 = (4 \cdot 4) \bmod 7 = 16 \bmod 7 = 2
- 必要な部分だけ掛ける(
):3^{8+4+1} = 3^8 \cdot 3^4 \cdot 3^1
3^{13} \bmod 7 = (2 \cdot 4 \cdot 3) \bmod 7 = 24 \bmod 7 = 3
C#コード
繰り返し二乗法を使用して
using System;
class Program
{
static void Main()
{
int a = 3; // 底
int b = 13; // 指数
int m = 7; // モジュロ
int result = ModPow(a, b, m);
Console.WriteLine($"({a}^{b}) % {m} = {result}");
}
private static int ModPow(int baseNum, int exponent, int mod)
{
long result = 1; // 初期値
long baseMod = baseNum % mod; // modを取った初期の底
while (exponent > 0)
{
// 指数が奇数なら結果に底を掛ける
if ((exponent & 1) == 1)
{
result = (result * baseMod) % mod;
}
// 底を二乗し、指数を半分にする
baseMod = (baseMod * baseMod) % mod;
exponent >>= 1; // 指数を右シフト(2で割る)
}
return (int)result;
}
}
アルゴリズムの特徴
-
高速性:
の時間計算量。O(\log b) - 省メモリ: 繰り返し二乗法は通常、一定のメモリで動作。
- 実用性: 暗号理論(RSA暗号など)、競技プログラミング、大規模な数値計算で頻繁に利用されます。
応用例
- 暗号理論:大きな素数を扱う場合の高速計算。
- 競技プログラミング:巨大な数の演算が必要な問題に対応。
おすすめ・参考書籍
問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造 (KS情報科学専門書)
データ構造とアルゴリズム[第2版] (新・情報/通信システム工学)
Discussion
アルゴリズムは、院生さんや専門学校生に需要があるのかも?
と言いつつ某学校ではプログラミングを教えるのに難しさがある様子で、オンラインツールとかウェブアプリやストアアプリを成果物として評価してもらう仕組み。
でも、就職した先はものすごい熾烈な競争、耐えきれずか待遇向上を目指して転職、全体的な従事者減少。
結局のところ、各業種に詳しいシステム管理者が欲しいとの話でした。
業種に詳しくなりつつ、プログラミング技術も磨いていくって難しそう。
同時並行苦手なので、業種の知識とプログラミングとかアルゴリズムの知識を段階に分けて、層状にするのが良いのだろうか。
まるさんの率直な意見が聞きたいな。
コメントありがとうございます。
誤解を与えてしまっているかもしれません。就職先ネットワーク系なのでプログラミングを使うことはあまりないと思っています。
なので、「なぜ今アルゴリズムについて勉強しているか」についてと「理想的な勉強」について分けて答えさせてください。
「なぜ今アルゴリズムについて勉強しているか」
私は情報学部卒ではありません。そのため、基本的なアルゴリズムを知りません。paizaで定番アルゴリズムとグラフアルゴリズムを勉強し終えるとpaizaから撤退するつもりです。しかし、本などは定期的に読もうと思っています。(Zennはほとんどメモのつもりで行っていて、notionで本記事をリンクさせています。)
「理想的な勉強」
アルゴリズムの勉強を終えてから、業種の理解とAI、クラウドについて学ぼうと思っています。私は新卒ですので、業種の理解がまずは第一と思っています。具体的には、応用技術者試験やネットワーク系の資格取得に向けた勉強を行います。社会人2年目からは、Tech Commit等に入り、アプリ開発をします。そして、その経験を活かしてネットワーク系からサービス開発に職種を移りたいと考えています。(5-10年程度で)
長くなりましたが、回答になっていますか?
遠慮なく教えてください。
ありがとうございます。
また日数かけて、じっくり検討してみます。
締めくくりの質問です。
Zennでも、いくらか収入あればモチベーションになりますか?
そうだとすれば、月額いくらぐらい欲しいですか?
でも、結局収入ってなると、学習っていうより、記事を被せる人だらけになる気がして…
今大学生なのですか??
就職活動のアドバイスも簡単にできると思います。
結論は、モチベーションになります。月額いくら欲しいという目標はないです。前述したように、勉強のメモ程度で書いてますが、お金がもらえればまあ、嬉しいのは本音です笑笑
記事を被らせる人が量産されたら問題になりますよね。でもこれで記事を量産するよりかは、せどりや動画を量産した方が収益になりやすいので、そこまで問題にならないと思っています。
金ほしいんかいっ❗
バッジ送る→豪華な昼御飯etc
ほほほ、検討しておきますわ。
学生ではないです。
たぶん社会人でもないです。
宇宙人です。
お金は欲しいです。現状、動画とせどりでしか収益化出来ていないので、こちらでも収益化できるなら欲しいというのが本音です。
笑笑そうなのですね。
コメントありがとうございました!