ユーザー体験 = プロダクト利用中の体験だと思っていませんか?
こんにちは、株式会社スタメンで漏洩チェッカーの開発をしているyunbooです。
漏洩チェッカーのキャラクター「チェッカーくん」
可愛いよね!!
普段はフロントエンドを中心として開発を行っていますが、最近は開発もしつつ、企画もしつつ、デザインもしつつ、いろんなことをやっていています。
開発しているだけでは得られなかったような情報の中で、特にエンジニアとしても大事そうなユーザー体験(以下UX)に関する部分でなるほどぉぉってなったことを共有できたらいいなと思います。
はじめに
タイトルに記載してある通りですが、UX = プロダクトの利用中の体験のことだと思っている人はいないでしょうか?
僕は、最近まで思っていました...
なぜかというと、プロダクト開発していく中で、「UXの改善・向上をしましょう」というタスクをこなす際に、全てがプロダクト内で完結していたからです。
例えば、
- 表示速度を改善し、ユーザーの待ち時間を減らす
- ボタンを押せているか押せていないかわからないので、インタラクティブ性を持たせたい
みたいな、さまざまなUX改善・向上という名目でタスクをこなしてきました。
さらに、フロントエンドに関わっているエンジニアなら一度は聞いたことがあると思いますが、**Core Web Vitals**にも以下のようなことが記載されていたからです。
Core Web Vitals は、ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性に関する実際のユーザーエクスペリエンスを測定する一連の指標です。
僕が最近まで勘違いしていた理由として、UX=利用中の部分にフォーカスがかなり当たっていたので、UX = 利用中の体験だと思い込んでしまっていたようです。
本題
結論ですが、UXは利用中の体験だけではないです。
利用中の体験はUXの中の一部であり、UXは複数存在しています。
『UX白書』
自分が今までUXだと思い込んでいたのは、いわゆる利用中の一時的UXの部分のことでした。
では、それぞれのUXを紹介をしていきます。
利用前(予期的UX)
予期的UXはプロダクトを体験する前に想像していたことや体験を指します。
- 広告やブランドサイトなどを見て、利用体験を想像する
- 口コミやレビュー、体験談などから利用体験を想像する
マーケティングに関連するタスクを行っている際に、この部分について議論したりしていました。
利用中(一時的UX)
プロダクト利用中の体験を指します。
- 画面の表示がサクサク進んでいくので気持ちいい
- ボタンなどの操作時の反応が悪くイライラする
利用後(エピソード的UX)
エピソード的UXは製品やサービスを使用した経験を振り返る体験です。
- 操作性が良くスムーズに買い物をすることができてとても満足
- 買い物はできたが、本当に買えたのかわからない時間が長く不満が残った
このような一時的UXの体験を振り返ったことで生じる感情などをエピソード的UXと呼びます。
利用時間全体(累積的UX)
累積的UXは製品やサービスの利用期間全体を振り返る体験です。
累積的UXはこれまでの「予期的UX」「一時的UX」「エピソード的UX」を含む体験となります。
製品やサービスを使っていくことで生まれる愛着や作っている企業の印象(ブランドイメージ)も累積的UXのひとつです。
体験例
yunbooさんがお昼休息で喫茶店に入る。
コーヒーを注文。
店員さんの言葉遣いや表情、清潔感、店内の居心地などが良く、つい長居してしまう。
そこで考えられるUX:
-
予期的UX(利用前)
- 知人に紹介されたカフェに興味を持ち、一度行ってみようと考える。
-
一時的UX(利用中)
- 実際に来店し、コーヒーを注文。店員の丁寧な接客がとても良く、お店の雰囲気も最高だった。
-
エピソード的UX(利用後)
- コーヒーも美味しく、居心地も良かった。店内の写真やコーヒーなど、お店の感想をSNSで共有。
-
累積的UX(利用時間全体)
- 一度行って大満足したものの、SNSでバズってしまい、連日満席で入店できなくなってしまった。
- 落ち着いてから、行ってみよう。
最後に
今までの自分であれば、いわゆるコーヒー(プロダクト)の質の部分ばかりに注目していました。
UXの改善・向上と言っても、どこにフォーカスしていくかで内容も変わってくるので、議論する際は対象の期間を明確にしていくことが大事だなと思ったのと、利用中以外のUXにもフォーカスしていき、一貫性を持たせることでプロダクト全体としての体験の向上につなげていかないとなーって思いました🤟
Discussion