Python環境構築ガイド:venv・Docker・クラウドの選び方と使い分け
はじめに
こんにちは、SE出身の駆け出しデータサイエンティストの「マチ」です。
データ分析や機械学習に取り組む際、最初につまずきがちな壁の一つが「Python環境構築」ですよね。私自身も最初はどの方法が良いのか迷いました。
そこで今回は、よく使われる3つのPython実行環境について、それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較しつつ、どんな場面で使い分けるとよいかを解説します。
1. ローカル仮想環境(venv, pyenvなど)
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概要
PC上にプロジェクト単位で独立したPython環境を構築する方法です。Python標準のvenvや、複数バージョン管理ができるpyenvがよく使われます。 -
メリット
- 軽量で動作が速い。
- オフラインでも作業できる。
- VS CodeなどのIDEと相性が良い。
- 設定がシンプルで、初心者にも取り組みやすい
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デメリット
- Python本体のバージョン切り替えには
pyenv
などの補助が必要。 - OSの違いによって再現性が低くなることがある。
- Python本体のバージョン切り替えには
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おすすめの場面
- Pythonに触れてみたい場合。
- シンプルな分析やスクリプトをローカルで実行したい場合。
2. コンテナベース環境(Docker, Podmanなど)
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概要
実行環境一式をコンテナとしてパッケージ化し、どのマシンでも同じ環境を再現できる仕組みです。 -
メリット
- OSや依存ライブラリも含めて一括で環境管理ができる。
- チーム開発やCI/CD環境でも再現性が高い。
- 他のアプリと干渉せず、マルチサービス構成(DB連携など)を簡単に実現できる。
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デメリット
- 初心者にはやや学習コストが高い。
- 初期構築やイメージのビルドに時間がかかることがある。
- GUIツールとの連携が難しい場合がある。
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おすすめの場面
- 複数人での開発を見据えている場合。
- 将来は本番環境などへの移行を考えており、再現性の高い環境を作りたい場合。
- Dockerを学びたい場合。
3. クラウド・仮想マシン環境(Google Colab・AWSなど)
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概要
Google Colabなどのクラウドベース環境や、AWSなどの仮想マシン上でPython環境を構築・利用する方法です。 -
メリット
- GPUや大容量メモリなどの高性能マシンが使える。
- 初期構築が不要なサービス(Colabなど)があり、すぐに使える。
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デメリット
- インターネット接続が必須。
- 無料枠には使用制限や時間制限がある。
- カスタマイズ性はサービスによって制限される。
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おすすめの場面
- GPUを使ったモデル学習を試したい場合。
- 学習用・実験用に手軽な環境がほしい場合。
さいごに
Python環境の構築方法は目的や状況によって最適な選択が異なります。個人的には、以下のような段階的なステップアップをおすすめします。
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まずはGoogle Colabで気軽に試す。
書籍「Pythonで学ぶはじめてのデータサイエンス 」に沿って学習するのがおすすめです。 -
慣れてきたらローカル環境(venvなど)で本格的に学習する。
「WindowsのVSCodeでPythonの仮想環境を作る手順」[1]が参考になりました。 -
環境の再現性やチーム開発を意識するならDockerに挑戦する。
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必要に応じてクラウド環境で拡張・スケールアップする。
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記事の補足
・「1-1.Pythonをダウンロード」の手順においては、後日バージョン確認できるよう、
「Add Python3.XX to PATH」にチェックを入れることをおすすめします。(参考記事1)
・「1-2.VSCodeをダウンロード」の手順においては、意図せず環境が変化してしまわないよう、
VSCodeが自動更新されないようにすることをおすすめします。(参考記事2)
・pythonのパスが上手く通らない場合は、
VSCodeのsetting.jsonの設定を確認ください。(参考記事3・参考記事4)
・記事の内容を実行後、仮想環境を活性すると、pythonが動くようになります。(参考記事5) ↩︎
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