Proxmoxクラスタ(構築編)
前書き
仕事でProxmoxを弄る機会に恵まれたので、自宅でもクラスタを組んでみようという話。
物理ホストとネストホストでクラスタを組んで、VMを手動でマイグレーション(フェイルオーバー)して元に戻す(フェイルバック)するまで。
バージョンは8.2.2。
画面は日本語にしてあるので、別の言語環境で実施する場合は注意されたし。
環境
1台目(マスタ)
DeskMini B660にインストール。
2台目
VMware Workstation 17 Pro上にネストでインストール。
ゲストOSはDebianを指定する。
ストレージ
QNAPのTS-464-8Gに「NAS-VM」という名前の領域を作成し、NFSで各ホストでマウント。
Proxmoxインストール
インストールは色々な所に情報が転がっているので省略。
今回は以下の構成でインストールし、「veritas」という名前のクラスタを構築する。
ホスト名 | IPアドレス | ストレージ | 備考 |
---|---|---|---|
hare | 192.168.2.51 | NAS-VM | 物理。こちらをマスタにする。 |
maki | 192.168.2.52 | NAS-VM | ネスト環境。 |
クラスタ構築
クラスタを作成
マスター側にブラウザでログインして、
「データセンター」->「クラスタ」->「クラスタ作成」からクラスタを作成する。
例によってTask Viewerが表示されるので、「TASK OK」と出力されればOK。
作成すると、自分自身が所属している事が解る。
クラスタに参加
Join情報取得
先の画面で「Join情報」を押下する。
IPアドレス、Fingerprint、Join情報が表示されるので「情報をコピー」をクリックして控えておく。
参加
2台目にログインして、
「データセンター」->「クラスタ」->「クラスタに参加」をクリック。
先程コピーしたJoin情報をペーストすると、マスタ側のrootパスワードを求められるので入力。
入力したら、Join 'クラスタ名'をクリック。
SSL認証で怒られた。
/etc/pve/nodes/maki/pve-ssl.pemが無いというエラーが表示され、
マスタ側のクラスタ情報に表示される物の2台目では「接続エラー」が発生している問題が発生。
素直に調べたらコミュニティのページがヒットしたので、
お互いにSSH接続を行いリロードしたら(見た目上は)上手く行った。
マスター
2台目
VMマイグレーション(マスタ->2台目)
事前にマスタ側でNAS上に作成した仮想マシンを選択し、右上の「マイグレート」ボタンをクリック。
マイグレート先に2台目のホスト名が表示されるので、「マイグレート」を押下。
上手く行けば「TASK OK」
※localのストレージを見ていると失敗するという情報あり
VMのサマリを見ると、ノードが2台目の「maki」になっている。
起動確認
2台目にログインし、VMを起動。
怒られた
VMの設定で「Intel VT-x/EPTまたはAMD-V/RVIを仮想化」を有効にするのを忘れていた。
しかしサポートされていないらしく、
無視したらVMが起動出来なかった。
こちらの情報を参考にWindowsの仮想化関連の設定を無効化。
具体的には以下の通り。
- Windows ハイパーバイザープラットフォームを無効化
- メモリ整合性をオフ
- ローカルセキュリティ機関の保護をオフ
変更したら再起動を促されるので再起動。
起動出来た。
VMマイグレーション(2台目->マスタ)
今度はVMを起動している状態でマイグレーションしてみる。
「マイグレーション」を押すと、モードが「オンライン」になっている。
メモリをマイグレーションする必要があるので、メモリのサイズ次第では結構かかる。
無事マイグレーション出来た。
後書き
思った以上にすんなり行って驚いた。
ただ肝心なのは突発的にホストがダウンした際の挙動なので、他にも色々試してみたいところ。
あと便宜上(用途上?)マスタと称した物の、設定項目上はマスタ/スレイブに相当する物は見つからず。
vCenterでも設定としては存在しないが、内部的にはそれらしい物があった気がするので、
もう少しドキュメントと実機を読み漁ってみる。
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