お金も時間も足りない?アラサー世代・30代から見直す投資家のライフマネジメント術

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はじめに

アラサーと呼ばれる30歳前後の時期は、さまざまな選択肢が交差するタイミングです。この数年で、価値観の多様化や働き方の変化が進み、「安定」や「正解」が曖昧になりつつある今、個人としての判断力や資源の使い方が、これまで以上に重要になっています。
将来を見据えた視点を持つことは、経済的な自由だけでなく、時間や健康といった人生全体の最適化にも繋がります。本記事では、アラサー個人投資家としての視点から、以下の3つの柱を中心に、これからの戦略を考えます。

  • マインドセット
  • 金融リテラシー
  • 資源の最適化

変化を恐れず、自分の軸を持って行動する人のヒントになれば幸いです。なお、本記事は書籍「億までの人、億からの人」「自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図」を参考に、自分の経験や考察を交えて整理しています。

マインドセット:決断・スピード・プロセスを重視する

自分自身で意思決定をする

仕事では、上司の指示に従って動くのが一般的です。そうした環境では、判断や責任からある程度逃れられるため、気楽に感じることもあるでしょう。一方で、自分で考え、決断し、行動することは簡単ではありません。間違った判断は損失につながる可能性がありますし、経験が浅ければ、自分の情報収集力や判断力に自信を持てないのも当然です。
それでも、「決めること」から逃げていては、何も動かず、何も変わりません。特に投資においては、お金を動かさない状態は「現状維持」ではなく「リスク」にほかなりません。投資家として最初に身につけるべき習慣は、自分の言動に責任を持ち、自ら意思決定を行う姿勢です。

最優先すべきは「確実性」より「スピード感」


完璧を求めるより、まず動き、経験を重ねることが成長には欠かせません。「確実性」と「スピード感」の2軸で選択肢を分類した時、現実的な選択肢は「速くて間違っている」です。速く動いて間違える人は、そこから学び、修正することで判断の精度を上げていけます。経験が浅いうちは、質を追いすぎても限界があります。とにかく圧倒的なスピードで行動し、試行錯誤を重ねていくのが良いでしょう。質はその過程で自然と磨かれていくものです

成果物よりプロセスを重んじる

目的を達成するためには、プロセスの中での試行錯誤や失敗が不可欠です。
ただゴールを目指すのではなく、プロセスそのものを重視しながら行動することが、結果として質の高い成果につながります。途中で軌道修正しながらも、目標を立ててそこに向かっていることを意識して行動することが大事です。

金融リテラシーを鍛える:節税に関する学習と投資の実践

節税・税金に関する知識を身につける

節約は「我慢」が伴いますが、節税は“知っているかどうか”だけで結果が変わります。
たとえば、所得税率は最大、株式投資・配当にかかる税率の倍以上となります。働いて得た収入に最も高い税率がかかり、資産から得る収益の税率が低いという構造は皮肉ですが、現実です。節税・税金を学ぶことで、経済的な自由・判断力・投資効率の向上など、多方面にわたって人生の質を高める効果があります。

投資は「今すぐ」「少額」から始めよう

投資で最も重要なのは、「まず始めること」です。どれだけ勉強しても、実際にやってみなければ身につかない学びがあります。少額から始めれば、リスクを抑えつつ経験値を積むことができます。始める際には、以下の点を意識しましょう:

  • 投資の目的をを明確にする
  • 「長期・分散」を基本とする
  • 視点のバランスを取る
    (例:成長株と割安株・インカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(売却益))
  • 塩漬け状態や手数料負けを避けるために、損切り・利確の基準を事前に決めておく

さらに、社会や技術の動きにも敏感であるべきです。たとえば、テクノロジーの進化に取り残される企業の株を持ち続けるのは、リスクが増す一方です。定期的に自分のポートフォリオを見直し、変化に応じて戦略を柔軟に調整していく姿勢が求められます。

資源の最適化:時間(とお金)・健康を意識的に管理する

時間の管理

緊急性が低くて重要性が高いことに時間をかける


緊急性と重要性の2軸でtodoを考えると4つに分類されます。「緊急度が高く、重要度が高い」ものはすぐに取り掛かります。「緊急度が低く、重要度が低い」ものは、「やらない」ことも視野にいれます。「緊急度が高く、重要度が低い」ものについては、優先度を下げて時間をできるだけかけないようにします。中長期的なコツコツした努力の積み重ねが必要な「緊急度が低く、重要度が高い」(例:資産形成の勉強・将来の準備・健康習慣づくり)ものに時間を割けるかによって、人生の長期的な質が変わってくると思います。

複数の分野で“100人に1人”を目指す

1つの道でトップを目指すのは大変です。しかし、「100人に1人」レベルのスキルを、例えば3つ掛け合わせることで結果的に100万人に1人(希少な存在)になれます。分野の組み合わせにより、希少性と柔軟性を同時に手に入れられます。ゴールに向かって多角的に極めるには、大きく以下のステップを踏みます。

  1. 必要なスキルを洗い出す
  2. 各スキルのインプットとアウトプットを並行して実行する
    (学習を横断させて、相乗効果を狙う)

80/20の法則を意識する

「80/20の法則」とは、「成果の8割は、2割の時間から生まれる(8割の成果を10割にするには8割の時間を要する)」という考え方です。完璧主義を手放し、スピード感を持って8割まで進めることを優先しましょう。

費用対効果を意識して時間とお金を使う

「自分でやった方が節約になる」――それ、本当に効率的ですか?

  • ハウスキーパーの利用
  • 食事の外注やデリバリー
  • 時間を買うためのツール導入

これらは「ラクをする」ためというよりは、高価値な時間へリソースを再配分するための投資です。ただし、「怠惰」と紙一重なので、自己管理と目的意識は忘れずに。

自分に合ったタスクのこなし方を見つける

タスクのこなし方は人によって異なります。以下のような方法を試し、自分に合うスタイルを確立しましょう。ポイントは、自分が比較的疲れず継続できる方法かどうかです。

  • 細かく分割してコツコツ進める
  • 集中して一気に終わらせる
  • 日常の動作と並行してこなす
    (例:「食器洗い中にニュースを聞いてインプットする:聞くことと他タスクの並列」
    「洗濯物を干している時に音声入力でメールの返信をする:話すことと他タスクの並列」
    「タクシーでの移動中に、静かな環境と隙間時間を生かして相手と交渉する:移動することと他タスクの並列」)
健康の管理

自分に合った仕事に就く


自分のなりたい姿や強みを整理して、自分に合った仕事に就くことをお勧めします。特に性格に重点をおいて仕事を選ぶと、精神的に余裕ができ、仕事により前向きに取り組めるようになります

睡眠の質を上げる

良質な睡眠は、集中力・判断力・感情の安定などのすべてのベースになります。
例えば以下を意識することで、睡眠の質は改善されます:

  • 就寝時間と起床時間の固定化
  • 日中に運動をして、体に良い疲れをためておく
  • 日光を浴びる
  • 腹式呼吸をする(きちんと吐き切るなど、正しい呼吸をする)
  • ベッド・マットレス・枕・遮光カーテンなどの寝具は自分に合うものを選ぶ
  • パジャマにこだわる
  • ウェアラブルデバイスによる測定と改善を図る
  • 就寝直前の飲食は控える。夕方以降のカフェインは控える。

整える順番を意識する

メンタル不調を感じた時、いきなり心のケアを行うよりも、まず身体のコンディションを整えることが先です。順番としては「カネ → 身体 → 心」が基本と考えます。

さいごに

投資とは、単にお金を増やすことだけでなく、自分の「人生」をどうデザインするかという選択の積み重ねです。アラサーという節目において、意思決定の習慣を持ち、知識を武器にし、限りある時間とエネルギーを最大限に活かすこと。これこそが、投資家としてだけでなく、人生を豊かに生きるための基本戦略になるのではないでしょうか。

「スピード感を持って動く」「失敗から学ぶ」「お金だけでなく身体と心にも投資する」
そうした行動が、未来の選択肢を広げ、より納得のいく生き方に繋がって行くと思います。

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